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契約

大変遅くなり本当すみません…!!

リアルも忙しくて中々手をつけられなくて…(言い訳)

今回もそこまで長くないです、感想意見等ありましたら是非よろしくお願いします。

「もう君に危害を加えるつもりは無い、安心してくれていい」

「は、はい…」

「ふーっ、ふーっ」


謎の少女の出現により事が収まった冒険者組合(ギルド)ドローム支部長室、そこでは元の席に少女が加わって先程と同じように向かい合っていた。

アレンの横にぴったりと座り猫のようにシリウスに威嚇する少女、そんな少女をアレンは止めようとするがシリウスは微笑ましそうにアレン達を見ていた。


「こんにちはお嬢さん、もう君のご主人様に手を出さないから安心しなさい」

「ふむむ…ほんとう??」

「本当だとも」

「あの、すみません、ご主人様とは??」


少女に優しく話しかけるシリウスだったが、その中に気になる言葉があった。少女自身も言っていた"眷属"という言葉、謎が謎を呼び思わず彼に聞いてしまった。


「ふむ、やはり自覚はないか…その少女は君の眷属だよ」

「眷属??あの、眷属とは一体」

「固有魔力を発現することで召喚される魔力生命体、魔力で編まれた擬似生命体だ」


シリウスのその言葉を聞いて思わずアレンは少女を見てしまった。少女は大きな瞳でアレンを見返す、アレンにはこの少女が人間でない事が信じられなかった。


「ふむ、しかしこの少女の身体構成を見るに身体は竜に近い所がある。先程の黒い爪などもそうだろう、そこから君の眷属だと断定した」

「そう、なんですか…」


正直アレンには実感が湧かなかったが、自分の中の新たな(恐ろしい)力が確かにある事を理解した。 気付かないうちに静かに唾を飲み込んでいた。


「ご主人様!!」


自分の中の感情の波に呑み込まれそうになっている所に、ひとつの明るい声が届いた。


「わたしに、お名前をください!!」


それはどこまでも純粋な眷属()の太陽の様な笑顔だった。



▷▶︎▷



「それで、その子がアレンの眷属…??」

「一応、そうなるな」


アレンは一日ぶりにレイト・ブルーマーズの面々と合流した。実は迷宮から救出されてから、アレンは長い時間ずっと寝ていたのだ。


「へぇ、可愛いじゃない」

「っ!!」


サクラが近付くと少女はビクッと震えてアレンの後ろに隠れてしまう。怖がられてしまったとサクラが落ち込み、皆がそれに笑う。この少女は意外と人見知りのようだ。


「それで、この子に名前をつけてあげる事で契約が完了するみたいだが、何か意見はあるか??」

「アレン君の眷属なら、アレン君がつけるべきじゃないかしら」

「そうですね、やはりアレンが考えるべきですよ」


ミーシャやレオンにそう言われ、アレンは自らの眷属の名を考える。

『竜』の魔力が発現したことで召喚された眷属、当然竜の力を有しているだろう。であれば…


「"リュウ"…なんて、どうだろうか」

「アレン…まぁ、変に弄るよりシンプルな方がいいでしょう。それで本人は…」

「"リュウ"!!それがわたしの名前ですね!!」


アレンが決めた少女の名は"リュウ"。竜の眷属である少女を表した名である。その安直なネーミングセンスにレオンが呆れの声を零すが、当の本人は気に入っているようだ。

アレンはこの時、何かリュウとの間に『繋がり』を確かに感じた。形容し難いものだがこの明るい少女と繋がるものを感じ取り、これがシリウスより教えてもらった眷属との繋がりだと確信した。


「よし、それじゃあリュウ。君には何が出来る??」

「はい!!わたしは…」


アレンにそう言われてリュウは手を掲げた。すると彼女の腕から先が黒く変色していった。やがてそれは鱗のような異型の腕と化した。


「スキル『竜変化』です!!」


リュウがその力の名を高らかに宣言する。成程、『竜』の魔力が発現したアレンの眷属に相応しい力だ。

アレン含め皆にまじまじと見つめられリュウは恥ずかしそうにするが、嫌ではないようだ。


「凄いわね…」

「本当にな。これは負けられないな」

「ジーク君、こんな小さな女の子に張り合ってどうするの??」

「あとちからがつよいです!!」

「凄いなぁリュウは」

「えへへ」


リュウが更にその小さな胸を張って高らかに宣言すし、アレンがリュウの頭を撫でながら褒める。主の賞賛を眷属は受け止め、今までで1番のだらしない笑みを見せた。


「でも、こんな小さい女の子を迷宮に連れて行く訳には…」

「そうよ、こんなかわっ、小さな子を戦わせる訳にはいかないわ!!」


ミーシャがそう言い出しサクラが同調する。全くの正論だ。傍から見れば少女と呼ぶべき幼い女の子を戦わせている異常者と思われるかもしれない。

ミーシャ達の言葉に難しい表情を作るレオン達。皆で唸っていると、そこにリュウが異を唱える。


「では、わたしとたたかってください!!」

「えっ…??」



▷▶︎▷



結論から言おう。彼女はとても強かった。


リュウと戦ったのはジークハルト、だがほとんど幼女とも言えるような見た目の少女に槍を使う訳もなく、ジークハルトは素手で相手しようとしていた。だが、それが間違っていた。

本人も言っていた通り、彼女はその類稀な身体能力を駆使し無手のジークハルトに迫った。最初はジークハルトも余裕をもって攻撃を受け流していたがリュウは段々と速くなっていき、次第にジークハルトも反応できなくなってきた。だがそこは今までアレンと幼き頃からしているのは伊達ではない、ライバルの眷属にアレンに通ずる物も見出したのか最後にカウンターで手刀を放ちリュウの意識を奪った。それを経て迷宮攻略にリュウが加わる事となった。ジークハルトは若干凹んでいたが。

しばしの休暇をそれぞれ取り、また迷宮攻略に挑戦する意志をそれぞれが持っていた。

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