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Gratia-紅き月の物語-  作者: 紅月涼
9/45

9話 大坂へ

とある武将が登場しますが、

ちょっとした日常回です。

さてさて、誰が出てくると思いますか?( ´ ▽ ` )ノ

長政様が亡くなった。


それは、私達の家が無くなった事を意味する。

これまで浅井家の臣下として過ごして来たが、これからは別の場所で生きねばならない。


だって、長政様の最期の手紙に。

”生きていてほしい”と、そう書かれていたから。


「恵様。貴女は1人ではありませんよ」

「あぁ、我らはたとえ地の果てまでも、貴女について参る所存」

「そーゆーこと。だからさ、これからも一緒に居させて‼︎」


そう、私は1人じゃない。


あの時、生まれ育った村を出た時とは違う。

だからこそ、もう絶対に失いたくない。


そして、長政様を死に追いやった信長を、私は許さない。

絶対に…。


「長政様の(かたき)は、私達が取る…‼︎」


ーーーーーーーーーー


「恵様、現在大坂の石山本願寺の顕如(けんにょ)殿が、織田家臣の明智(あけち)光秀(みつひで)と戦闘状態にあります。そして長政様の亡くなった今、信長包囲網の最重要拠点の一つが本願寺です」

「分かった。じゃあみんな行こうか、本願寺へ」

「えぇ、参りましょう」


燃え落ちた小谷城をあとにした私達は大坂に向かった。


その途中、草津(くさつ)の宿場町に着いた時だった。

衛兵がこちらに向かって来た。


「貴様ら、そんな武装しているが何者だ。もし織田の敵ならば即刻排除する。身分を示すものはあるか?」

「そんなのないよ。それに、私達は浅井家に仕えていたの」


そう言った途端、衛兵は予想通り身構えて、抜刀した。


「小谷城から逃げ延びた者共か‼︎ 神妙に(ばく)にっ…ぐぁ‼︎」


最後まで喋らせる間も無く、暦が薙刀(なぎなた)を一閃させた。


「さすが暦ちゃん。さあ恵様、先へ進みましょう」


そう言う夢も、今矢を射る寸前だったよね?


そこから先も、何度か織田の兵士に捕まりそうになりながら、片っ端から倒して大坂を目指した。


しばらく琵琶湖の(ほとり)を南下し、大津を抜けて、私達は京に着いた。


「おや?そこ行く貴女達。もしや浅井家で長政様とお市様の側近だった者達では?」


突然、鴨川の四条大橋で私達は呼び止められた。


「貴方は?」

「俺は浅井家に仕えていた下級武士、藤堂(とうどう)高虎(たかとら)だ。今はいい士官先が見つからなくてな。浪人中だ」

「そうでしたか。私は紅月(こうつき)(けい)。こっちの3人は…」

(われ)は神薙暦。薙刀が得意だ」

(わたくし)は朝渚夢。弓をよく使いますわ」

「あたしは夕凪篠‼︎ 高虎さん前に何度か見掛けたよ。あたしには気付いてないみたいだったけどね」

「…ふむ、いい部下達じゃないか。ちょうどいい、急ぎでないなら、美味い餅屋(もちや)を知ってるし一緒にどうだ?」


うーん、今は大坂に急ぎたいけど、そういえばここまであまり食べてなかったよね。


「それじゃ、少しご馳走になろうかな?」

「やったぁ、久々に食べるぞ〜‼︎」

「篠、ご馳走になるのだから少しは自重するんだぞ?」

「…そう言う暦も食べ過ぎちゃダメですよ」


みんな、少しは自重して食べてね?


と言いつつ、その餅屋さんのお餅はとっても美味しかった。

抹茶や、(あん)で包んだもの、きな粉餅などもあり、団子なんかも沢山の種類があった。

結局、私達全員食べ過ぎて、高虎に少し驚かれたのだった。


「そうか、貴女達はこれから本願寺へ?」

「えぇ、長政様の仇は私達で取る。そう決めましたから」


その日の夕方、私達は高虎に見送られていた。


「仇、か。俺は引き止めたりはしないが、無理はするな。…ひとつだけ助言するなら、信長はああ見えて用心深い。奇襲や、暗殺のような、搦め手も考えておくことをオススメするよ」

「…そうね、ありがとう」

「お餅美味しかったよ‼︎ またね〜‼︎」

「高虎殿、健勝でな」

「またいずれ会いましょうね」

「暦、夢、篠の3人も。貴女達の活躍は浅井軍の希望でもあった。これからも恵殿を頼む。

そして恵殿。もしも何かあれば、俺は出来るだけ助けになる。1人で抱え込むなよ?」

「ありがとう、高虎。ではまた」

「あぁ気をつけて」


彼と別れて、私達は大坂に向かった。


さあ、また戦いが待っている。


待ってなさい、信長。

貴方は、私達が倒す…‼︎



はい、答えは藤堂高虎でした‼︎

築城の名手として知ってる方も

いらっしゃるかもですね。

彼と次に会う時は、果たして

味方なのか敵なのか…>_<

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