どんとるっくみー
「見るな!!」
僕の腕の中で叫ぶ彼は身体中傷だらけでたった数ヶ月前会ったときとは別人だった。
真っ白で美しかった髪はパサつきブルートパーズの瞳からは生気が抜けている。
僕の好きだった白くて長い首は誰かのつけた歯型で隙間なく埋め尽くされ、美しかった胸の飾りは赤黒く醜く膨れている。
まじまじと見つめてしまう僕に苛立ちが倍増したのか振り離そうとするが体力の落ち切った彼には不可能だ。
警察に電話をかけ、彼を病院に搬送する。
僕らの後ろで伸びている黒づくめに向き直った。
「アタシのモノにこんなことして、どうなるかわかってるよな?」
これなアタシの本性。
独占欲の塊。
運命の番である彼……望空はとある大学の有名教授の息子だ。
そして母親の幼少期に飲んだ抑制剤の反発作用でフェロモン過多の望空は目立ちすぎた。
色々な輩から狙われ、家族も手を焼いていた。
迷惑には思ってないようだが彼は少し目尻を下げ困ったように笑っているのだ。
病室に向かうと小さく震えている彼にそっと手を伸ばす。
人形のようだったがゆっくりと上下する胸が彼が生きていることを示してくれた。
うめき声と共に彼が覚醒する。
焦点の合わない目でこちらを見て笑う。
いつものように目尻を下げて。
「おはよう、クロア」
心配させて、バカ! 彼の細っこい身体に抱きつく。
さあ、これからの話をしよう
To be connected……