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毒父に物資として戦地に送られた転生治癒師、無自覚チートで何でも癒しちゃいます  作者: 藤なごみ


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第百二十一話 温泉街への視察

 ルーカス様が直轄領に来てから、更に一週間が経った。

 僕達は、当初の予定を延期して町の人のために活動していた。

 僕とクリスは、とにかく害獣駆除に専念するようにと指示を受けた。

 頑張って頑張って害獣駆除を行い、何とか普通の街道の状態に戻すことができた。

 エレンお祖父様とビーズリーさんの不正調査も、後からやってきた部隊に引き継がれた。

 スラちゃん、シロちゃん、レモンちゃんの治療も好評で、凄いスライムだと町の人からも褒められた。

 こうしてようやく王都に帰ることができる状態になり、ご褒美と慰労を兼ねて近くの温泉地に視察を兼ねて向かった。


 パカパカパカ。


「わあ、町から湯気が立ち上っているよ!」


 僕達を乗せた馬車は段々と温泉地に近づき、幻想的な光景にクリスとスラちゃん達のテンションはみるみる上がっていった。

 前世のテレビで見た日本の温泉地みたいな光景に、僕の期待も膨らんだ。

 視察を兼ねた訪問なので、先ずはキッチリとお仕事をしないとならない。

 最初に、温泉地を管轄する村長のところに向かった。

 村長の家に着くと、直ぐに応接室に案内され、白髪交じりの村長から話を聞く事になった。


「幸いにして、村にはそこまで害獣被害はありませんでした。ただ、村を訪れる人は例年よりも少ないと感じました」


 村長曰く、どうやら直轄領と温泉地を繋ぐ街道の安全が害獣によって脅かされていると思われていたという。

 確かに、危険を冒してまで温泉に行くとなると余程の事だ。

 街道の安全は確保されたから、これから客足が戻ることが期待できるはずだ。

 他にも温泉地の治安や物資の状態を確認するが、特段悪い情報は確認されなかった。

 念のために温泉街の周囲を広範囲探索魔法で調べたが、不審なものは確認されなかった。

 聞いた内容をメモにまとめ、今度は町の教会に向かった。


「確かに怪我人はいつもよりも多かったですが、幸いにしてこの教会には治癒師が多く在籍しております。そのため、忙しいのは間違いなかったのですが医療が崩壊することはありませんでした」


 教会に何かあったら周辺にある教会に助けを呼ぶそうだが、今回はそこまで行かなかったという。

 シスターさんも、これくらいならと答えていた。

 ポーションや生薬も十分にあり、王都に近いのもあり物資も途絶えなかったという。

 町の人に話を聞いても、この温泉地の人は強い人が多いのでどうにかなったという。

 とはいえ、もう少し僕たちの対処が遅かったら大変なことになっていたのは間違いなかった。


「取り敢えず、調査はこんなものだな。では、早めに昼食にしよう」

「わーい!」


 エレンお祖父様の提案に、クリスとスラちゃん達が両手を挙げて喜んだ。

 地元の食堂に入ると、こんなメニューが掲示されていた。


「おっ、牡丹鍋やもみじ鍋があるのか。寒い時期だから、鍋は美味いんだよな」

「うん?」


 ビーズリーさんはメニューを見るなりテンションが上がったが、クリスは何のことだか分からなかった。

 まさか、異世界でもイノシシ鍋や鹿鍋を別の言い方で言っているなんて思わなかった。

 しかも、味噌や醤油に似た調味料まであった。

 この温泉街で見つけた調味料は、お土産に沢山買って帰ろう。

 今日は、鹿鍋であるもみじ鍋を頼むことにした。


「はい、お待たせしました」

「わあ、良い匂い!」


 女将さんが土鍋を運んでくると、とても良い匂いが辺りに漂ってきた。

 味噌をベースにした野菜とキノコたっぷりの鹿鍋で、早速僕とクリスでみんなの小鉢によそった。


「わあ、野菜も肉もとても美味しい!」


 クリスだけでなく、スラちゃんたちも大絶賛の味だった。

 僕も、久々にこんなに美味しい料理を食べた気がする。

 もしかしたら、前世の日本料理に近い味だからかな。

 更に、ビーズリーさんがパンを汁に浸して食べると美味しいという。

 エレンお祖父様も、お代わりをするほど美味しそうにしていた。


「これなら、屋敷の料理人に頼んで作ってもらえる味だね」

「私、土鍋とかも買って帰る!」


 僕だけでなく、クリスやスラちゃん達もすっかり鍋の美味しさにハマったみたいだ。

 しゃぶしゃぶとかもあるし、みんなでわいわいしながら食べるのがとても良かった。

 もちろんビーズリーさんとエレンお祖父様もお土産を買うことにしているが、こちらはもう少し現実的な理由があった。


「地方に行ったら、必ず妻に土産を買ってやらないといけないのだよ」

「我が家もだ。自分だけ美味しい料理を食べたと、ネチネチと言われてしまうのだよ」


 どの世界でも、食べ物の恨みは大きいってことなんですね。

 今回はとても美味しい料理だったから、余計に何かを買わないといけないと思ったみたいだ。

 出張って、こういうところにも気を配らないといけないのだと、改めて学ぶことができたのだった。

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