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招かざる願い

作者: こじー

いきなり決めつけた発言をするのはどうかと思うが、誰もが1度は死にたいと思った事があるだろう。

自分の失敗で死にたくなる者。

友達から裏切られて死にたくなる者。

今生きるのが辛くて死にたくなる者。

大切な人が無くなり死にたくなる者。

人は弱く、誰かに支えられて生きていく生き物だ。「人」という字は人と人とが支えあって生きてると言われるように、誰かに依存して、誰かに認められたいと少なからず思っている。だから「人」という字は棒が2本ある。1本じゃ無理なのだ。1人じゃ生きていけないのだ。ぼっちでも生きていける?そんなのは幻想だ。1人じゃなんにも出来ない。それは私が体験したから言えることなのだ。生きていけると主張しているやつは知らぬ間に誰かに守られているはずだ。家族に、動物に、才能に。私にはそんな物1つも無かった。いや、「無くした」が正しいか。


私は死にたいと考えたし、生きるのも辛かった。それでも私は私は選んだ。好きな人の為に。もう1度昔のように戻れる様に。


——という選択を。



「月乃ちゃん!僕と付き合って下さい!」


「いやいや、俺と付き合って下さい!」


「そんなやつより俺と付き合ってよ!月乃ちゃん!」


私がずっと来るまでまっていたのか、校門を通ろうとした私を見た瞬間に直ぐに3人の男の人が声を掛けてきた。私はいつも朝7時に登校するからその人達はかなり早く起きたのだろう。私は待ってくれていた人達にたった一言


「ごめんなさい」


とだけいって私は自分の教室へと歩いて行った。


「月乃さんまた男達を振ったってよ」


「これで何人目だ?」


教室からそんな声が聞こえてくる。私は100人数えたあたりから数えるのをを諦めたから正確には覚えてない。私はモテる人だ。自分で言うのもあれだがこれだけの人から告白されたら嫌でもそう思う。誰もが羨む存在。だけど私は誰とも付き合う気がないし、むしろ嫌だ。こんなに注目されて、ストーカーをされて。1度は家に入ってこようとする人もいた。だから私は願った。


「こんな思いするなら嫌われた方がマシだ」


——翌日


「はぁ……。今日も誰かに付きまとわれるのかな……」


私は今日も恐怖で怯えていた。誰かに告白され、教室ではずっと視線を感じる日をまた送らなければならないのかと。


「あれ?」


今日は誰にも話しかけられずに教室に着いた。教室でも私がいないかのように扱っている。


「私の願いが叶った?やった!」


私はガッツポーズをした。嬉しさにスキップしながら昼休みに1人で食堂へ歩いていると、誰かにぶつかってしまった。大抵の人は私にぶつかったら謝って来るけど目の前の人は


「ごめんなさい!」


「ちっ、邪魔」


「いたっ」


と舌打ちして私を突き飛ばした。今までこんなこと無かったのに……。今日はたまたまかな?そう思って食堂へと歩いていった。

食堂はいつも通りの賑わいだが、いつもの様に私に声掛けてくる人はいなかった。むしろ離れていっているようにも思える。私の願いは叶ったのかな?やった!ありがとう神様!これで人の恐怖に怯える日々を迎えなくてすむ。

そう思えたのはこの時だけだった。


「ただいまー」


いつも家に帰るとお母さんが毎日玄関で出迎えてくれる。これが私の日常だ。けれど今日は来ていない。風邪でも引いたのだろうか?私は気になってリビングに行くとお母さんがそこにいた。


「お母さんただいま!」


「…………」


お母さんからの返事はない。反応が無いのは今までで初めてだ。


「お母さん大丈夫?風邪引いた?」


「うるさい。早く部屋に戻って」


いつも温厚なお母さんからそんな言葉が出てきたのは初めてだったからちょっと間抜けな声が出た。


「え?お母さん?どうしたの?」


「喋りかけないで。私の視界から消えて!」


私はお母さんの大きな声にびっくりして怖くなって自分の部屋に急いで行った。


「なんであんなに怒ってたんだろう?お父さんが何かしたのかな?いつもニコニコしてるお母さんを怒らせるなんて……」


お母さんは今まで私に怒ったことが1度も無いから凄くびっくりした。

お父さんが帰ったきて、お母さんの事について聞こうとしたらお母さんは笑顔で出迎えていた。あれ?元気になったのかな?


「おかえり!お父さん」


ほっとして私も笑顔でお父さんを笑顔で迎えた。そしたらお父さんとお母さんは私を見て


「なんで来たの?部屋に居なさい。私達の目の前に現れないで」


「……なんでそういうこと言うの?ねぇ、なんで?昨日まであんなに優しかったじゃん!急にどうしたの?ねぇ!?私が何かした?何かしたなら謝るから!」


お母さんとお父さんは何も言わずにリビングに行った。私の叫びは聞こえなかったかのように。聞こえないふりをわざとしているように。


「もういいよ!お母さんとお父さんなんて知らない!」


私は涙を流しながら外に出た。私は涙を流しながら近くの公園まで歩いていった。私は親友の茜ちゃんに相談する事にした。茜ちゃんは私の1番信頼出来る人で私の愚痴をいつも聞いてくれてた。辛い時は茜ちゃんに必ず相談してた。だから今回よも相談する事にした。


「茜ちゃん、あのね……。私ね……」


茜ちゃんに電話を繋がって私は直ぐに涙を流し今日あった事を伝えようと言葉にした。これは誰かに聞いてもらわないと壊れそうだった。茜ちゃんからの慰めの言葉を待っていた。


「なに?よく聞こえない。要件だけ言って」


「あ、茜ちゃん?」


「早くしてよ時間無いんだから」


「う、うん。お母さんとお父さんが私をいないかのように扱うんだよ」


私はいつもの茜ちゃんと違う事を感じながら話し始めた。


「で?」


「え?」


一瞬茜ちゃんが何言ってるの私にはか分からなかった。


「で?それだけ?」


「う、うん……」


「その程度の事で電話してこないで」


プーップーッと電話が切られた音がした。


「みんな急にどうしたの……?」


親友と家族に見捨てられた私。なんでこうなったんだろう。


「それは君が願ったから」


どこからか聞いたことない声が聞こえた


「だれ!?」


「僕は招かざるネコだよ?」


「招かざるネコ?」


そのネコは願いを叶えてくれるらしい。願ってもない方向で。私は願ったのだ


「こんな思いするなら嫌われた方がマシだ」


と。私は毎回告白する男の人達だけと思っていたが家族や親友全員に嫌われたのだ。私は絶望した。その時に招かざるネコが言った。


「全てを白紙にと言えば願いはキャンセルさせられるよ?代わりに信頼とか友達とかの関係全て無くなるけど」


私は悩んだ。今まで仲良くしてきた人とはまた1から。そんなのだったら死んだ方がマシだと思う。親友と思ってた人も、家族だと思ってた人も、関係はゼロなのだ。だけど私は選択した。


「全てを白紙に!!」


死ぬのは簡単だ。それが1番の逃げ道なのだから。だけど私は選ぶ。生きる事を。もう1度昔みたいに親友と家族と笑って過ごせる未来を夢に抱きながら……。

今回は「死」をテーマに書かせて頂きました(〃・д・) -д-))ペコリン

死より辛い事を前に生きるか逃げるか。それはどちらが正解とは私には言えませんが私がこんな選択する時がきたのならどっちだろう?と考えながら書きました!

短く拙い文章でしたが、読んで下さりありがとうございました(〃・д・) -д-))ペコリン

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