表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
毒父に物資として戦地に送られた転生治癒師、無自覚チートで何でも癒しちゃいます  作者: 藤なごみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

75/100

第七十五話 スラム街での奉仕活動

 僕におばさんが抱き着いた件は、意外と大きな反響を呼んだ。

 というのも、僕が大ショックを受けた姿を多くの人が見ており、僕を巡る過激な反応は大分和らいだ。

 大教会に居合わせた貴族令嬢も、僕を心配して声をかけてくれる人やちょっと怯えた反応を示す二つに分かれていた。

 僕に声をかけてくれた貴族令嬢の実家はほぼ問題なく、これからも普通に貴族家として付き合うことになった。

 そして、僕に気分転換を兼ねたある依頼が舞い込んだ。


「今日は、スラム街での治療です。十分に気を付けて下さいね」


 朝の準備の際に、ハンナおばさんはかなり心配していた。

 今日は、スラム街にある教会で奉仕活動を行うことになったのだ。

 奉仕活動自体は今後も続けたいと思っていたので、今回の依頼はまさに良い経験になると思った。

 軍も派遣されるので大丈夫だと思うのだが、ハンナおばさん曰くとにかくスラム街は危険だという。

 僕としては、治療を求められるのならどこでも頑張ろうと思った。

 流石にクリスちゃんやシンシアお姉様たちは、身の安全のために不参加となった。

 僕たちは一度軍の施設に向かい、そこからスラム街にある教会に向かった。


 パカパカパカ。


「うーん、確かにバラックなどが多いですね」

「地方から流れ着いたものや、親などを亡くした子どもなどが多く住み着いています。犯罪をして生計を立てているものもいます」


 一緒にいる兵と共に馬車の窓から外を眺めると、道行く人は僕たちの馬車をじろりと眺めていた。

 やせ細っている人も多く、汚れた子どもが集まっている場所もあった。

 そんな中、僕たちはスラム街にある教会に到着した。

 いつも見慣れている大教会と比べると、大分小さな教会だ。

 馬車から降りて、さっそく教会の中に入った。


「【蒼の治癒師】様、お待ちしておりました」

「【蒼の治癒師】様の来訪を、シスター一同心よりお待ちしておりました」


 教会に入ると、シスターさんたちが僕たちを出迎えてくれた。

 そんな中、僕はちょっと気になることがあった。


「壁が傷んでいるところとかありますね」

「歴史ある教会ですので、どうしても傷んでいるところはございます」


 年配のシスターさんも、こればかりはしょうがないと言っていた。

 とはいえ、僕ならある程度のことはできる。

 僕は、魔力を溜めて一気に解放した。


 シュイン、ぴかー!


「こ、これは……」

「教会の中が光り輝いています……」


 範囲指定を間違えないように、慎重に魔法を放った。

 僕が放ったのはただの生活魔法で、教会の中をできるだけ綺麗にした。

 ただ、防犯の関係上外観はそのままがいいという。


「ふう、これで完了です。神様の像も、ピカピカにしました」

「【蒼の治癒師】様、本当にありがとうございます。まるで教会が生まれ変わったかのようです」


 シスターさんたちは、とても感動しながら綺麗になった教会の中を眺めていた。

 中には涙を流しながら感激している人もいるが、今日は教会の中を綺麗にしに来た訳では無い。

 あくまでも、本題は奉仕活動だ。

 さっそく、教会の中で準備を始めた。


 シュイン、ストトトトトン!


「す、スライムが魔法で野菜を切っていますわ……」


 炊き出しの準備は任せろと、リーフちゃんが得意の風魔法で野菜を切っていた。

 一緒に調理しているシスターさんは、リーフちゃんの早業に驚いていた。

 アクアちゃんも水魔法を使って水を作り出し、具材が入った大きな鍋に水を投入していた。

 急ピッチで炊き出しの準備が進む中、僕は治療班として動き出した。


 シュイン、ぴかー!


「これで、お腹の病気は大丈夫ですよ」

「おお、これは凄い。【蒼の治癒師】の噂は本当だったか」


 髪の長いおじいさんは、驚きながら調子が良くなった自身の体を確認していた。

 こっそりと生活魔法も使ったが、大分効果はあった。

 シロちゃんとレモンちゃんも、治療班として大活躍していた。

 ここで、いつも治療を頑張っている一匹のスライムがいません。

 どこにいるかというと、意外な事をしていたのだった。


 サッ。


「ブルル!」

「うおっ、なんだ!?」


 なんと、スラちゃんは馬に乗って不審者の摘発をしていたのだ。

 スラちゃんは鑑定魔法が使えるようになり、間違いなく犯罪者だけを捕まえていた。

 馬もスラちゃんの指示を聞き、犯罪者の襟首を掴んで引きずっていた。

 捕まった犯罪者は即座に兵に拘束され、護送用馬車に乗せられて軍の施設に運ばれた。

 スラちゃんのおかげもあって、安全に奉仕活動を行えていた。

 孤児の保護も行っており、事情を聞いてから孤児院のある大教会に送られた。

 もちろん色々な情報の聞き込みも行い、集められた情報は王城で集計される。

 こうして、僕たちが主導した奉仕活動は無事に終了した。


「【蒼の治癒師】様、本当にありがとうございます。スラム街の人々も、とても元気な表情になりました」

「地域柄、どうしても暗い表情の方が多いのです。こうして明るい表情を見せるだけでも、本当に良かったと思います」


 シスターさんたちも、スラム街の人たちが元気になってとても喜んでいた。

 スラちゃんのお陰で犯罪者も数多く捕まえることができ、尋問から得られた情報から拠点を潰すらしい。

 スラム街に根付く犯罪組織を、一つでも多く壊滅できたらと思っていた。

 因みに、このスラム街での奉仕活動は今年中にあと三箇所予定しており、効果を確認してから来年どうするかを決めるという。

 難しいところは、偉い大人にお任せですね。

読んでいただき、誠にありがとうございます

ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!

作者のモチベーションも上がります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