40.友人との再会
「今日もいい天気ね」
シェリーは起きると朝の身支度を済ませて、中庭でくつろいでいた。
「シェリー様、お手紙が届いております」
「あら? 誰からかしら?」
シェリーはメイドから手紙を受け取ると、差出人を見て微笑んだ。
「まあ、シンシアからだわ。……ずいぶん久しぶりね」
手紙には、久しぶりに会いたいと書かれていた。シェリーは急いで返事を書いて「この手紙を急いでシンシアに届けて」と、召使に頼んだ。
午後になり、シェリーが昼食を終え図書室で本を読んでいるとメイドが入ってきた。
「シェリー様、シンシア・バンクス様がいらっしゃいました」
「あら、もうそんな時間? 中庭にシンシアを連れて行くから、お茶会の準備をお願いします」
「かしこまりました」
メイドはあわててお茶会の準備を始めた。
シェリーは玄関に行き、扉を開けた。
「おひさしぶり、シンシア!」
「元気そうね、シェリー!」
二人は微笑みあって軽くハグした。
「噂は聞いているわよ、シェリー。ずいぶん恋多き人生を送っているようね」
「まあ、何を聞いたというの? とりあえず、中に入って」
シェリーはシンシアを中庭に通した。
中庭に置かれたテーブルの上には焼き立てのスコーンと、クッキー、いれたての紅茶が置かれていた。
「さあ、どうぞ」
「ありがとう」
シェリーとシンシアは席に着くと、紅茶を一口飲んでおしゃべりを始めた。
「シンシア、結婚生活はどう?」
「なかなか素敵よ。忙しいけどね。シェリーはアルバートにはひどい目に合わされたようね。それに隣国のジル様にも」
「……どこで聞いてきたの?」
シェリーは苦笑した。シンシアも笑っている。
「それで、今は恋をしているの? シェリー?」
いたずらっぽい笑みを浮かべてシンシアが聞いてきた。
「……恋はしばらく、遠慮したいわ」
「そうはいっても、気づいたときには恋に落ちているものよ」
「親の決めた相手に一目ぼれした、あなたがうらやましいわ、シンシア」
「ふふっ、私には、自由なあなたが素敵に思えるわ。隣の芝生は青いものね」
シェリーとシンシアは、しばらく恋の話や流行について話をした。
「まあ、もう日が暮れてしまうわ」
「夕食を食べていく? シンシア」
「いいえ、家族がまっているわ。帰るわね、シェリー。また会いましょう」
シンシアが帰ると、シェリーは静かになった屋敷で、ぼんやりと恋について考えた。
「恋は、気づいたら落ちているもの……ね」
シェリーはふとアシュトンのことを思い出して、首を振った。




