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毒父に物資として戦地に送られた転生治癒師、無自覚チートで何でも癒しちゃいます  作者: 藤なごみ


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第二十二話 仮宿舎建設

 前線基地に大軍が来たとなれば、問題なのが寝るところだった。

 以前からテントで寝ている兵もいて、何とかしたいと思っていた。

 それはルーカス様たちも同じ気持ちで、今のうちにやることをやっちゃおうということになった。

 折角なので、セレナさんとユリアさんもついてきてもらうことになった。


「よし。ケンよ、先ずはここを整地してくれ」


 何故かゴードン様が陣頭指揮を執っているが、気にしたら駄目だと思った。

 指定されたのは、前世の学校の体育館くらいの広さだった。

 僕とスラちゃんは、地面に手をついた。

 最初に整地する範囲を意識して、それから水平になるように意識しながら魔力を流した。


 ボコボコ、ボコボコ、ボコン!


「「「「「なっ!?」」」」」


 僕たちの様子を見ていた兵は、石だらけの斜めの土地が平らになってかなり驚いていた。

 でも、作業はこれからが本番だ。


「最初に、サンプルを作ります」


 シュイン、ボコボコ、ボコン。


「「「「「えっ……」」」」」


 僕が作ったのは、二階建ての簡易的な宿舎だった。

 壁は三段ベッドみたいになっていて、ここで寝袋で寝ることができる。

 一階には、地中深く穴を掘って簡易的なトイレを作った。

 かなりカチンコチンに作り、余程暴れなければ壊れないようにした。

 もちろん、防水性能もバッチリだ。

 早速、兵に中に入ってもらった。


「あの、カーテンとかはないので布で仕切ってもらいます」

「そのくらいは全然問題ない。あるもので代用できるなら、その程度など苦労でもない」


 おお、ゴードン様がとってもカッコいいことを言っているよ。

 そして、ゴードン様はぽけーっとしているユリアさんに声をかけた。


「ユリア、土魔法を極めればこうして優秀な工兵になれる。目の前に、良いサンプルができたな」

「は、はい、頑張ります……」


 ユリアさんはというと、未だに信じられないという表情だった。

 それはセレナさんも同様で、目の前にできた仮設兵舎の壁を触りながらまるで夢を見ているのかという表情だった。

 僕とスラちゃんはというと、兵から改善点を聞いて微調整していた。

 その間に、別の兵が仮設兵舎を建てる位置の線を棒で引いていた。

 ゴードン様の許可も得たので、早速やっちゃおう。

 僕とスラちゃんは、再び地面に手をついた。


 シュイン、ボコボコ、ボコボコ、ボコボコ。


 こうして、仮設兵舎はあっという間に完成した。

 更に、三箇所を整地して仮設兵舎を建てた。

 外にもトイレが欲しいということで、男女に分けて作った。

 早速入居してもらったが、強度的にも問題なかった。

 僕とスラちゃんは、とっても良い仕事をしてとても満足だった。


「ケン君、魔力は大丈夫なの?」


 セレナさんは、たくさんの仮設兵舎を作った僕のことをとても気にしてくれた。

 でも、僕もスラちゃんも元気いっぱいだ。


「はい、まだまだ平気です。実はキチッと何を作るかをイメージしていたので、手や足の再生や広範囲回復魔法よりも魔力を使っていないんです」

「イメージ……イメージが大切なのね」


 セレナさんだけでなく、ユリアさんも僕の言葉を反芻していた。

 魔法はイメージが大切だと魔法の本に書いてあったが、こうして実際に魔法を使う機会が増えてイメージの大切さを実感していた。

 回復魔法も前は何となく流していたが、今はどこを治療するかをイメージしていた。

 そのおかげもあってか、治療も効率よく行えるようになった。

 知識だけでは駄目で、やっぱり経験も必要だと痛感した。

 こうして寝るところの問題も解決し、兵の士気も高まった。

 重傷者も治療できる人から行い、戦線に復帰した。

 いつ戦闘が起きるか分からない中、出来る限りのことをした。

 もちろん、兵も装備などの準備を整えていき、ヘルナンデス様、ルーカス様、ゴードン様も作戦を詰めていた。

 こうした中、遂に帝国との戦闘が発生したのだ。

読んでいただき、誠にありがとうございます

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