帰り道
帰り道って聞くと、某少女の某曲を思い出す。蝸牛。
「しょ、翔?!」
あたふたとする紗良と哀しげな顔の翔。結構絵になります。
「今の時間さ、結構暗いけどすんげー見えるんだよ。寧ろ、昼間より見やすい。見渡しがいい感じ?」
感じ?と言われてもよく分からない…と紗良は思った。
辺りが暗くなるに連れて鋭く強い光を放つ翔の目。
「今までもさ、人より夜目がきいてたんだよ。まぁ、血筋が血筋だしさ。でもこれは、夜目がきくとかじゃないと思うんだよな。」
ふぅん…と言った感じでどうでもよさそうに返事をする紗良。
順応力とかの問題じゃなさそうです。
「それよりさ、吸血鬼って血、吸うじゃん?そういうことは思わないわけ?」
こっちの方が問題みたいです。貞操を守る的な意味合いで。
「あ、うーん。どうだろうか。いや、あるかもしれん…」
ふい、と紗良とは反対側を見る翔と、同じく気まずそうに翔とは逆の方に顔を向ける紗良。
「え、えと、それってどんな感じなワケ?」
気になるみたいです。そりゃ、そうですけど…。貞操的な意味で。
「んー、何かさ腹が減るとか喉が渇くみたいな感じ?あぁ、そう!何か、満たされない感じ…みたいな?」
何か愛情みたいだなー…とか、紗良は思った。
翔の説明が下手なワケでは無いのだろうがやはりアバウトである。まあ、人間には理解出来ないものなのだから仕方が無い。
「ふーん、じゃ今は?」
ごくり…と唾を嚥下する紗良。
「あー、うん。あんまり聞かんでほしい。」
爆弾発言。
ま、16歳の健全な男子高校生はいろんなものを我慢してるみたいです。いろんなものを。
「げほっ」
あ、紗良ちゃん飲み込んだ唾が逆流してきたみたいです。
「あ、今の質問なかった事にしてほしい、です。」
ですよね。
「ん、ああ。分かった。」
こうして無い事にはなりませんが無かった事にはなりました。
うん、おうちに着きましたよ。
ね、そういう事にしましょ♡
うふふ。




