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【7月24日第一巻発売!】毒父に物資扱いで戦地に送られた転生治癒師、無自覚チートでなんでも癒しちゃいます  作者: 藤なごみ


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第三百二十四話 クリスに慶事発覚

 ところが、翌日朝になってもクリスの体調不良が改善しなかった。

 流石に不安になったので、フリージアお祖母様とケーラさんに来てもらった。

 すると、直ぐに原因が判明した。


「どうやら、クリスちゃんは妊娠したみたいね」

「悪阻が重い方みたいね。少し安静にして、消化の良い食べ物にしましょう」


 まさかのクリスの妊娠発覚に、僕もスラちゃん達も物凄くビックリした。

 クリスを鑑定魔法で確認しても、確かに妊娠と表示が出た。

 当のクリスはグロッキー状態で、それどころじゃないみたいだ。

 通信用魔導具で各所に連絡をすると、祝福の返信が寄せられた。


「さあ、ケン君は魔法の訓練をしないとね」

「二人の魔法使い候補生を、しっかりと指導しないと。クリスは、私達が様子を見ているわ」


 フリージアお祖母様とケーラさんに促されて、僕は部屋を後にした。

 回復魔法が使えるシロちゃんも、クリスの側についてくれることになった。

 すると、庭でちょっと不安そうなアイちゃん達の姿があった。

 クリスが体調不良だったから、心配なのだろう。

 アイちゃん達は、僕の姿を見るなり駆け寄ってきた。


「ケンお兄ちゃん、クリスお姉ちゃんは大丈夫なの?」

「「大丈夫?」」


 アイちゃん達は、かなり不安そうな表情をしていた。

 僕は、三人の頭を撫でつつ優しく話しかけた。


「クリスは大丈夫だよ。実はね、クリスのお腹の中に赤ちゃんができたんだよ。それで、ちょっと体調が悪かったんだよ」

「「「えっ!?」」」


 僕の話を聞くなり、アイちゃん達はキョトンとしてしまった。

 完全に予想外の出来事だから、この反応も致し方ない。


「フリージアお祖母様とケーラさんもクリスの事をみてくれているし、今は大丈夫だよ。訓練を終えたら、クリスのところに行こうね」

「「「うん!」」」


 アイちゃん達も、ようやく元気を取り戻してくれた。

 チビスライム達も、ピーちゃん達もトラちゃんも、クリスの妊娠を喜んでくれた。

 なお、使用人にもクリスの妊娠を伝えており、ハンナおばさんも良かったと本当に喜んでくれた。


 パカパカパカ。


 これで一安心かと思ったところで、敷地内に一台の馬車が入ってきた。

 今日の魔法訓練参加者かなと思ったら、どう見てもあの豪華な馬車は王家の馬車だぞ。


 パカパカ、ガチャ。


「「「きたよー!」」」

「よー!」


 何と、馬車からアリアちゃん達が降りてきたのだ。

 ちびっ子達の付き添いとして王太后様も来てくれたが、どう考えても用事は一つしか思い浮かばない。


「ふふ、クリスちゃんが妊娠したってね。ケン君、おめでとうね」

「「「おめでとー!」」」

「とー!」


 王太后様とアリアちゃん達は、満面の笑みで僕にお祝いの言葉を言ってくれた。

 本心から祝ってくれていて、本当にありがたかった。


「王太后様、アリアちゃん達、本当にありがとうございます。僕もいきなりの事でちょっと戸惑っていますが、赤ちゃんが生まれるまでしっかりとクリスをサポートします」

「ケン君なら、きっと良いお父さんになれるわ。もう三人の子どもを育てているし、アリア達もケン君にとても懐いているわ」


 王太后様は、ニコリとしながら僕の肩を軽く叩いた。

 アリア達も、王太后様の真似をして僕の足をパンパンと叩いてきた。

 何にせよ、こうして祝ってくれていると共に責任感をかなり感じてきた。

 生まれてくる赤ちゃんの為にも、僕ができる最善を尽くそう。


 パカパカパカ。


「「「あー、馬車だよ!」」」

「よー!」


 ここで、新たに二台の馬車が敷地内に入ってきた。

 間違いなく、ダグラス騎士爵のノヴァ君とコースター侯爵家の八歳の女の子が乗った馬車だろう。

 アリアちゃん達は大興奮だが、王太后様は馬車が来た理由を知っているのでニコリとしているだけだ。


 ガチャ。


 馬車が止まってドアが開くと、この間会ったノヴァ君と中年女性が降りてきた。

 更にもう一つの馬車からは、ノヴァ君よりも小さな女の子とこれまた中年女性が降りた。

 恐らくだけど、母親であるご夫人が付き添いで来たのだろう。

 すると、そのご夫人が王太后様を見るなり急いで側に来て臣下の礼をとった。


「王太后様がいらっしゃるとは知らず、大変失礼しました」

「王太后様だけでなく、アリア様にも謝罪いたします」


 何だか二人のご夫人は大変動揺しており、子どもも急いで臣下の礼をとった。

 ここは、急いで誤解を解かないと。

 僕が説明しようとしたら、王太后様が手で僕を制した。


「楽にして構わないわ。実は、ケン君に慶事ができたので急いでお祝いに来たのよ」

「「慶事、ですか?」」


 王太后様の言葉に、二人のご夫人、ノヴァ君、八歳の女の子は思わずキョトンとしていた。

 するとアリアちゃん達だけでなく、アイちゃん達も間髪入れずにニコニコしながら話した。


「「「「「「赤ちゃん!」」」」」」

「ちゃん!」

「「「「えっ!?」」」」」


 アリアちゃん達の話を聞き、ノヴァ君と女の子はまだ分からずキョトンとしていた。

 一方、二人のご夫人は何のことだかピンと分かったみたいだ。


「それは、とても素晴らしい事ですわ。ケン様、おめでとうございます」

「クリス様も、いよいよ母親になられるのですね。かの【蒼の治癒師】様も、父親になられるだなんて……」

「あ、ありがとうございます……」


 急にお祝いを言ってくれたので、僕はペコペコと頭を下げた。

 そして、僕は察してしまった。

 この後、クリス懐妊のお祝い攻勢が始まることを……

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