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咲也・此花STEPS!! 3~もと・訳ありフリーターの俺たちが青い空へと旅立つまで~  作者: 日向 るきあ
EXTRA STEPS.あとがきとNGシーン集です!

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やっとここまできた! NGシーンとかボツシーンとか!

・まぼろしの1-0~重要案件~


「いい加減……降参しろっ!」

「それは……お前だっ!」

 サクが手刀を押し込んでくる。俺は白刃取りの両手を押し返す。

 もうこんなことが、五分は続いているだろうか。


 今日は、この新生ユキマイ共和国のおひろめパーティー。

 そして、俺はその王、こいつは俺の一の騎士。

 でもってここは我らが城『唯聖殿』の空き室だ。

 本来なら俺たちは今、この外の特設会場で、集まってくれた皆と歓談し、親睦を深めているはずなんだが……

 一体、なんでこうなった。


 まず、遥希はるきくんにツメられて逃げ出したら、サクに会った。

 そしたらシャーラさんが来て俺たち二人に迫ってきたので、二人で逃げ出した。

 どっちもモフらせろっていってたから、これは正しい判断だと思う――だって、俺たちには『生えて』ない。いくら神王だってない袖は振れないし、ない猫耳ミミは出せないのだ。


 ……で、ここに逃げ込んだのち、どーしてこーなったかとサクに聞いてたら、やつが突如ぶちキレた。

 こいつは末期のシスコンだ。いつもは冷静沈着な完璧王子であるくせに、ルナさんのこととなるとこうなっちまう。

 わるいことに、止めてくれるかと思ったイサとシャサさんは、らぶらぶなご様子で別の部屋にいっちまった。しかもしっかりドアしめてった。おい。


「下のものに、負けてやることも……リーダーには必要だぞっ!」

「それいつもといってること、ちがいませんか……サクさんっ!」


 くそ、いい加減息が切れてきた。

 ここはもういっそ、負けてやったほうがいいのだろうか。それとも……

 そのときドアがノックされた。助かった。


「はいっ! 助けてくださいっ!」


 がちゃ、とドアが開くとそこに立っていたのは、俺の恋人であるスノーと、友人である唯のふたり。

 それぞれ、ゴスロリにゃんこ風、メイド服風のドレスをまとってかわいらしい。


「すきありっ!」

「のあっ?!」


 だが、そちらに意識がいったとたん、サクは思いっきり押し込んできた。

 その結果……めしっ。

 サクの手刀は思いっきり俺のおでこを直撃。俺はそのまんまソファーに撃沈した。

 するとなんと、スノーはにっこり笑って、さらっときびすをお返しになった。


「……おじゃまだったみたいね。いきましょ、ユイ」

「はい♪」

「いやじゃまじゃない! じゃまじゃないから!!」

「お前たち、用じゃないのか」

「そうね、ちょっと外が大変なことになってきてるから知らせようとしてきたんだけど、こっちのほうが重要な局面みたいだったから」

「いやどう考えてもそっちが大事だろっ!」


 俺は飛び起きた。

 そういえば、外がなんだかさわがしい。


「どっちだ?」

「海よ!」

 俺は、そしてサクは、窓を開いて飛び出した。



 第三期の冒頭は最初こうでした。

 サキが呼ばれて飛び出るまでにひそかにこんなドラマがあった……のかも?

