アリカ、ゴブリンナイトと戦う。
『グギャ!?』『グギャア!?』『グゥギャ!?』
アリカはマッドゴーレムが捕らえたゴブリンにトドメを刺していく、
「ふぅ…何体倒したかなぁ…もう数えきれないなぁ…」
アリカがそう考えているとマッドゴーレムが次の獲物に向かう、そして纏わりつこうとして真っ二つにされた。
「マッドゴーレムがやられた!?」
マッドゴーレムだった物がポリゴンに変わる、そのポリゴンの光が消えるとマッドゴーレムを真っ二つにした犯人が現れた、全身を鉄のフルプレートアーマーで覆い兜から耳だけ出したゴブリンが居た。
「っ!?識別!!」
『ゴブリンナイト』
HP:300
MP:80
『ゴブリンの中のエリート個体のみが成れる鉄の鎧を着たゴブリン、ゴブリンキングの忠実な僕』
アリカは識別の情報を見て強敵と判断し武器を構える。
フォレストウルフよりも強いな、
アリカがそう考えているとゴブリンナイトが右手に持った鉄のロングソードで攻撃してくる。
『グギャ!!』
「ッ!!はやッ!?」
アリカは咄嗟にロングソードで受ける、
アイツあんな重装備なのに思ったより速い!!
アリカは左手に持った短剣で反撃するが軽く避けられる。
『ギギギニンゲン、オマエ遅イ』
「ゴブリンが喋った!?」
アリカはゴブリンがカタコトだが人の言葉を喋った事に驚く、
『オレ達【エリートゴブリン】ハ、頭ガ良イカラ人ノ言葉ヲ喋レル』
「…」
ゴブリンナイトは自慢げに自身の事について喋る、そんなゴブリンナイトにアリカは無言で剣を構える。
まぁ…ゴブリンが喋ったのは驚いたけど、だから何?って話だけどね、
アリカはゴブリンナイトに斬りかかる。
「スラッシュ」
『オット、危ナイナァ?』
ゴブリンナイトはアリカのスラッシュを避ける、
『【剣術スキル】ッテ奴カ、確カ…コウヤルンダッタヨナ?…スラッシュ』
ゴブリンナイトが剣術スキルのスラッシュを使ってくる、アリカは驚いて固まってしまいモロに受ける、
「うぐぅ!?」
アリカは痛みをかんじながら地面を転がりゴブリンナイトから少し距離を離す、
ッ!!油断した、まさかスラッシュを使ってくるだなんて…
アリカは懐からポーションを取り出して飲む。
「やってくれたわね…まさかスラッシュを使ってくるなんてね…」
『ドウシテソンナニ驚ク?【オマエ】ガ使エルノニ、俺ガ使エ無イナンテ道理ガアル訳ナイダロウ?』
ゴブリンナイトは不思議そうに答える。
喋れるだけのゴブリンじゃあ無いみたい、
アリカは頭の中で、どうしたら勝てるのか考える。
よし…思いついた、
アリカはゴブリンに突撃する、
『マタ同ジカ?ツマランナ、スラッシュ!!』
ゴブリンナイトはつまらなそうに言う。
アリカの眼前にゴブリンナイトの剣が迫る、
「今だ!」
アリカは突撃をやめて後ろにジャンプしながら自分が居た位置に試作火炎瓶を投げる、そこにゴブリンナイトのスラッシュが火炎瓶を真っ二つにする、すると火が燃えあがりゴブリンナイトに降り注ぐ、
『グギャアアアァァアアア!?』
火ダルマになったゴブリンナイトは地面を転がり火を消す、
『キサマァァアアアアア!!………ア?』
激昂したゴブリンナイトが起き上がると眼前に剣を振りかぶったアリカが居た、アリカは立ち上がったゴブリンナイトの剣を持った右腕の鎧が無い関節部分をロングソードで切り裂く、
ゴブリンナイトの右腕が宙を舞いポリゴンが飛び散る。
『グギャアアア!?』
ゴブリンナイトの悲痛な叫びが辺りに響く、ゴブリンナイトは叫びながら地面に転がる、そんな痛みで動けないゴブリンナイトをアリカは見下ろす。
「………解体、スラッシュ」
アリカは淡々とスキルを発動させて剣を振り上げる、そんなアリカの姿を見てゴブリンナイトは死神を幻視する、ゴブリンナイトの頭が恐怖と痛みでグチャグチャになりゴブリンナイトの顔が恐怖に歪む、
『ッ!?マッ待テ話ヲ
ゴブリンナイトが言い終わる前にアリカは剣を振り下ろす、ゴブリンナイトの首が切り落とされ辺りに血が飛び散る。ゴブリンナイトの首無し胴体がガチャリと音を立て力無く倒れる、切られた断面から真っ赤な血がドロリと広がる、アリカは、そんなゴブリンナイトの死体をアイテムボックスに仕舞う。
《称号《恐怖の体現者》を獲得しました。》
《称号《処刑人》を獲得しました。》
《スキル《断頭1》を獲得しました。》
《スキル《威圧1》を獲得しました。》
「ふぅ…強かったなぁ…」
そうしてアリカが、ふぅ…と胸をなでおろすと、フェーズ終了のアナウンスが鳴る。




