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桃華乱舞  作者: 桜桜桜
記憶の無い少女
7/13

桃華乱舞 7


『ここは?』

桃華が気づくと布団に寝かされていました。周りを見ても見おぼえがありません


倒れる前の事を段々と思いだしてきました。小鬼を倒した力がなんなのか、頭の中に聞こえた声はなんなのか?わからないことばかりですが、桃華は身体の中に、今まではわからなかった力があるのを感じました


『桃華ちゃん!!気がついたのかい………具合はどうだい?』

『わん(トウカ………良かった、大丈夫?)』

『わたしは平気ですよ』

桃華が整理してると村長とハチが部屋に入って来て、目を覚ました桃華に気がついて声をかけてきました


『わたしのことより、村長さんやハチは平気なの?』

『わしは、この通りじゃ、三日目を覚まさなかった桃華ちゃんの方が心配じゃて』

『わん(トウカは三日寝てたんだよ)』

『心配かけてごめんなさい………!!』

桃華が立ち上がりかけた時に、お腹から可愛らしい音が聞こえました。桃華は顔を真っ赤にします


『三日も寝てたから空腹なのは当然じゃ、すぐに用意させよう』

村長さんが気をつかって部屋から出て行きました


村長は桃華の食事中に桃華が寝ていた間の事を話してくれました。村長が気がついた時には鬼と桃華が倒れていました、鬼の方は角がなくなっていたので縛って隔離したそうです。桃華の無事を確認した村長が桃華を家まで運んでくれたそうです


『おばあさんには、使いのものを走らせたからね、もうじきくると思うよ』

『お邪魔するよ』

『噂をすればだね』

ちょうどおばあさんが桃華を迎えに来ました


『桃華や、無事で良かった。心配したんだよ………って桃華!!………桃気(とうき)に目覚めたのかい?』

『桃気………?おばあさま、桃気とは一体!?』

『桃気とは邪鬼(じゃき)を祓う力のことだよ………都防衛を担う巫女の系譜に連なる者にしか扱えない力だよ』

『桃華ちゃんは巫女だったってことかい!?』

村長大興奮、あまりにさわぐから、おばあさんに邪魔だよと部屋を追い出されました


『(ハチ、セイメイは桃華をわたしに会いに来させたっていっとったよな)』

『(そうです)』

『(桃気の使い手を寄越したってことはセイメイが欲しいのは“桃剣(とうけん)白鳳(ハクホウ)】”だね………そんなことは望んでなくて逃がしただけかもしれないけど)』

おばあさんは桃華を見つめます


(神桃気に近い桃気………動物と話せることといい……神桃ネクタルを使ったんじゃないだろうね………だとしたら桃華は………まさか、わたしにネクタルの説明をさせようってことかい!!)


『?』

おばあさんに見つめられ、不思議そうに小さく首を傾げる桃華


『(桃華はどうしたいんだい?桃剣白鳳を使って都を解放したいかい?)』

迷いを断つように頭を振ると、おばあさんは桃華にたずねます。


『わたしは』

『今すぐは答えなくて良いよ、とりあえずじいさんも心配してるから帰ろうかの』

おばあさんは桃華の答えを聞くと、桃華が遠くに行ってしまう気がして台詞を遮ります


おばあさんと桃華とハチはおじいさんの待つ家へと帰るのでした

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