 ともあれ冗長になるので削りました。いきなりや。



 * * * * *



・まぼろしの説得シーン~さあモフれ!~


 接触禁止令が出ている状況だけど、一度あいつ(アズール)ともちゃんと話したい! とサキがサクに訴えるシーン。


「あのさ。

 俺、思うんだ。ナナっち、よくやってくれてるなって。

“勇者ナナキ”としてのシゴトもまだけっこうあるし、七瀬のみんなと緑化や開発進めながら、勉強や訓練も一杯してるし。

 ……それで、ちゃんとあいつの手綱も取れてるしさ。

 いや、ナナっちならできると思ってたけど、やっぱすごいよ。

 サクも、そう思わないか?」

 俺が差し入れたコーヒーをすすりつつ、サクはああ、とこたえてくれた。

「あいつも、努力してる感じがする。

 誰かになんか言われることがあっても、反論もしないで大人しくしてるんだ。

 任されたしごともちゃんとしてるし。

 そりゃナナっちといるからかもしれないけどさ」

「なにがいいたい?」

「俺さ。あいつとナナっちと、一緒にメシ食って話がしたい。

 俺、あいつはもう、ここを自分の巣として認めてるって思うんだ。だからマジメにがんばってる。

 あいつを最終的に引き込んだのは俺だ。俺は、奴のこともフォローしてやりたい。

 それに、ナナっちとも直接顔見て、話しておきたいんだよ。

 これからしばらく、会えなくなるじゃん? だから……」

「……俺は同席しないほうがいいんだな?」

 返ってきた声は、どこか押し殺したようなものだった。

「あの、監視はしてくれてかまわないんだ。なんかあったらとっこんできてくれても!

 ただ、サクもあいつ見てると、どうしても怒りがこみ上げてくるだろ? だからその、えっと……」

「わかった。

 そのメンツなら、スノーに同席してもらうのがよかろうな。俺は離れた場所にいることにする。

 ……奈々緒が俺のせいで萎縮している様子を見るのも、いい加減辛くなってきたからな。

 だが忘れるな。俺が付き合うといったのは一度だけ。

 今度何かあったら、いや、何かありそうになった時点で俺は動くぞ。

 たとえ、奈々緒を泣かせることになっても、お前を王座から引き摺り下ろすことになったとしても、これだけは譲れない」

「わかった。

 大丈夫だ。無事に終わらせて見せる。

 ちゃんと、お前を安心させてみせるよ。

 ここまでだってやってこれた。今回もちゃんとやりとげて、いつかお前をほんとに安心させるから」

 俺は立ち上がり、サクのとなりに座った。

 そうして、いつもとは逆に、俺が奴の頭に手をのせた。

 体温を宿して暖かく、すべすべとつややかな髪の感触。

 そっと指を滑らせると、サクはぱっと俺の手をつかんだ。

「え、なに?」

「それ。アズールにはしてやるなよ。

 ……お前と接触しないようにとは、奴からの頼みでもあるんだ」

「サク……

 そういうことはもっとはやく言わなきゃダメだろ。ひとりでヒール背負い込んで。

 わかったよ、原則接触禁止だろ? ちゃんと守るって」

「よし、ならばいい」

 俺の手を離し、目を閉じたサク。

 その姿が『さあモフれ!』とねそべるゴージャスな白猫様に見えたのは、はたして気のせいだろうか。


 ともあれ、あらためてつややかな頭をゆっくりと撫でれば、サクは心地よさそうに目を伏せている。

 これは……うん。まさしく、でっかいネコを撫でているような感じだ。

 俺はシャーラさんの気持ちがちょっとだけ、わかった気がした。



Sさん「文章が生煮えのままだとかほかにもいろいろとつっこむべきところはあるが、つややかな頭というのはどうかと」

 うむ、何が誤解を生んでいるのでしょうね、解せませんね。(すっとぼけ)

Sさん「(無言でチョップ)」



 * * * * *



・2-3くらいから~Aさん、Nさんにメタ発言す~


「いやっそれはだなっ、それとこれとはまた別でだな!」

「どう別なんだよ!」

「そんなこと説明させられたらR指定に……ゴホン!」


 R指定か、ならしかたないね。



 * * * * *



・3-2から~ふつーにきらくに~


「にゃー和田さん。わりぃが、おめーのしゃべり方ちっと聞き取りづらいんにゃ。

 もーちっとこうにゃ、ふつーの気楽な感じでやれにゃーにゃー?」

 いや、それはお前もだよ。そんなツッコミを飲み込んで反応を待つ。


 ナナっちさんのツッコミェ。



 * * * * *



・まぼろしの3-2シメ~恋愛大明神、しごとする~


 ユーリさんのてきぱきとした仕切りで、俺たちはミーティングを終えた。

「……あれっ? もしかして明日の海水浴、俺も行く流れっ?」

 そのときアズが声をあげた。

「あれ、アズ、泳げなかったっけ?」

「泳げるけど! 恥ずかしい! 目のやり場に困る!!

