4回目 危険と共にあらわれた強化手段
「────!」
無言の気合いを入れる。
手にした刀で斬りつける。
直前まで迫っていた敵は、その一撃を受けて倒れていく。
人間が変化した化け物。
それらから身を守るために戦う日々。
それがもう当たり前になっていた。
何せ化け物になった人間は多い。
人間の姿を保ってる者の方が少ない。
その為、周りは敵だらけ。
油断してるとすぐに死体になってしまう。
そうなりたくなければ、やる事は一つ。
襲ってくる前に倒してしまう。
それ以外に方法はない。
そうして倒せば、死体は霧状になって消えていく。
残るのは玉と言われる物のみ。
そして、玉が今は貴重な物資となっている。
玉からは不思議な力がこもってる。
手にしてるだけでその力を使う事が出来る。
それは、玉を手にした者達の中でだんだんと知られていく事になる。
手にしていれば空腹や疲労になる事がない。
持って動いたり考えたりすれば、いつも以上の成果が出せる。
ただし、やり続けると玉の力がなくなる。
どうも消耗品らしく、一度使い切るともう復活しない。
玉は砂のように小さく砕け、そして霧のように消えていく。
それが分かるようになって、人は玉を求めるようにもなった。
入手手段はただ一つ。
化け物を倒すこと。
それによってしか手に入らない。
なので、一部のものは玉を手に入れるために戦いに赴いていく。
命がけの危険な行為だ。
だが、得られるものは大きい。
対価を支払わねば相応のものを手に入れる事は無い。
人は危険と、場合によっては己の命を賭けて勝負に出ていった。
その賭けに勝った者が今、玉を手に入れていく。
それによってより効率的に、より安全に狩りが出来るようになる。
今も手にした玉を使って次の化け物を目指していく。
玉から流れ混んでくる力がそれを可能としてくれる。
今、感覚が強化されている。
一時的だが、レーダーや探知機のように感覚が働いている。
それらが化け物の居所を特定していく。
それから体の能力をあげてそこへと向かう。
これも瞬間的にだが、自動車の法定速度を軽く越える速度を出せる。
そして見つけた化け物。
身体能力の強化をそのままに。
玉の力を手にした得物にも伝えていく。
玉の力でおおわねば、強化した身体能力に武器が耐えれないのだ。
それが鍛えた日本刀であったとしても。
そんな力で次の化け物を倒し、新たな玉を得ていく。
これを繰り返して、玉を増やしていく。
そうすれば、何かあった場合の備えになる。
危険があふれるようになったこんな世界では、こうして事前の準備が欠かせない。
その準備を更に増強するために、次の化け物を求めていく。
危険に備えるために、危険に突っ込んでいく。
矛盾するが、今はこうするしか対処方法がない。
それは化け物が駆逐されるまで続くのだろう。
それがいつ終わるのかは、誰にも分からない。




