桃華乱舞 7
『ここは?』
桃華が気づくと布団に寝かされていました。周りを見ても見おぼえがありません
倒れる前の事を段々と思いだしてきました。小鬼を倒した力がなんなのか、頭の中に聞こえた声はなんなのか?わからないことばかりですが、桃華は身体の中に、今まではわからなかった力があるのを感じました
『桃華ちゃん!!気がついたのかい………具合はどうだい?』
『わん(トウカ………良かった、大丈夫?)』
『わたしは平気ですよ』
桃華が整理してると村長とハチが部屋に入って来て、目を覚ました桃華に気がついて声をかけてきました
『わたしのことより、村長さんやハチは平気なの?』
『わしは、この通りじゃ、三日目を覚まさなかった桃華ちゃんの方が心配じゃて』
『わん(トウカは三日寝てたんだよ)』
『心配かけてごめんなさい………!!』
桃華が立ち上がりかけた時に、お腹から可愛らしい音が聞こえました。桃華は顔を真っ赤にします
『三日も寝てたから空腹なのは当然じゃ、すぐに用意させよう』
村長さんが気をつかって部屋から出て行きました
村長は桃華の食事中に桃華が寝ていた間の事を話してくれました。村長が気がついた時には鬼と桃華が倒れていました、鬼の方は角がなくなっていたので縛って隔離したそうです。桃華の無事を確認した村長が桃華を家まで運んでくれたそうです
『おばあさんには、使いのものを走らせたからね、もうじきくると思うよ』
『お邪魔するよ』
『噂をすればだね』
ちょうどおばあさんが桃華を迎えに来ました
『桃華や、無事で良かった。心配したんだよ………って桃華!!………桃気に目覚めたのかい?』
『桃気………?おばあさま、桃気とは一体!?』
『桃気とは邪鬼を祓う力のことだよ………都防衛を担う巫女の系譜に連なる者にしか扱えない力だよ』
『桃華ちゃんは巫女だったってことかい!?』
村長大興奮、あまりにさわぐから、おばあさんに邪魔だよと部屋を追い出されました
『(ハチ、セイメイは桃華をわたしに会いに来させたっていっとったよな)』
『(そうです)』
『(桃気の使い手を寄越したってことはセイメイが欲しいのは“桃剣【白鳳】”だね………そんなことは望んでなくて逃がしただけかもしれないけど)』
おばあさんは桃華を見つめます
(神桃気に近い桃気………動物と話せることといい……神桃ネクタルを使ったんじゃないだろうね………だとしたら桃華は………まさか、わたしにネクタルの説明をさせようってことかい!!)
『?』
おばあさんに見つめられ、不思議そうに小さく首を傾げる桃華
『(桃華はどうしたいんだい?桃剣白鳳を使って都を解放したいかい?)』
迷いを断つように頭を振ると、おばあさんは桃華にたずねます。
『わたしは』
『今すぐは答えなくて良いよ、とりあえずじいさんも心配してるから帰ろうかの』
おばあさんは桃華の答えを聞くと、桃華が遠くに行ってしまう気がして台詞を遮ります
おばあさんと桃華とハチはおじいさんの待つ家へと帰るのでした