 っつか俺なんかがフツーに加わっていいわけっ?」

「いいに決まってるだろ。泳ぐのって楽しいじゃん、行こう?」

 するとロクにいも言った。

「行ったほうがいいと思いますよ。参加だけでもしておかないと、あとあと大変なことになると予測されますから。

 その場合は感想を聞かれても濁しておくこと。命にかかわりますから」

「げ、なにその未来予測……いやロクちんのご託宣なら間違いないからそうするけどさ……」

 こういうときのロクにいの予測は神がかっている。

 俺ももちろん、そのとおりにすることにした。



 お姉さんの水着姿の感想を聞いてきて、ほめればキレるしほめなきゃキレるという厄介な弟くんがいるようです。キレッキレです(謎)



 * * * * *



・2-1くらいから~セレブリティを大発揮なさるおねむ騎士長~


「すまん、眠いから……どうしてもというなら子守唄でも歌ってくれ……

 起きたら冷えたペリエをひとビン出して、風呂を熱めに沸かして、きれいなバスローブとりんごジュースを……」

 えんえんつづくオーダーに苦笑しつつ、俺は奴の肩を支え、部屋まで連れてった。



Sさん「俺はこんなこと言わんし誰かにそうしてもらったこともない!

 ま、まあサキにそうしてもらえたらそれは、嬉しくないことはないが……」



 * * * * *



・3-3より割愛~神王さまはクラシックなほうがお好き~


 実を言えば俺は、こっちのほうが好きである。

 いや、ミニスカートが嫌いとは言わないし、ミニスカメイド服もかわいいと思う。

 すっごく思うのだが、なんというか――安心するのだ。

 前世の記憶が戻った今ならわかる。刷り込みなのだ。

 である以上これは、俺の意志ではいかんともしがたいものである。



 しがたいそうです。



 * * * * *


・6-1より~セクハラ禁止はどこいった~


 ふと振り返ると、俺たちを見まくる式神が、小さく笑っているような気がした。



 ネタでもなんでもなく、ガチにそう打ち間違えました。疲れていたんだろうか……



 * * * * *



・まぼろしの6-3後半~書いちゃってなんだがルナさんもサクもやっぱここでこれはしないとおもったんだ、だからボツになった。反省はしている~


「ありがとう。

 ――わしらの孫たちを、宜しくお願いいたします」

「はい…… え?」


 いま『たち』ってきこえなかったか?

 俺は、ルナさんとの結婚の許可をいただくために話をしていたはずなんだけど……

 いや、いやそんな。

 俺とルナさんは清い間柄。アルファベットの最初にすら進んでいない段階だ。

 そのはず、なんだが……

 俺は狼狽してサクをふりかえり、声を潜めて問いかけた。


「サ、サク! もっ、もしかして神の子って手をつなぐとその……できちゃうの?!」

「そんなわけあるかっ!

 いや、ちょっと待て。お前のことだ、何があっても驚かん。

 ルナ、その……どうなんだ? ええと、なにがというと……」

「いいえ?

 わたしたちはただ、お兄さまのぶんもまとめてお話をもっていっただけですわ?」

「   」


 俺とサクとの付き合いは、長い。

 だが、こんな顔を見たのは初めてだった。

 いや、たぶん俺も同じ顔をしているに違いない。

 さきに我に返ったのは俺だった。


「いやいやいや! いやいや!! そりゃおじいちゃんとおばあちゃんだって悩むよ!! っていうかちょっとまって、俺たちひとこともそんなはなしは……ねえサク?」

「………………」


 同意を求めればサクは、うつむいていた。

 しかしその肩は震えていて、あっと思ったときには奴は爆発していた。


「俺にはそんなつもりは一ミリもない!!

