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恋する六等星

作者: 早迫佑記

 例えば、さらさらと風に(なび)く真っ直ぐな黒髪とか、いただきますのときに必ず手を合わせる律義さとか、窓際で暖かい日差しを受け、襲い来る睡魔に負けまいと必死で頑張るけど、やっぱり午後の授業では寝てしまうその丸まった猫のような背中とか。気付けばいつも僕の目は、君ばかりを追っていたのに。

 その瞳に映る数多の星を覗き込むまで、何故この気持ちに気付かなかったのか、本当に僕は――どこまでも冴えない男なんだ。



 ☆ ☆ ☆



「やっぱ、いつ見ても可愛いよなぁ」


 どこからか聞こえてきた囁き声につられて落としていた視線を上げれば、そこには渡り廊下を歩く賑やかな一年生の集団。その中でも一際目を惹く一人の女生徒をみとめ、あぁ、と僕は内心頷いた。

 彼女はなんでも、今流行の読者モデル、というやつなんだそうで。

 鬱陶しい梅雨の雨だって、彼女の前ではその身を潜めてしまうらしい。雲間から射し込む柔らかい光を、何代も前の卒業生が植えていった記念樹越しに見上げ目を細める姿は、実際文句なしに可愛かった。


「俺たちじゃ、相手にされないけどな」


 だよなぁ。誰とも知れない発信源に心の中で同意を示して思わず笑ってしまったけど、でもちょっとくらいなら夢見てみたいって、そんな風に思わせるほどの女の子。


 遠ざかりつつある、その背を見つめる。

 茶色い髪、短いスカート、キラリと光るピアス、だらしなく見えない絶妙な加減で緩められたネクタイ。周りはとても華やかで、隣に立った自分は、やっぱりどうやったって想像できなかった。





「眼鏡男子も萌えるけどね……やっぱナシ」

「ふーん。じゃぁ背は?」

「あたしよりは欲しいかな」


 クスクスという楽しげな笑い声が心地好く反響する昇降口。水を差すようで出るに出られない僕の右手は、もうかれこれ三分は靴を持ったまま固まっている。


「性格は?」

「優しい人」

「何か無難だなぁ。体型は?」

「あのねぇ。……はぁ、細い方がいいけどヒョロいのは嫌」

「細マッチョか! じゃあ髪型は?」

「んー、長いよりは短い方が好き、かなぁ」

「色は?」

「ねぇ何なの? この質問攻め」

「変な虫は、寄ってくる前に追い払うよ?」


 期せずして、麗しの新入生、青山風香(あおやまふうか)のタイプを聞いてしまっている僕は、これを天の采配と喜ぶべきなのだろうか?


「ね? 色は?」

「……まあ、黒い方が」


 思わず自分の髪を触る。好みに当てはまるのは、髪の色と……背の高さくらいだろうか。

 と、そんなことを考えた自分が何だかとても滑稽に思えて、薄く笑ってしまった。


「なるほどなるほど。彼女のタイプは、気は優しくて力持ち、と見た!」

「うわっ」


 すると、突如背後から掛けられる声。思わず小さく叫んでしまい、慌てて口を押さえた。

 気配を殺して(うかが)えば、お喋りでうまく掻き消されてくれたのか、変わらず響く笑い声。

 ほっと胸を撫で下ろし何なんだと振り返ると、そこには女の子が、僕にへばりつくすれすれの後ろから、こっそりと彼女たちを覗いていた。

 ――羽橋(はねはし)(ゆい)? 

 一年のときからずっと同じクラスだが、ほとんど話したことがない。別に仲が悪いとかではなくそれ以前の問題、有体に言えば“住んでる世界が違うタイプ”ってこと。スクールカーストなんて大層なもの僕のクラスには存在しないけど、自分がどんな人種であるかは、多分みんな自ずと弁えている。

 だからこんな風に気軽に話しかけられたのは勿論初めてだし、それに綺麗な髪からは何だか良い香りがして、距離が近いことに今更ながら慌ててしまった。


 目が合う。

 初めて真正面から見た。つり気味の大きな目が、とても印象的な顔立ちだった。


「狙っちゃう?」

「は?」

「青山風香ちゃん」

「は、え、なんで」

「だって、気は優しくて力持ちなんて、まんま(たちばな)くんじゃない」

「……は?」


 何を根拠にそんなことを言っているのかさっぱり分らない上に、ますます近づく距離。

 美人ならば他人のパーソナルスペースを侵害しても許されるっていう法でもあるのか、仰け反る僕のことなんて気にも留めず、華奢な腕を無遠慮に伸ばしてくる。

 ビクリとした身体に訪れる、小さくてひんやりした柔らかな感触。それはするりと額を滑り、僕の前髪を一気に押し上げた。


「この不衛生に見える長い髪と、その野暮ったい眼鏡、変えたらとりあえず橘くんはそこそこカッコいいと思うよ」

 

