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僕の友達  作者: なんゆ
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出会い

今回は慶悟と莉音の出会いです。

プロローグだとシリアスな感じでいくのかと思う人がいると思いますが…そうはいきません!

莉音はめっちゃ可愛い子なのでその辺を楽しんでいただけたら幸いです。

一応莉音のモデルとなった人はいます!笑

僕が彼女と知り合ったのは1年程前の夏だ。

いつもの様に授業が終わり図書室へ行くとそこに彼女がいた。

いつもは本の独特な匂いや薄暗い図書室がその時だけは、枯れた森に咲く百合の花の様だ。

我ながら何を言っているのか分からない…

むしろ気持ち悪いくらいだ…

うんキモいなぁ…

でもそのくらい綺麗だったという事だ。

今まで誰とも関わろうとしなかったけど、この時だけは【関わりたい】そう強く思った。

しかしそんな直ぐに会話ができれば苦労はしないのだ。

そんなこんなで彼女が図書室に来てから1週間が経った。

会話?もちろん無しだ。

関わりたいって思ったのは最初の1日だけだ。

だってそうだろう…今の今まで人と関わらない生き方をしてきたんだ。

心の中でやれやれとボヤく、そんな矢先だ痺れを切らしたのは向こうだった。

「あの…自分でいうのもなんですが…

 私可愛いと思うんですよ…」

は?この人は何を言っているんだ。

「なのに1週間居て会話がないってどう

 なんですかね?」

??????分からない?????

意味が分からない。

久しくしていない会話。

いきなり言われてなんて返せばいいのか。

(そもそも自分で言う時点で自意識過剰だ

 ろ…)

(最近の高校生はみんなこうなのか?)

いろんな考えがよぎる中、彼女はさらに口を開く。

これ以上喋らないでほしい。てか喋るな。

彼女が強気で言った。

「あの〜どうなんですか?」

と言いさっきまで机を挟んで向かいに座っていたのに、いつの間にか隣まで来ている。

あの〜と言い僕の顔を覗く。

僕はうわっと声を出し後ろに仰け反りガタン!っと大きな音を出して倒れてしまった。

「あ、大丈夫そ?怪我とかしてない?」

彼女が心配そうな目でこちらを見る。

怪我?そんなの知らないよ。どっちかというと、女子の前で驚いて後ろに倒れたという事実が1番の大怪我だ。

幸にも頭は強打していなく怪我という怪我もしていない。

背中を摩りながら起き上がると、申し訳なさそうにしゅんとしている彼女がいた。

今にも泣きそうな顔だ。

「やめてくれ、僕が泣かしたみたいになるだ

 ろ…」

そう思い彼女の方を見る。

彼女はえ?って驚いた顔をし、そして笑った。

なぜ笑われないといけないのか疑問だがこの際どうでもいい。

僕は椅子を直し読書を再開する。

どこまで読んだか分からなくなり本をめくっていると、彼女が楽しげに目を輝かせこう言った。

「やっと!喋った!ちゃんと話せるじゃん!」

言っている意味が分からない。

やはり彼女は人ではない。

宇宙人だ…いや…宇宙人が可哀想か…

なら生きている次元が違うと自分に言い聞かせた。

ポカンとしている僕を横目に彼女は嬉しそうに近づいて来る。

「さっき!起き上がる時!喋ったよね!?」

ん?どういう事だ。整理しよう。

まず…僕は驚き、倒れ、立ち上がる際に、

「やめてくれ……」と…あ、

思い出しハッと口元を隠すも彼女は見逃さなかった。

ウザいくらいニマニマした表情を浮かべ、私の完全勝利だと言わんばかりのドヤ顔である。

これが僕と宇宙人(仮)高梨莉音の出会いだ。

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