 こいつは俺にとって……子供みたいなもんなんだぞっ。

 つききりで看護して。夜中に何度もミルクを飲ませて。

 人になってからは人としての振る舞いも教えた。

 武術も、勉強も、……泳ぎ方、鬼ごっこのルール、ケンカのしかた、仲直りの仕方。

 ビジネスだって教えた。公の場でのマナー。それに、それに……」

「サク……」

「……今日は、車で寝ます。まだ仕事もありますので。

 何かあったら起こしてください。では」


 顔を真っ赤にして声をあげたサクだったが、去り際には何だか泣きそうな顔をしていた。

 果たして料理を届けにいくと、サクはマイクロバスのシートの上で、ひざを抱えて顔を伏せていた。


「……そこにおいておいてくれ。適当に食べるから。

 すまない、酷いことを言った。

 お前はもう、もと子猫じゃないのにな……

 お前たちに合わせる顔がない。

 お前にも、此花家のみんなにも」

「いいって。みんな気にしてないから。

 みんな子育て経験あるからさ、そう思っちゃうのわかるから、気にしないでって。

 俺も気にしてないよ。だって事実だしさ」

「……サキ」


 サクがしょぼんとした顔で、それでもこちらを見てくれた。

 俺はタラップを上がり、サクのとなりのシートにトレイを置いた。

 そのとなりに、俺も腰をかける。


「俺さ。お前のこと、おやじと兄貴の中間みたいなもんだっておもってる。

 だから、まちがってないよ。

 ほんっとおまえ、一杯世話焼いてくれたじゃん。

 前世のことはノーカンとしてもさ。

 弱虫で泣き虫でロクに友達もいない俺に、毎日話しかけてくれて……

『ざっそうさんのおはか』に一緒に手を合わせてくれた。

 俺、それまでお前のことちょっとこえぇって思ってたけど、それがあったから他のやつとも話せるようになったんだ。

 ま、何度もいじめっ子たちからかばってもらっといて、ひでぇ話とは思うけどさ。

 ……言い訳するとさ、俺にはお前がまぶしかったんだよ。

 ケンカも強くて頭もよくて、みんなの人気者。

 そんなやつがなんでそんな、毎日俺をかまってくんのかって。

 心配してくれてたからだってわかったとき、俺もこんな感じだったわ」

「サキ……」

「だもんだから俺、お前がアユーラに帰っちまってから、しばらく何も手につかなかった。

 いっつもスマホで、お前が送ってくれた家族写真ばっか見てて。

 やっぱサクがすきなんだーってからかわれたからさ、とっさにルナさんのこと婚約者だってウソついて……。

 まさかそれがほんとのことになっちまうなんて、不思議なもんだけど。

 思えば多分、運命だったんだな」


 サクが再び、目を伏せた。

 小さく、「そうか」と呟いて。


「先の見えないフリーターの俺に、仕事をくれてさ。

 それどころか実は神の子だった俺のこと、会社や国まで作って守ってくれて。

 親っつーか、もう、神さまだよな。

 お前にもそのつもりないし、結婚とかそういうのはないけど……

 でも俺は、お前にも恩返しがしたい。

 ルナさんと結婚したら、俺たちマジに兄弟なんだしさ」

「サキ。

 ……ああ、そうだな。

 おれたちは、兄弟、だよな」


 窓から差し込むほのかな明かりの中、サクは泣きそうな顔をしていた。


「うん。

 だからもっといろいろ、話してくれよな?

 お前のおかげで俺は、瀕死の子猫から幸せな王さまになれたんだしさ!」

「……」



 最初これで行くつもりだったけど、ルナさんはめでたい席をぶちこわしかねないこんなむちゃはやはりしないだろうし、となるとサクもこんなキレかたはしないわけです。

 キャラがブレているというよりは、状況が微妙なのだとそう思う。

 こういうときなら必ずこうする! というのは、リアルの人間だと必ずしも、あるわけではないと最近思います。

 個人的にはサクの体育座りと、『手をつないだらできちゃうのっ?!』とあわてるサキが可愛いです。

 ちなみに一部設定が変わってますので、これはホントにお蔵入りです。アーメン。



 * * * * *



・9-3より~イザークさん、子猫にぺしっとあしらわれる~


「ミー、ミー!」

「おおよしよし、ああかわいいなあ、サキちゃーん」


 あ、ダメだ。こっちにゃなんも通じてないわ。

 もーいーわ、早く説得してくれよ。

 やつが伸ばしてきた手をぺしっとはたき返せば、これまた泣きそうな顔になった。



 うれし泣きですね、わかります。

 にゃんこは天使。または神。



~ほんとしょーもなくおわり~


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― 新着の感想 ―
[良い点] 第三部完結お疲れ様ですm(_ _)m 社長の秘密が非常にきになります……むむむ エリカの欠片 残留思念切なかったすよ。 頑張ってる女の子はかわいい…… がむしゃら感が切ないす。
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