表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/49

とある朝のお話(7)

ーピンポーン…ー

来客を表すチャイムの音が鳴った。いわずもがな誰か分かり切っていた。

「急ぎなさい、翔。紗良ちゃんが来たわよ。」

紗良ちゃん、と呼ばれたのは残念イケメン翔の家の隣に住む世話焼き美少女、此里紗良であった。

「うへっ、嘘だろ…。」

驚いたようにいいながらチラッとテレビの左上に表示されている電波時計を見る。

「7時30分…。」

翔はいつも隣に住む紗良と一緒に学校へ通っている。いつも紗良が翔の家へ迎えに来てくれる。約束の時間は7時30分。つまり、今なのだ。

「えーっと、あー、はは。」

今の自分は全く以って学校に行ける格好ではない。いつも留めているピン留めは留めてない、三つ編みをしている髪は適当に散らばっていて、顔は洗ってない、歯も磨いていない、服は上だけ着替えただけで下はジャージだ。

「母さん!俺、全然準備出来てねーわ…はは。」

全く全く残念な奴です。

「髪は電車の中で紗良ちゃんにといてもらいなさい!くくるのは自分で出来るわよね?今から歯磨きして顔洗って!着替えはズボン取って来てあげるから!その間に全部終わらせなさいね!」

きびきびと指示を出す夕子。あれ、全然残念じゃない、だと…?!

「分かった。あー、さら?そういうことだから5分待ってくれねーかな?」

インターフォンを通して外にいる紗良に話しかける。

「仕方ないから5分だけ待ってあげないこともないよ。でも、5分で無理だったら知らないから!さてさて、計りますかな?」

といいながら紗良が出したのはストップウォッチ。しかし、それに驚いた様子を見せない翔から日常茶飯事だということが分かる。

「よーい、スタート!」

の掛け声とともに翔は洗面所へと走る、走る。

「うっし、3分で終わらせてやる!」

顔を洗い歯を磨いた翔の後ろには夕子が立っていて

「はい、ズボンよ。」

と渡してくれた。ついでにスクールバッグも。

そのまま靴を履き玄関を開ける。

「4分39秒、まだまだね。」

と和やかに立っている幼馴染がいた。

ああ、学校に馴染めない…

お友達がほしいどすー…

ぷはぁ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