 酷い言われようだったにもかかわらず、言動を理解した途端、僕は自分の頬がカーッと熱くなるのを感じた。


「あはは、赤くなった」

「ちょ、ちょっと」


 案の定指摘され、その手を少々乱暴に振り払ってしまう。


「行こ行こ」


 でも気にした風もなく、最早主導権を握った羽橋さんは僕を促し靴を履いた。


「行くって、どこへ?」


 躊躇いなく足を進める彼女に一瞬ヒヤリとしたが、小さな背を追い外へと目を向ければ、いつの間に帰っていたのか、そこにはもう人がいた名残さえなくなっていた。


「まずは……コンタクト? それとも髪? 美容院はいつもどこ行ってるの?」

「……何の話?」


 僕は相当に変な顔をしていたのか、羽橋さんはぷっと吹き出した。そしてそのまま、まるで何でもないことのように。


「狙っちゃおうよ、風香ちゃん」

「いや、別に好きとかじゃないって」

「でも黒髪が好きって言ったとき、橘くん自分の髪触ってたよ?」


 いったいどこから見られていたのかと気恥ずかしくなる。

 確かにそうだけど、別に本気で相手にしてもらえるなんて思っていたわけでもない。


「お金持ってる?」


 けどどうやら何事においても唐突な彼女は、今度は僕の腕をぐいぐいと引っ張り歩き出す。


「え? ちょ、ほんとどこ行くの?」


 思わぬ事態に身体が奇妙に強張って、脚は空回りするばかり。引き摺られるように、そこまで長くないことが唯一の救いだった駅までの道のりを乗り越え、改札を潜り抜け。手は漸く離された、けれども。

 触れたら火傷しそうなほどの熱だけが、いつまでも冷めてくれない。


「急がないと間に合わないよ」

「な、何が?」

 こっそりと腕を振って、呼吸を整えて。

「七夕」

「七夕?」

「そう。次の火曜、七夕でしょ?」

「えっと、それが?」

「願い事、叶う日でしょ?」

「願い事?」


 怪訝な瞳を向けたのに、彼女はふふっと可愛らしく笑う。


「そういうイベントの日ってさ、何だか勇気がもらえると思わない? 背中を押してもらえるっていうのかな? カッコよく変われたら、そんな日に(かこつ)けて告白ができちゃうかもしれないじゃない」


 まさか、と。絶対に有り得ない、と。そもそも別に好きなわけじゃないんだって、と。思ったはずなのに……満面の笑顔を前に、気づいたら何でか首は縦に振られていて、羽橋さんは満足そうに頷くと、オススメのお店があるの、と二駅隣で再び僕の腕を引いた。




 結論から言えば、髪を切ってコンタクトに変えたからといって、漫画や小説のような劇的なシチュエーションは訪れなかった。でも僕を覆う世界は、確かに少しだけ開けたような気分になったんだ。

 羽橋さんと、あるいは彼女の友人と、挨拶を交わすようになって、ちょっとだけど世間話もするようになって。

“住む世界が違うタイプ”なんて、そんな風に勝手に理由をつけて、傷つきたくなくて、本当はありもしない壁を作っていたのは、もしかしたら僕の心の方だったんじゃないか、とか思えるように少しだけなったりして。


 ……けど、二人きりで出かけることは、もうない。


 何日か経てば、すっかり戻ってくる日常。

 ただそれだけのはずなのに。

 どうしてだか一抹の寂しさを覚え始めた、ある日の昼休み。


 ――事件は、起きたんだ。


 食券を手にカウンターへ並ぼうとする僕の前に、一人の女生徒が立ちはだかった。


「あの、先輩」


 慌てて立ち止まると同時にキッと睨みつけられ、困惑する。

 僕は帰宅部。交友関係の狭さは折り紙付きで、はっきり言って後輩に知り合いは一人もいない。ましてや女の子。明るい髪に緩くパーマをかけたその子は、間違っても僕と友達になりたい、なんてことはなさそうだった。極めつけはこの表情。どう見ても友好的とは言い難い。


