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辺境伯令嬢の私に、君のためなら死ねると言った魔法騎士様は婚約破棄をしたいそうです  作者: 茜カナコ


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40/80

40.友人との再会

「今日もいい天気ね」

 シェリーは起きると朝の身支度を済ませて、中庭でくつろいでいた。

「シェリー様、お手紙が届いております」

「あら? 誰からかしら?」

 シェリーはメイドから手紙を受け取ると、差出人を見て微笑んだ。

「まあ、シンシアからだわ。……ずいぶん久しぶりね」


 手紙には、久しぶりに会いたいと書かれていた。シェリーは急いで返事を書いて「この手紙を急いでシンシアに届けて」と、召使に頼んだ。


 午後になり、シェリーが昼食を終え図書室で本を読んでいるとメイドが入ってきた。

「シェリー様、シンシア・バンクス様がいらっしゃいました」

「あら、もうそんな時間? 中庭にシンシアを連れて行くから、お茶会の準備をお願いします」

「かしこまりました」


 メイドはあわててお茶会の準備を始めた。

 シェリーは玄関に行き、扉を開けた。

「おひさしぶり、シンシア!」

「元気そうね、シェリー!」


 二人は微笑みあって軽くハグした。

「噂は聞いているわよ、シェリー。ずいぶん恋多き人生を送っているようね」

「まあ、何を聞いたというの? とりあえず、中に入って」

 シェリーはシンシアを中庭に通した。


 中庭に置かれたテーブルの上には焼き立てのスコーンと、クッキー、いれたての紅茶が置かれていた。

「さあ、どうぞ」

「ありがとう」

 シェリーとシンシアは席に着くと、紅茶を一口飲んでおしゃべりを始めた。


「シンシア、結婚生活はどう?」

「なかなか素敵よ。忙しいけどね。シェリーはアルバートにはひどい目に合わされたようね。それに隣国のジル様にも」

「……どこで聞いてきたの?」

 シェリーは苦笑した。シンシアも笑っている。


「それで、今は恋をしているの? シェリー?」

 いたずらっぽい笑みを浮かべてシンシアが聞いてきた。

「……恋はしばらく、遠慮したいわ」

「そうはいっても、気づいたときには恋に落ちているものよ」

「親の決めた相手に一目ぼれした、あなたがうらやましいわ、シンシア」

「ふふっ、私には、自由なあなたが素敵に思えるわ。隣の芝生は青いものね」


 シェリーとシンシアは、しばらく恋の話や流行について話をした。

「まあ、もう日が暮れてしまうわ」

「夕食を食べていく? シンシア」

「いいえ、家族がまっているわ。帰るわね、シェリー。また会いましょう」


 シンシアが帰ると、シェリーは静かになった屋敷で、ぼんやりと恋について考えた。

「恋は、気づいたら落ちているもの……ね」


 シェリーはふとアシュトンのことを思い出して、首を振った。



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