孤独な吸血鬼の誓い
あれ、また会ったね。今日はよく会うね。やあやあ。
「は…はぁ?!」
困惑なうの翔くん。困った顔が美しい顔に映えます。残念ですけどイケメンですからね。
「ちょっと、義之さんっ!ど、どどどど!どういう事ですか?!」
流石の元祖残念、夕子もこの有様である。
ま、びっくりっすよね。
「いや、ほんと家出ろとか参っちゃうぜ…。二束三文、鐚銭一文すら無いぜ?」
ほんとは3000円ぐらい持っている。だが、事態が事態なので敢えて伏せておいた。
「金はやる。だから、出て行ってもらう。」
と、まあ、金銭問題は片付いた。
「じゃ、じゃあ!何処に住めって言うんだよ?!」
次は、住む場所っすか。
「金もやる。場所も手配してやる。だから、出て行け。」
険しい顔でそう言う義之は、とても冗談で言っているようには見えない。それを知ってか知らずか夕子は義之が飲み終えた味噌汁が入っていたお椀を引いたり、読んでいた新聞を片付けたりして黙っていた。無表情に見える顔には、翳りがあったが…。
「金もある、住む場所もある。十分じゃないか?一人暮らしをする高校生なんてざらにいる。」
頷けない話ではない。寧ろ、年頃の男子高校生なら喜びそうな話だ。
しかし、翔は返事を渋る。何処か気に食わなそうな顔をしている。
「納得出来ない。何で、俺が出て行かなきゃいけないんだよ?」
まあ、そうなりますよねー。
「む…。」
たじろぐ父。
少し考える素振りをして
「分かった。理由は夜話そう。時間も時間だしな。翔、学校に遅れるなよ。あと、紗良ちゃんを待たすな。では、行ってくる。」
鞄を持って、玄関へ向かう義之と何時ものように「いってらっしゃい」を言うためにパタパタと小走りで追いかける夕子。
結婚して16年以上経っているが仲の良さは健在だ。尤も、夜はどうだか知らないが。
「くあぁ~。やっぱ眠ぃ…。」
欠伸をしながらのそのそと準備をし始める翔。
洗面台の鏡を見て、「そういえば血、付きっ放しだったな」と呟き唇を拭うためにペロリと舌で舐めてみた。
「うっ…。」
血を舐めると共に訪れる血を吸いたいという、吸血鬼の本能的な衝動。吸血衝動…。
「やっぱり俺、吸血鬼になっちゃったんだよなぁ…。」
鏡に写っている自分は何とも情けない顔をしていた。
「こんな自分、さらには知られたくねーなぁ…。」
こんなときに出てきたのは幼馴染の名前で。
「俺、やっぱりこの家から出て行こう。」
そう、思ったのだった
ちょっとお話っぽくなってきたよねー。
いや、お話のために死んじゃった若い女性ズは後からちゃんと事後処理しますから。はい、うん。え?するっていってるでしょ!は?そんなこと聞いてない?僕ちゃん、しーらんぷー




