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【7月24日第一巻発売!】毒父に物資扱いで戦地に送られた転生治癒師、無自覚チートでなんでも癒しちゃいます  作者: 藤なごみ


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第三百三十五話 久々にスラム街での奉仕活動

 春になると、クリスのお腹も少し目立ってきた。

 アイちゃん達は毎日クリスのお腹を触っていて、日々の変化に驚いていた。

 体調も大分安定していて、学園の仕事も復帰した。

 とはいえ、実技関連はセレナさんとユリアさんに行ってもらっていて、クリスも素振りなどを見せる程度に留まっているという。

 クリスは体を動かせるようになったので、気持ち的にも大分違うらしい。


「じゃあ、行ってくるね」

「ケン、気を付けてね」

「「「いってらっしゃーい」」」


 そんな穏やかな日々が続く中、今日はスラム街で奉仕活動を行うことになった。

 勿論クリスは屋敷で休みだし、危ないのでアイちゃん達も不参加だ。

 念の為に、リンゴちゃんとカレーちゃんがみんなの護衛として側に残る予定だ。

 ということで、その他のメンバーで一回教会に行ってからスラム街の教会へと向かった。


 シュイン、もわーん。


「うーん、何ヵ所かに人が集まっている反応があります。子どもなのか大人なのかは、流石に分からないですね」

「人が集まっている反応だけでも分かれば上等だ。さて、作戦を立てて一網打尽にするか」


 スラム街の教会に到着すると、僕は広範囲探索魔法を使用した。

 というのも、今日は軍も犯罪組織の壊滅作戦を行う予定だ。

 作戦実行の責任者であるナッシュさんも、反応は上々だとやる気になった。

 直ぐに攻撃力に優れたスラちゃん、ミカンちゃん、ギンちゃんに加えてピーちゃん達も偵察を始めた。

 僕とナッシュさんは、教会に入ってシスターさんと挨拶をしないと。

 軍の護衛とトラちゃんと一緒に、古びた教会の中へと入った。


「シスター様、おはようございます。本日はよろしくお願いします」

「おお、これは【蒼の治癒師】様ではありませんか。随分と大きくなられましたな」


 年配の聖職者が挨拶をしてくれたが、実はこのスラム街の教会は以前に来た事があった。

 なので、実は教会の中はその時の生活魔法の影響で結構綺麗だった。


「実は、近年再び犯罪者が集まるようになりまして。その影響もあってか、治安も良くなく……」


 聖職者が苦しそうな表情で話したが、確かに治安が悪いのは一目見て分かる。

 なら、僕達が色々と対応するだけだ。

 ということで、さっそく奉仕活動を始めましょう。


 シュイン、シュパパパパ。

 グツグツグツ。


 炊き出しの仕込みは任せろと、アクアちゃんとリーフちゃんが張り切っていた。

 今日はスピード重視だが、それでもいい匂いが周囲に漂っていた。


 シュイン、ぴかー。


「はい、これでよくなりましたよ」

「おお、【蒼の治癒師】様の治療はスゲーな!」


 僕は、シロちゃんとレモンちゃんと共に治療を始めた。

 良い経験が積めると、治療兵のアリシアさんも治療に参加している。

 色々な怪我や病気を負った人が並ぶから、治療の訓練にはもってこいだ。


 サッ。


「ブルル!」

「うおっ、何だ何だ?」


 偵察から戻ってきたスラちゃんは、ギンちゃんにあれこれ教えながら馬に乗って犯罪者を捕まえていた。

 スライムが操る馬に襟首を噛まれた犯罪者は、そのまま兵に御用となった。

 アクアちゃん達も鑑定魔法が使えるから、炊き出しの仕込みをしつつ犯罪者を捕まえていた。

 捕まえた犯罪者は、そのまま護送用の馬車に乗せられて軍の施設へと運ばれた。

 これから、厳しい尋問が待っているだろう。


「おなかすいた……」

「じゃあ、スープをあげるわね」


 孤児も続々とやってきて、女性兵が対応にあたっていた。

 前回のこの場所は孤児の数が多いと思ったが、今回も予想以上に孤児の数が多い。

 うーん、これだけ孤児が多いのには何か理由があるのだろうか。

 今日はナッシュさんが全体を見てくれているので、即座に気になったことを各所に報告した。

 僕も、気になった事を治療の合間を縫って通信用魔導具で各所に連絡した。

 偉い人達も色々と分析をしてくれていて、順次対応をすると連絡があった。

 この辺りは、偉い人にお任せだ。


「ピィ」

「ピーちゃん、偵察ありがとうね。引き続き宜しくね」

「ピィ!」


 ピーちゃんも、時々偵察現場から戻ってきて僕に色々報告してくれた。

 中には重要な情報もあり、ナッシュさんも直ぐにあれこれ指示を出していた。

 とはいえ、表面上は普通の奉仕活動をしているだけだ。

 実際に僕達の奉仕を受けたい人が沢山いるのは間違いないし、改めて貧困層だと実感した。

 こうして、午前中いっぱいは普通に奉仕活動をしていたのだった。

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