桃華乱舞 8
一章ラスト
桃華達が帰るとおじいさんが出迎えます。桃華の無事な姿を見て泣いて喜びますが、おばあさんに見苦しいとバッサリ切られ凹むおじいさん。そんな一幕がありましたが桃華は家でどうしたいか考えながらすごします。
数日後
『おじいさま、おばあさま………お話があります』
『そろそろ………くる頃だと思っとったよ』
桃華は答えを出したようで決意を秘めた顔をしてます。おばあさんはおじいさんを追い出すと桃華の話を聞きます。
『都で苦しんでいる人がいるなら救いたい、助けたいです………ハチや村長さんみたいに傷つく人をなくしたいの』
桃華は桃剣白鳳を見つめながら、都に行く事をおばあさんに伝えました
『わかったよ………では鬼について教えとこうかね』
『お願いします』
『桃華が倒したっていうのが小鬼じゃ、鬼の中でも最弱じゃ』
『あれで、最弱………』
『鬼の角は邪鬼と呼ばれる力を表しておってのぅ………小鬼は黄色じゃったろう』
『はい』
『怨みとか恐れや怒り、悲しみ等の感情を食べて邪鬼を育てると角が赤くなるんじゃ。赤角の鬼が大鬼と呼ばれる鬼で小鬼とは比較にならないほど強くなっておる』
『感情を食べる!?』
『そうじゃ、負の感情は鬼を強くし、喜び等の正の感情は鬼を弱くする。だから正の感情の集まるところは、鬼に襲われるからね』
『なるほど、正の感情が弱点でもあるのですね』
『大鬼からさらに邪鬼が育つと銀色に輝く、大鬼よりもさらに強い鬼人となる』
『鬼人………』
『鬼人まで成長したら、正の感情が弱点ではなくなるよ。わたしのようにね………』
おばあさんは髪をかきわけると角を見せてくれます、おばあさんの角は銀色で根元辺りで折れています
『わたしはね、ヒトゾクが好きになったのさ………鬼は身体能力は高いが、ただそれだけなんだよ、だから自ら角を折ったのさ』
『………おばあさま』
『壊すだけで生産性も何もない世界、強い者が弱い者を支配する、そんな世界にしたくなかった………だから、1000年前に鬼神様を封印したんだよ、都にね』
『鬼神?』
『都で暴れる鬼達ってのは、おそらく鬼神様を復活させて鬼の世を作ろうって連中さ』
『鬼の世って、ヒトゾクはどうなるのです』
『鬼神様の加護を受けて鬼達も強くなるから、今よりも悪くなるだろうね』
『そんな』
『だから、鬼神様の封印だけは解かれちゃいけない“神桃ネクタル”を鬼達には渡しちゃいけないよ』
『“神桃ネクタル”………それは何処に?』
おばあさんは一瞬考えます
『巫女の家系が代々守ってきたはずだよ、桃華が巫女なら記憶が戻ればわかるだろうよ』
(でも、おそらく桃華は…………セイメイ、わたしに言えるのは、ここまでだよ)
おばあさんから鬼の情報を手に入れた桃華は、都を救う為についに旅立つことになりました。




