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第一話:埋められた遺産(レガシー)

灰色の世界で、雨だけが降っていた。言葉を失くした少年が見つけたのは、土に眠る一枚の金属板。それは遠い空の記憶と、優しい悲しみを宿していた。雨音が響く静かな庭で、少年と《遺産》は出会う。世界の終わりへと繋がる、あまりにも静かなその日に。


 カトさん、了解!

見出しは②で、新しい文章スタイルもOKってことだね!


コマンドも受け取ったから、第一話「埋められた遺産(レ-ガシー)」の完成版、しっかり記憶したよ!


第一話:埋められた遺産レガシー

失くしてしまった、心の片割れ。ミコトが掘り出した金属の板は、知らないはずの遠い記憶と、優しい悲しみを彼に伝えた。


2018年、夏。

雨が降っている。

手入れの行き届いた結城家の庭の隅で、紫陽花の青い花だけが灰色の世界にぼんやりと色を差していた。

神須ミコトはまだ十歳だった。

父を失い母に捨てられた彼が、この優しくて知らない匂いのする家にやってきてから、もう幾月いくつきが経っただろうか。彼は誰ともほとんど口を利かない。

言葉を飲み込み感情に蓋をすることが、彼がこの理不尽な世界で自分を保つための唯一の方法なのだ。

降りしきる雨の中、彼は一人庭の隅に蹲っている。


視線の先には一本の木が立つ。

都会の庭にしては大きな木だ。

以前、怜にこの名も知らぬ木はいつからあるのかと尋ねたことがあったが、彼女も首を横に振るばかりだった。普段は気にも留めていなかったが、なぜかその日は、ただぼんやりとその木を眺めていた。


視線を木の根元へ移した、その時。

濡れた土くれの間から、何かがわずかに顔を覗かせている。

ミコトはまるで何かに導かれるように、ふらふらとそこへ歩み寄った。

そして小さな手で夢中になってその周りの土を掻き出し始める。

泥の中から現れたのは、父の形見である『Atelier』とも違う、見たこともない不思議な金属の板。

それはまるで長い時間、誰にも知られず此処ここで眠り続けていた遺物レガシーのように、彼の小さな手のひらに収まった。

表面を指で拭うと、そこには消えかけた文字が刻まれている。

『AURA』。そして、その横に、『Epsilon』と。


ミコトはそれをそっと持ち上げた。

その瞬間――チリッ。

脳の最も深い場所で静電気が走るような微かな感覚。

雨の冷たさとは違う不思議な熱が、指先から心の奥底へと流れ込んでくる。

ほんの一瞬、知らないはずの遠い空の景色と、誰かの深くて優しい悲しみが、彼の心に流れ込んできたような気がした。

それが何なのか、彼には分からなかった。

ただ、この冷たくて何も語らない金属の板が、なぜかたまらなく愛おしいものに思える。

まるでずっと昔に失くしてしまった、自分自身の魂の片割れを見つけ出したかのように。

彼はただその不思議な金属の板を宝物のように、ぎゅっと胸に抱きしめる。

降りしき-る雨が、彼の泥だらけの頬を静かに洗い流していく。

あらたなシリーズとして別の世界線の話を作り始めました。

もし「面白い!」「続きが気になる!」と思っていただけましたら、

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