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アニメ

アンゴルモア

作者: とびうお君

 テーマをといつも思って書いてるけど、今回は思いつかない。でもこの作品は書いておきたい。何故か?面白いからになる。何故面白いのか?と考えるとこれが中々難しい。面白さがオーソドックスすぎるからになる。古典的な面白さ、昔からある歴史戦記物の面白さ。架空戦記と違う部分が重要なんじゃないか?と思う。


 面白さを探っていくと、ほぼ架空戦記と重なる。なら、架空戦記とは違う面白さがなんだ?と考えるとそこに重要なキーがあると思う。リアルが題材なだけにリアリズムがやっぱりしっかりしてると思う。リアリズムに根ざした受け手の主観的リアリティでも良い。主観的リアリティってのは、本人がリアルだと思えばとかそんなレベルじゃない。


 大人の常識として形成されるリアリティだと考えれば良い。別に科学的に結び付けられた客観性とかは必要ないって事でリアリズムとは別個になると出来る。それが多くの人で大体共通するからなんとなくリアリティに対する良作というものが出来る。それを歴史物は満足させやすい。私はどうなのか?と言うとやっぱりあるんだと思う。


 別にリアリティには拘らないが、それでも私はそれが大事じゃなくて、リアリティが不十分なものも、十分なものも別個で楽しめる。別物としてやはり刺激になってる。キャラクターの思考がは???って行動をあまりし無い。この点難しいのが天才軍師などになる。誰もが納得できる策と言うのは敵にも読まれやすい。


 だから軍師系の作品は作りにくい。細かい戦術レベルの積み重ねの話しだとこのあたりはそんな天才的策とかじゃなくて良い、この作品はその辺りが絶妙に上手い。ぱっとその場で思いつく最善だと思う奇抜すぎない作戦の積み重ね。こういうツボをつく部分が上手い。そういった部分は歴史はかなりどうでも良い。単にリアリティを踏み外さないようにでしかない。


 展開だと思う。展開にリアルさがある。だがそれは諸刃の剣の部分がある。歴史物の面白さを知識で語る人が多いが、私はそうは思わない。私は戦記物から歴史に興味がわいた時代がわんさかある。歴史?の部分が多いが、宮城谷さんの古典中国シリーズなどはほとんど知らない歴史ばかりだったが面白かった。


 ツボをついた展開の歴史と言うものがある。だから歴史物は知っていれば面白いわけじゃない。むしろ純粋な展開の面白さは知らない歴史の方が面白い。そして歴史の中ではこれは美味しいという展開が埋まってる歴史が多々ある。例えば3国志と信長の歴史はかなり展開が面白い。


 3国志のなりあがりの流れで、それなりには有名人として活躍する劉備もイマイチぱりっとしない。ライバルの曹操孫権と較べると、元があまりに低い位置からスタートするのが大きい。その劉備が転機を迎えるのが孔明との出会いとなる。なりあがり者としてこの流れはとても面白い。逆にそれまでの地味な展開も十分に面白いのがすごいぐらい。


 信長はやはりスタートの桶狭間がかなりドラマチック。その時代の誰もが今川の勝利を考えていた場面で大逆転で大番狂わせをする信長が戦国の覇者としてデビューするつかみはOKの展開が素晴らしい。無名のアイドルがスタートのイベントでトップアイドルになるみたいな展開など、この手の展開は虚構でも数多く存在する王道パターンの1つ。


 私は元寇の歴史を知っている。だからどの部分に面白さがあるか?と言うと、細かい歴史で語られてない部分にツボがあるんじゃないか?と見ている。


 この作品単純に歴史の展開をなぞっているわけじゃない。その点多くの知ってる前提での歴史物の面白さと全く違う。大きな流れは知ってるからその部分の物語の起伏を楽しむ話じゃない。小さな流れの積みかさなりを楽しむ話になる。だからこの作品結局展開が面白い。何故そういう作りになったのか?と言うとそこに原因がある。


 これは本来元寇の歴史的舞台は鎌倉の政治や九州の戦場にある。それほど多くの歴史的記述が残ってるわけじゃない。もちろん流人が計画的に流されてきたなんて歴史も全く無い。じゃ架空戦記なのか?と言うと、それも違う。名も無き戦士達の歴史の大きな流れの中での戦記という限りなく虚構に近い戦記物と言える。


 架空戦記の長所と歴史物の長所が両方存在する。だが同時に架空戦記の欠点と歴史物の欠点も同時に存在する。混血のような作品だと言える。歴史物の欠点は、大きな流れでは対馬はどうあっても勝てないと分かっている。対馬人が、元寇で根絶やしにされたという歴史も無いので、どうなるか?この辺り想像の範疇にあるが、少なくとも劇的な勝利はありえないと分かっている。


 ネタバレ?というなら、それが多分大きな問題にならないと思うから。それは同時に大きな流れではこの作品は面白みが無い。それが分かってるから、これまで放置されてきた歴史なのだから。


 今確かに面白いが、この先その分かりきったあまり面白みの薄い結末をどうやって納得できる面白さを作り出すか?これは全くの未定。その点では途中の評価と言うのを断わっておかないといけない。ただ深夜アニメでそればかりに囚われてしまうと大半のアニメがゴミアニメになってしまう。何故なら続編をやらない原作物も大量に存在して、そういった部分が決定打となって評価するのは深夜アニメを見るなと言ってるのを同じだからになる。


 ただ、この作品は多くの歴史物がもつ、知識として知ってる展開をどう人間の描写として描くか?のツボだけで楽しいわけじゃない。知識として知ってる展開は歴史の記述でしか無い。それは人間達の描写ではない。そこにツボがあり、そしてそれこそがリアリティと密接に関係する面白さだから。


 聖書と宗教の教義の違い?そんなものかと思う。宗教の教義として伝えられるより物語として伝えられるほうが楽しく頭に入ってくる。歴史の記述として残っている知識もそれになる。断片的な歴史的事実を生きている人間の描写として再構成する。そこに歴史物の面白さがある。


 だが、その部分でリアリズムに裏打ちされた事実が無い。それを架空戦記の細かい部分だが展開の面白さと歴史物のリアリティを満足させる面白さの両方で補ってるのがこの作品の肝だと私は見ている。歴史的事実が無いのに、リアルと言う言葉が使えるのが、それが最初に書いた主観的リアリティに繋がってくる。受け手がリアルだと多くの人の常識的納得が充足すれば良い。


 だからリアリズムに裏打ちされた歴史的事実入らないとなる。

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