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6.

「レイ様が村に何かでっかい建物ってのを作るらしいぞ!」


そんな噂が飛び込んできたのは、彼と会ってから半年ほど経ってからだった。


いや、まさか。


「いやー、ユーリちゃんいいなぁ!玉の輿だべ!」

「ユーリちゃん、運命の人じゃないのよぉ〜!絶対離しちゃダメよぉ?」



なぜ村公認の婚約者みたいになってるのか…

じいちゃんばあちゃんは、相変わらず土足で人の心をかき乱しながらなんでも言ってくる。


「私はパパと結婚するって決めてるの!レイ様なんか嫌なの!!」

「あっははは、おんもしれぇ冗談だ!」


聞けよ


自分も相当な頑固婆さんだった自覚あるけど、老人ってこんなめんどくさかった?



それにしても、何がしたくて私に執着するわけ?もうこの国では遊び放題、選び放題だろうに。



「はぁ…」

「おかえりー!なぁに、どしたのん?ため息ついちゃってさ。かわいい顔が台無しよ?」

「また来てるんですね。あなたに対してです!暇ですか?他にもっとやることあるでしょ?」

「ありがとうございまーす!」

「褒めてません!!」



私をもっと悩ますのは、レイ様の自称・秘書が毎日のように我が家にやってきては何をするでもなく、くつろいで帰っていくこと。



「あのですね。家に帰ってきて、ドア開ける前に『今日もいるのかな…』って思うのがどれだけ苦痛か分かります?」

「ダメダメ、俺のことばっか考えてたら好きになっちゃうよ?レイに怒られちゃう☆」

「ほんっっっとうに、いい性格してますね!」

「ありがとうございまーす!」

「褒めてません!!!」

「ユーリちゃんてば、今日もおませさんよねぇ〜」

「ママ!こんな人を家にあげちゃダメなんだよ!?」

「いいじゃない、明るくて働き者よぉ?」

「ねー!ママさん、分かってるぅ」

「頭痛くなってきた…」



家に来る頻度がどんどん増えていっている…この赤毛の秘書は、一体なにが目的なのか。

「ねぇ、何が目的なの?」

「うーんと、おもしろそうだから近づいておこうっていうのと。レイがめんどくさいから両親からたらし込んでおこうって感じかな?」

「あははは!そりゃいいわ!ママもパパもすっかり気を許してるもんねー!」

「私は、あなたにもレイ様にも何も興味ありませんので」

「まぁまぁ、またその話はあらためて」

「毎日来てるんだから話しましょうよ!何の為に来てるわけ!?」



私は平穏に6歳をやりたいの。それだけなの!!

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