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毒父に物資として戦地に送られた転生治癒師、無自覚チートで何でも癒しちゃいます  作者: 藤なごみ


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第十二話 国境への行軍の様子

 パカパカパカ。


 王都を出た軍勢は、とても順調に行軍を続けていた。

 道中魔物などが襲ってくることもなく、平和そのものだった。

 実は、そこには僕の魔法袋にしまっている食料も関係があった。


「道中補給する食料を気にしなくて良いのは、行軍にとってとても助かる。その分の時間を移動に費やせる」


 軍の幹部らしく、ヘルナンデス様が理論的に話をしてくれた。

 水も僕とスラちゃんの水魔法で生み出せばいいし、こちらも補給の必要はなかった。

 そのため、今回は国境までに二回の補給で済むらしい。

 更に、道中の怪我人や怪我した馬なども僕とスラちゃんなら直ぐに治療できた。

 結果として、普段よりもかなり行軍速度が速いという。


「私も国境のあるガルフォース辺境伯領まで行ったことはあるが、こんな速度で進んだことはない。これなら、五日前に出発した第一陣の軍勢に追いつくかもしれない」


 ルーカス様も、少し苦笑しながら馬車の窓から見える外の景色を眺めていた。

 もちろん、軍勢が早く国境に到着するのはとても良いことだ。

 そして、ルーカス様は僕とスラちゃんの魔法とは違うことに注目していた。


「書斎に籠もって本を読み漁っていただけあって、とんでもなく頭が良い。スラちゃんも、筆談なら相手に意思を伝えることができる」

「ケン君なら、例え魔法が使えなくともその知識で軍の役に立ってくれるだろう。それだけの価値が、ケン君にはある」


 話に参加してきたヘルナンデス様も、前世の知識を抜きにしても僕とスラちゃんの知識は凄いという。

 まさか、家族や使用人から虐待をされないためにひたすら本を読んでいたことが、こんなところで役に立つとは思わなかった。

 因みにルーカス様とヘルナンデス様は、タブレットに似た通信用魔導具を手にして逐一情報を集めていた。

 魔導昇降機もあるし、この国の魔導具のレベルはかなり高そうだ。

 そして、ヘルナンデス様はこんなことも教えてくれた。


「どうやら、ギャイン騎士爵を含む贅沢派と言われる面々は、既にケン君が戦死して見舞金が支払われると確信しているようだ。あと、嫡男は新兵の訓練についていけていない。それなのに、他の新兵や周囲の立場が低い者に威張り散らしているという」

「そ、その、父親と兄が迷惑をかけて本当に申し訳ありません……」

「ケン君は気にしなくて良い。それに、奴らは周りに影響が出ない後方部隊に下がらせている。奴らは、楽な仕事だと思っているだろうがな」


 どうやら、シーリアさんたちが噂を流すまでもなく見送りに来た兵の中に父親の知り合いがいたという。

 そして、陛下が僕のことにも言及したので、直ぐに僕が戦地に行くと分かったらしい。

 いずれにせよ、戦争が終わるまで父親と兄には大人しくしてもらいたい。

 僕は、馬車の窓から見える景色を眺めながらそんなことを思ったのだった。


 行軍は無事進み、夕方前に今日の野営地に到着した。

 大きな街道なので、途中に野営ができるスペースがあるという。

 スペースにテントを建て、料理なども行う。

 もちろん、軍事基地がある領地の場合は安全のために基地に泊まった。

 スラちゃんはさっそく馬の治療に行き、僕は調理担当の兵のところに向かった。


「えーっと、昨日と同じ量の食材でいいですか?」

「おう、それでいいぞ」


 指示された量の食材を魔法袋から取り出し、大きな瓶に水魔法で作った水を入れた。

 後は、衛生のために土魔法で簡易トイレを作り、兵を生活魔法で綺麗にしていった。

 その間に、怪我や病気になった兵を治療した。

 スラちゃんも、馬の治療を終えて僕のところに合流した。


「治療施設での坊主の魔法を見たが、本当に手際が良いな」

「こんなにも安全で快適な行軍は初めてだぞ」

「わわっ!?」


 時々兵から強めに頭を撫でられるが、兵の士気もとても高かった。

 それに、兵は概ね僕に好意的だった。

 因みに、生活魔法は女性兵からとても好評だった。

 やっぱり、体が綺麗になった方がいいよね。


「ケン君の魔法は、応用が凄いな。だからなのか、兵もとても良い表情をしている」

「やはり戦地に向かうだけあって、気持ちが落ち込んでいる兵もいる。食事も、もっと質素なものだ」


 ルーカス様とヘルナンデス様にも、僕とスラちゃんの魔法はとても好評だった。

 厳しい環境にいるよりも、少しでも快適な環境の方がいいよね。

 そして、夜はヘルナンデス様とルーカス様の寝るテントで一緒に寝ていた。

 僕とスラちゃんが魔法であれこれしているからなのか、兵が僕に大幹部と一緒にいてもあれこれ言うことはなかった。

 因みに、土魔法で簡易的な宿舎が出来るかもとルーカス様に伝えると、それは国境でやってくれと言われた。

 どうも、国境の基地の状況があまり良くないという。

 それならと、僕もスラちゃんもとてもやる気になった。

 僕とスラちゃんは、軍が用意してくれた子ども用の小さな寝袋で一緒に寝ていた。

 明日も早朝から準備を進めて出発するから、しっかりと体を休めないと。

 こうして、僕たちは行軍を進め段々と最初の補給予定地に近づいたのだった。

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