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女王の我がまま
「マリネル・ライア。あなたをロズエール家の家臣、および2代目女王、ロズエール・ロリエッタの付き人に任命する。私の最期を見送ってね。」
ロリエは笑顔でポロポロと涙を流していた。恐らくこれが最後の我がままになるだろう。ライアは静かに跪き、ロリエの手にキスをした。
「おやすい御用よ。今までの我がままよりちょろいわ。」
「ふふ。ありがとう。でも、もう1つあるの。」
「なにかしら?」
ロリエはゆっくりと手を広げた。
「あの青年。クラウル・アルと一緒にこの世界を均衡に弱体化させ、終いには滅ぼして欲しいの。」
ライアは脱いでいたフードを被り、低い声で問いかけた。
「ふーん。それは本心?」
ロリエの目は狂気に満ちていた。