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桃華乱舞  作者: 桜桜桜
常夏村で鬼退治
9/13

桃華乱舞 9

きび団子と猿出さなきゃ


桃華は都解放の為に旅立つことにしました、お供には犬のハチを連れて、腰には鬼の対抗手段になる桃剣白鳳を差しています。


『桃華、これを渡しておこう』

『これは?』

『きび粉と上新粉に水と塩、砂糖をくわえて練ったものを茹でて作った団子だよ………あんこときな粉もつけといたから道中でお食べ』

『ありがとうございます、おばあさま』

桃華はおばあさんから、きび団子を受けとります


『それとこれもね………どうしようもなく、困ったらこの箱をあけなさい、それまでは開けちゃいけないよ』

『わかりました』

『都に行く前に、常夏って村にいきなさい………きっと桃華の助けになってくれるだろうよ』

『常夏村ですね』

『そうだよ、ここからだと都との中間辺りにあるしね………そこに住む“猿鬼(えんき)”って人をたずねるんだよ』

『わかりました』

『必ず無事に帰ってきておくれ………桃華がいないと、わし………わしは………』

『必ず帰って来ますよ!!………それでは行ってきます』

泣きまくるおじいさんに見送られ、おばあさんに助言をもらい桃華達は常夏の村へと出発しました



桃華達は出発して四日目に、小鬼に遭遇しました。桃剣白鳳を抜くと自然と体が動きます、流れるような動きで角を切り飛ばし無力化しました


『すごいね、トウカ』

『体の中の桃気と白鳳が繋がったような、どう動けばいいかわかるの』


剣術などしたことがない桃華が、達人のような動きを見せたのは白鳳の力なのか、トウとしての記憶を取り戻しつつあるのかはわかりませんが、小鬼程度なら相手にならないとハチは安心します。


小鬼と遭遇するという予想外の出来事はありましたが、桃華達の旅は順調で後少しで常夏の村へと辿り着く山道を歩いていた時のこと


『トウカ、前方に何かいる』

ハチが異変を感じとりました、桃華に警告をすると前方へと駆けて行きます


『大変、人が倒れてる』

桃華も道端に倒れてる人を見つけて駆けつけます


『………人だよね?』

桃華が側まで行くと倒れてた人の様子が目に入ります、人よりも毛むくじゃらで背も小さい人に疑問の声を上げます


『何言ってるのトウカ………どうみても猿だよ』

『猿?』

『あー、そうか猿も忘れてるんだね』

『それで、猿さんの容態は?』

『外傷もないし、命に別状はないんじゃないかなぁ』

呼吸もあまり乱れて無い様子です


『キキー(腹へったー)』

『え?』

猿から言葉が聞こえたと思うと、お腹の音が盛大に鳴り響き渡りました、桃華はおばあさんからもらったきび団子を猿に分けて上げることにしました


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