17、図書室
シェリーは図書室で色々な本を読んだ。
町の歴史や地理、世界地図など、一度は目に入れたはずの情報が新鮮に見えた。
「あら? この本は何かしら?」
シェリーは棚の奥で埃をかぶっていた一冊の本を見つけると、机の上に置いた、
本のタイトルは『シェリーヌ・ホワイトの記録』と書かれている。
「シェリーヌ・ホワイト? 私と一字違いだわ」
シェリーは本を開いてみた。そこには、スオロの国の発展させていくと共に、戦や魔獣に勝ち土地を広げていくシェリーヌの姿が書かれていた。シェリーはその物語にすっかり夢中になってしまった。
「シェリー様、そろそろ夕食の時間ですよ?」
「はい、サンディー」
シェリーは『シェリーヌ・ホワイトの記録』を最後まで読みたいと思ったが我慢した。
付箋をつけ本を棚に戻すと、父母の待つ食堂へ急いで移動した。
シェリーが食堂につくと、もう料理が並んでいた。
「遅かったですね、シェリー」
母親に言われ、シェリーは申し訳なさそうに答えた。
「図書室で本を読んでいたら夢中になってしまって、気付いたらもうこんな時間でした」
父親は言った。
「本を読むのは良いことだ。過去の知識がつまっているからな。面白い本はあったのかい、シェリー?」
シェリーは父親に笑顔で答えた。
「はい、『シェリーヌ・ホワイトの記録』という本が大変面白かったですわ」
父親は困ったような表情で笑った。
「それは、シェリーの曾祖母のお話だ。シェリーという名前は、ひいおばあさまから頂いたのだからね」
シェリーは一瞬驚いたが、直ぐに納得した。
「そうだったのですね。ひいおばあさまは素敵な方ですわ」
「シェリーも文武両道を目指して今から頑張るか?」
父親の苦笑いを見て、シェリーは微笑んだ。
「できる範囲でやってみますわ。でも、ひいおばあさまは本当に凄い方でしたのね」
「そうだね」
父親が頷いた後、母親が言った。
「料理が冷めてしまいますわ。シェリー、食事に致しましょう」
「はい、お母様」
シェリーは食事をとり、シャワーを浴びると強烈な眠気に襲われた。
「……今日は忙しい一日でしたわ」
シェリーは部屋に戻りベッドに入ると、すぐに夢の中に落ちていった。