「えっと……?」


 口ごもれば、不躾な視線が値踏みするように上から下へ、そしてまた上へ。しかし僕の瞳は、その後ろからこちらを窺うように見つめる別の女生徒へと吸い寄せられた。

 いつからいたのだろうか? それは、青山風香だったのだ。


「先輩、変わりましたね」


 尖った口調に視線を戻せば、まるで親の(かたき)のように見据える瞳が待っていた。


「……え?」

「いったい、どうするつもりですか?」


 唐突な台詞に戸惑うことしかできず、それでも回らない頭で何とか察すれば、不衛生で野暮ったいと羽橋さんに評されたあの姿を、どうやらこの子は知っているようだった。

 ふと、あの日下駄箱にいたのは、彼女だったのでは? と思い立つ。隠れていたつもりではあったけど、途中からは羽橋さんと喋っていたから、気づかれてしまっていても不思議ではない。


 もう一度青山さんに目をやる。友達の袖を引く彼女は、行為だけ見れば先輩に対する失言を諌めるよう。でも瞳には、その実明らかな侮蔑の色が灯っていた。

 ため息にも似た笑いが、思わず零れた。


「……どうも、しないよ」


 言ってからますます笑ってしまった。だって、そういえば今日が七夕当日だったってことを、僕は今の今まで思い出しもしなかったんだから。


「は? じゃあ何で急に?」


 強い嫌悪の滲む声。

 でも、俯かずにいられた。


「そうだね。あのとき聞いていたのは確かだ」

「ほらやっぱり」


 僕をやり込められたことが心底満足そうな響きに、言いようのない空しさがせり上がってくる。


「青山さんを可愛いと思っていたのは本当だ。そしてたまたまあの日――」

「――た、橘くん!」


 学校一の美少女を巻き込んだ事態に、最早学食は水を打ったように静まり返っていて、だから人垣を割って出てきた彼女は、ここにいる全員の視線をいやが応でも集めてしまう。


「……先輩誰ですか? 言っときますけどこの人、風香のストーカーですからね?」


 レベルアップした扱いに、正直落ち込みそうになった。


「ち、違くてね、橘くんはそうじゃなくて、橘くんを焚きつけたのはね――」


 だけど必死な彼女の瞳が、その姿が、僕の心に火を灯す。


 ――そうだった。僕は確かに、あの日羽橋さんに、半ば無理矢理焚きつけられたのかもしれない。けどそれは、青山さんへの想いなんかじゃなくて、弱くて卑屈な、僕の心の方だったのではないだろうか。

 腹にグッと、力を入れた。


「可愛いとは思ってたけど、好きとかそういうんじゃないんで! ごめんなさいっ!」


 今までの人生で、きっと一番声を張り上げたに違いない。あらゆる矛先は全て僕に集まればいい、そう思った。

 だって羽橋さんに悪意が向くのだけは耐えられなかったんだ。きっかけはどうであれ、こうして変われたのは、あの日彼女が僕の手を引っ張ってくれたからなのだから。


「……何これ、ありえないし」


 やがて下げた頭に、静かに降り注ぐ震える声。


「あ、風香っ」


 次いで走り去る二つの足音。


 どうしたら良いのか戸惑っていると、「告られてもないのにふるってある意味すげーな」と、どこからか誰かの声。確かにそりゃすげーや、てかひでーな、と僕は他人事のように可笑しな気持ちになって、本当に少しだけ笑って、そしたら何だかすっきりしてしまった。





 頬を撫でる風に意識を揺さ振られた。目を開ければ横たわる、すっかり陽の落ちたグラウンド。

 学食で注目を浴びた僕は教室へ帰ってからも散々クラスメイトにからかわれ、ふてくされて机に突っ伏していたら……いつの間にか寝ていたらしい。

 慌てて鞄を掴み、何で誰も起こしてくれないんだとため息交じりに立ち上がったその拍子に――僕の背から何かが滑り落ちた。


「……セーター?」


 拾い上げた視界の端に、一つの輪郭が浮かび上がる。


 ――羽橋さん?


