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【7月24日第一巻発売!】毒父に物資扱いで戦地に送られた転生治癒師、無自覚チートでなんでも癒しちゃいます  作者: 藤なごみ


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第三百四話 軍の幹部との会談

 結果的に訓練場にはそんなに長い時間いた訳ではなく、皇帝陛下の帝国兵への訓示後に直ぐに移動した。


「武の高みを見せることができたのは、とても有意義な事だ。それに、上手い具合に相手をしてくれた。これなら、帝国兵もやる気になるだろう」

「「ありがとうございます」」


 歩きながら皇帝陛下にそう言われ、僕、クリス、スラちゃんは頭を下げた。

 個人的にはやりすぎたかなと思ったが、偉い人達曰くこのくらいなら全然問題ないという。

 負傷兵の治療をシロちゃんが行ったのも高評価だ。

 次にやってきたのが、後方支援部隊のある一角だ。

 建物の中は流石に入れないけど、外観だけ見ても立派な建物だ。


「必要な物資は、種別ごとに分けて保管しております。例えば、災害が発生した際にどの物資が必要なのか、取り出しやすさは適当なのか常に検証しております」

「後方支援部隊は、軍の要だ。軍が迅速に動くためにも、これからも業務改善を続ける様に」


 帝国軍幹部の話を聞き、皇帝陛下も深く頷いた。

 元皇后は後方支援部隊を軽視し、結果的に前線の部隊支援が滞る事になった。

 皇帝陛下は部隊再編に際して後方支援部隊の強化を行い、帝国軍全体の力を上げようとした。

 ただ、王国軍は元から後方支援部隊の重要性を分かっていたので、帝国軍が王国軍に追いつくにはまだ時間がかかるだろう。


「それでは、会議室に移動いたします」


 その後も見られる範囲での見学が続き、無事に施設内見学は終わった。

 僕達は、最初の建物にある会議室に移動して率直な意見交換をする事にした。


「方向性などは我が国の軍と一緒だ。しかし、時が経てば考え方も変わってくる。我々も、知識のアップデートなどは常に行わないとならない」


 最初にヘルナンデス様が自身の意見を言ったが、最初から極論を言った気がする。

 トレンドなんて変わるものだけど、上の人が理解しないと下に下ろせない。

 ヘルナンデス様もルーカス様も、その点は十分認識していた。


「人だけでなく、物への対策も行わないとならない。装備、建物など、色々なものが対象だ。とはいえ、順番があるだろうから、徐々に進めないとならない」


 ルーカス様は、ハード面に言及した。

 予算取りもあるから一気にできないけど、計画を立てて徐々に進めないとならない。


「私は、教育の大切さを進言します。兵が正しく作戦を理解しないと、大きな事故に繋がります。武力だけでなく、知識面の強化も大切だと思っています」


 クリスも、普段から軍に勤めているから自分の考え方を持っている。

 教育の大切さは、軍だけでなく官僚においても常に必要だ。


「えっと、スラちゃんは兵の体調管理の大切さを言っています。万全の体調でないと、良いパフォーマンスを発揮できません。怪我の治療や食事面の待遇改善を訴えています」


 スラちゃんも、帝国軍幹部に紙に書いて意見を伝えた。

 スラちゃんらしい意見だが、先程シロちゃんが帝国兵を治療したように少し怪我に対して疎かになっている気がした。

 僕は初めて国境に向かった時から怪我の治療を頑張ったし、怪我をしない身体作りなども必要かと思った。


「僕は、皆さんとても良いと思っています。後は、軍の施設内の警備にも気を使った方が良いかと思います。軍の施設には、沢山の重要機密がありますので……」


 僕は、情報セキュリティと入り口での警備体制について言及した。

 帝国軍の施設は、王国軍の施設よりも少し警備が甘いと感じた。

 今は良くても、安全を確保するために少しでもよくした方が良いと思う。


「成程、どれも対応しないとならない事だ。今直ぐ出来ることと計画して行うこと、更に予算立てする必要があるものとないものに分けて、どうするか検討するように。幹部諸君が温めている案があれば、合わせて検討するように」

「「「「「はっ」」」」」


 皇帝陛下が幹部に指示を出したが、僕達が言ったのはあくまでも一般論だ。

 帝国軍ならではの事情もあるだろうし、下手に王国軍が突っ込む訳にはいかない。

 その後も様々な意見交換などを行い、帝国軍の施設見学は無事に終了した。

 僕達は再び皇帝陛下と共に馬車に乗り、お城へと戻ったのだった。


「おとーさま、お帰りなさい!」


 お城に戻ると、ライアンちゃんが頭にマルちゃんを乗せながら出迎えてくれた。

 ライアンちゃんとマルちゃんは、すっかり仲良くなったみたいだ。


「あのね、みんなで昼食を食べようっておかーさまが言っていたよ!」

「そうか、もうそんな時間か。忙しいと、時間が経つのが早い」


 皇帝陛下は、ニコニコしながら報告するライアンちゃんの頭を優しく撫でた。

 厳しい表情の皇帝陛下としての顔ではなく、優しい父親の表情だと感じたのだった。

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