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【7月24日第一巻発売!】毒父に物資扱いで戦地に送られた転生治癒師、無自覚チートでなんでも癒しちゃいます  作者: 藤なごみ


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第二百六十九話 学園生も今日の訓練は大苦戦?

 そして、今日はいよいよ野外演習の事前訓練を行う日となった。

 事前に行ったクリス引率の害獣駆除体験は、全員が難なく対応した。

 学園生は、武力においてはかなり高そうだ。

 しかし、残念ながら学園の訓練場で実施中の野営訓練はかなり苦戦していた。


「あれ? これで合っているのかな?」

「うーん、上手くいかないなあ……」

「よっと。ああ、テントが倒れた!」


 テントを立てるだけでも、学園生はかなり苦労していた。

 最初に、僕とクリスでデモを見せたんだけどね。

 説明書では三人一組で立てるんだけど、二人でも全く問題なく設営できる物だ。


「ほら、指示を出す人は設営状況を確認するんだよ。駄目だったら、最初からやり直すのもアリだよ」

「「「「「は、はい!」」」」」


 僕は、学園生を回りながら指示を出していく。

 スラちゃん達も、学園生にテントの立て方を指導していた。

 クリスも時々手伝いながら、学園生はなんとかテントの設営を終えた。


「野外活動を行う際は、日暮れとの勝負よ。周りが見えなくなってもテントが設営できるなんて、それこそケンくらいなものよ。自分たちがケンレベルなら良いけど、そんな事はありえないわ」

「「「「「は、はい」」」」」


 クリスよ、僕を変人みたいに言わないの。

 スラちゃん達も学園生も、うんうんとクリスの話に頷かないの。

 気を取り直して、今度は別の訓練を行いましょう。


「では、今度は火おこしの訓練です。ケンみたいに火魔法でちょちょいってできればいいのですが、普通はそんな事はできません。種火から、段々と大きな火を起こします」

「「「「「はい!」」」」」


 何だかクリスが僕を例にしているけど、スラちゃんやリンゴちゃんも簡単に火おこしはできますよ。

 そう思いながら、順に火起こしを始めた。


「先ずは、種火用に枝をナイフで細く切ります。服などのポケットに入っているゴミクズも、とても火が付きやすいですよ。そして、必ず枝の大きさは順々にしていきます」

「「「「「おおー!」」」」」


 僕が準備を整えて火打ち石で火をつけると、学園生から大きな声が上がった。

 火付け用の魔導具もあるが、いざという時に火打ち石を使うことも覚えないとならない。

 それに、火打ち石も火付け用魔導具も、火を起こす準備は一緒だ。

 学園生も、四苦八苦しながら火起こしにチャレンジした。

 スラちゃん達も、学園生に混じって火打ち石の使い方を教えていた。

 そして、ここからが今日のメインイベントだ。


「では、野菜炒めを作って自分達で食べてみましょう」

「「「「「は、はい……」」」」」


 クリスの話を聞くなり、学園生のテンションが一気に下がった。

 料理をしたことがない人が殆どで、まともな料理を作れるか心配になっていたのだ。

 なお、安全の為に直火ではなく魔導コンロを使用することに。


 トントントン。


「野菜は、必ず洗ってから均等な幅に切っていきます。洗わないと腹痛の原因となりますよ。お肉も均等な幅に切りますが、切り終えたナイフや包丁もよく洗います」


 僕が手早く野菜を切ると、学園生はまじまじと僕の包丁さばきを見ていた。

 僕の横でリーフちゃんが野菜を切っているが、こちらも魔法ではなく包丁を使っていた。


「鉄鍋なので、最初に油返しをします。鉄鍋をしっかり温めてから油をしいて、鉄鍋に馴染ませます。そうすることで、焦げ付き防止になります」


 鉄鍋は焦げないように使うのがポイントで、使い終わってからの後片付けも教える予定だ。

 なお、僕の横はリーフちゃんから料理上手のアクアちゃんにバトンタッチだ。


「肉を手早く炒めてから、野菜を炒めます。肉は、生焼けだとおなかを壊す事もありますよ。そして、塩で軽く味を整えて完成です」

「「「「「おおー!」」」」」


 僕とアクアちゃんの野菜炒めが完成し、学園生に試食してもらった。

 本当は、ニンニクとかあればもっと美味しいんだけどね。


「ケン先生は、何でもできるんですね……」

「魔法や頭脳だけでなく、こういった料理までできるなんて……」


 あれー?

 何故か学園生がダメージを受けているよ。

 チャレンジすれば、きっと大丈夫。

 失敗しても、やり直せば大丈夫だよ。

 という事で、さっそく料理開始。

 でも、その前に……


「クリスも、一緒に料理だよ。軍の遠征時に、クリスも料理をするかもしれないからね」

「えー!?」


 クリスは、昔から料理が苦手だからなあ。

 僕とスラちゃん達は学園生をみるから、ピーちゃん達にクリスの面倒をみてもらいましょう。


「ああ、肉が焦げた!」

「フライパンに、肉がくっついた!」


 うんうん、どこも料理初心者ならではの失敗をしているね。

 僕達も補助をするが、中には豪快な失敗をしている人もいるぞ。


 ボー!


「あっ、ああー!」

「ピィ……」


 クリスも、豪快にフライパンから火を吹いていた。

 ありゃ、油の入れすぎな上に温めすぎだ。

 ピーちゃんも、思わずガクリとしているぞ。

 最初から作り直しのところもありつつ、何とか野菜炒めが完成。


「うう、しょっぱい。塩を入れすぎた……」

「焦げて苦い。肉が硬い……」

「生焼けで、野菜がゴリゴリする……」


 みんな、中々いい感じに失敗していますね。

 でも、失敗を積み重ねていけば、きっと上手な野菜炒めができるはずだ。


「ぺっ、なにこれ!」


 クリスの作った野菜炒めも、見事に真っ黒だ。

 うーん、クリスの出来が一番悪いかも。


「卒園までに、もう何回か料理を行います。軍では新人が料理担当になることが多いですので、頑張って覚えましょう」

「「「「「はい……」」」」」


 学園生は、みんな疲れ果てていますね。

 でも、何事も実践を重ねないと。

 あっ、そうだ。


「クリスも、料理は毎回参加必須だよ」

「ケンの鬼!」


 クリスの叫び声が響いたところで、今日の野外訓練は終了。

 頑張って、野外活動がスムーズにできるようになりましょう。

 みんな、お疲れ様でした。

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