 それほど広くない教室は、非常灯の淡いライトを受けた彼女をあっという間に僕の傍まで連れてきた。

 香る、華奢なセーター。

 急いた鼓動を意識しながら見つめれば、世界に二人しかいなくなったような錯覚に捕らわれた。


 視線を夜空へと移した彼女の瞳に映る宝石のような煌めきに、はっと息を呑む。

 そして僕はこのときになって漸く、彼女への想いがストンと胸に落ちてきたんだ。


「五年に一度だよ」


 見とれた僕は、言葉の意味を捉えきれない。

 すると彼女は、遥か上空を指差した。


「七夕の日に、晴れる確率」


 つられて見上げれば、都会なのに驚くほどたくさんの星々が、僕らを照らしていた。


「………ああ、そうか」

「え?」

「――あの星たちはさ、(かささぎ)だって知ってた?」


 彼女へと視線を戻せば、不思議そうに僕を見つめる瞳。

 本当に何故気付かなかったのか。もうとっくに、こんなにも囚われていたのに。


「天の川に架かる橋、あれは織姫と彦星を会わせるために、たくさんの鵲が翼を重ねて渡したものだとされているんだ」

「そう、なの?」


 君はその名の通り、彦星でもない、せいぜい六等星がいいところだろう僕のために、青山さんへの橋渡しをしてくれようとしたんだ。

 こんなちっぽけな、僕なんかのために。


「そうだよ。そして、名もなき六等星は、鵲に恋をしたんだ」

「え?」


 奇しくも今日は、願いの叶う日。


『カッコよく変われたら、そんな日に(かこつ)けて告白ができちゃうかもしれないじゃない』


 なるほど、僕はこの日に託けて、告白しても良いと、彼女から既にお許しをもらってるじゃないか。

 いい香りのする夜風を、胸いっぱいに吸い込んだ。


「――羽橋さん、あなたが、好きです」


 自分でも驚くほどすんなりと出た、告白の言葉。 

 それを受けた彼女は、大きな瞳をさらに大きくして忙しなく瞬かせる。瞳に映る無数の星もまた一斉に瞬くその光景は、それはそれは美しかった。


「……わ、私?」


 やがて、瞳いっぱいに盛り上がった星のかけらが、頬へと滑り落ちる。


「うん。情けないことに、ついさっき自覚したんだけど」

 僕はこの涙を、都合よく解釈しても許されるだろうか?


「私……一年生の三学期にね」

「一年生の、三学期?」

「学校の帰りに、家の鍵を道路の側溝に落としたことがあったの。私の力じゃ蓋を開けることも敵わなくて、そしたらそこへ橘くんが通りかかって」

「……ああ、うん」


 そこまで聞いて、おぼろげながらに思い出した。

 唐突に始まった昔話は、一年以上も前の記憶。


「細い腕だと思ったのに軽々と蓋を開けて、躊躇いもなく冷たくて汚い水に手を入れて、何でもないことみたいに鍵を拾って……お礼を言う暇もなくさっさと行っちゃったの」


 当時の気持ちはもう思い出せないけど、僕は、余計なことをしたかもしれないと内心焦っていたんじゃないだろうか。それに何かを言ったところで、結局恩着せがましく聞こえてしまう気がして、足早にその場を去った、恐らくそんなとこだろう。


「ごめん。あまり人付き合いが得意じゃないから」

「知ってた。でも、それでも助けてくれたんだよ。橘くんは、そういう人だよ。

 お礼がいつかしたかった。でもみんなの前で話しかけられるのとか、もしかしたら嫌かもしれないと思って、なかなか機会がなくて」


 そんな気を遣わせていたのかと、初めて聞いた彼女の胸の内に、申し訳ない気持ちになった。


「ごめん」

「ううん。それに、せっかく恩を返せるチャンスだと思ったのに、結局はあんな事になっちゃって。学食でも、私を庇って恥をかかせちゃった。こっちこそごめんね」

「いや、そんなことない」

 それは違う。絶対に勘違いなんかしてほしくない。

「だって、今の僕がいるのは、紛れもなく羽橋さんのお陰なんだから」


 自分で言って驚いた。こんな普段なら絶対に言えないような台詞がサラリと出てくるなんて、七夕には本当に、願いを叶える手伝いをしてくれる何者かがいるらしい。


 左手に、僕に負けないくらいの熱を宿した彼女の指先が触れ、鼓動が大きく跳ね上がった。


「……私も、いつの間にか好きになってた。最初は恩返しだったけど、一緒に過ごすうちに、ちょっと不器用で、でも純粋で真っ直ぐな、そんな橘くんに惹かれていました」

 

 聞いた瞬間。

 この夜空を明るく照らす億千万の星だって敵わないほどの歓喜が、僕の心を埋め尽くした。


「羽橋さん」


 恥ずかしかったのか、俯いてしまった彼女の顔が見たくて。


「羽橋さん」


 そっと呼べば、おずおずと上げられた瞳の中に、無数の鵲が輝く。


 まるでたくさんの仲間に祝福されているようだと僕が言ったら、君は、笑ってくれるかな。


七夕、背中を押された皆様の願いが叶いますように✩.*˚

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