3回目 世界の現状
衛星軌道からの映像が浮かんでいる。
地上からはるか離れた上空。
そこに設置された様々な人工衛星。
それらの一つが現在の地球の様子を映し出していく。
それは世界の変化を示すのに十分な資料になっていた。
東はアメリカ大陸。
間に太平洋を挟み、西はヨーロッパ・アフリカの西端まで。
それが地球の大地であった。
地球だった大地である。
本来ならそこで両端は結びついているはずだった。
しかし、今は違う。
アメリカ大陸の東側は広大な海があり。
その向こうに別大陸の端が映っている。
ヨーロッパ・アフリカの西側も同じだ。
その遙か彼方に別の大陸の端が映っている。
いずれも地球にはなかったものである。
加えていうならば。
北の北極海の向こう側にも。
南の南極大陸のその先にも。
海を隔てて別の大陸がうつっている。
それはもう、地球の姿ではなかった。
大陸こそ地球のものそのままであるが。
それを取り囲む世界は大きくかわっていた。
それは気候においてもいえる。
全ての大陸はほぼ等しく同じような気候になっていた。
赤道直下も、極点地点も。
いずれも温暖な気候に様変わりしている。
おかげで北極から氷は消え去り。
南極大陸はその姿をあらわしている。
更に加えていうならば。
地平線や水平線というものが消えていた。
それらは地球が球形だから発生するもの。
それが完全になくなった。
考えられる原因は二つ。
地球が極端に大きくなり、地平線や水平線が遙か遠くまで拡張されたか。
他の大陸も含め、この地上が全て平坦になったか。
そのどちらかであろう。
衛星軌道から届く映像は、そんな様変わりした世界の姿を映し出す。
理由や原因を示す事もなく。
ただ現状の姿だけを。




