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桃華乱舞  作者: 桜桜桜
記憶の無い少女
4/13

桃華乱舞 4


偶然にも、おばあさんは記憶喪失になる前に桃華が会いに行くはずだった吸血鬼のマリでした。三人と一匹の夕餉もすみ、おじいさんが風呂に行ったところでおばあさんが話はじめます


『セイメイの坊やは元気かい?』

『!?頭の中でおばあさまの声が』

『念話だよ、私には犬の言葉はわからないからね』

『わたしは、わかりましたけど………』

『なんだって!?………(セイメイはこの子に何をしたんだい?………まさか!?)』

おばあさんは黙りこむと神妙な顔で考えごとをしているようです、そんな中恐る恐ると言った感じでハチが都の状況、マリのもとを訪れた理由を話ました



『話はわかったよ、都は完全に落とされたのかい?』

『自分が任務についたときにはかろうじて………今も落とされてないかは………わかりません』

『セイメイが最悪の事態だけは避けているだろう………もう、こんな時間だし、そろそろおやすみ』

『そうですね』

『桃華や、明日は村へ竹細工を売りに行っておくれ。今月分が完成したからね』

『わかりました、おやすみなさいおばあさま』

『おやすみ』



次の日、おばあさんが作った竹細工を売りに、桃華はハチを連れて村へと行きました。おばあさんから村長に渡すようにと箱も渡されました。


村についた桃華は村長の家へと向かいます


『こんにちは、これ今月分の竹細工です………あと、おばあさまからコレを渡すように頼まれました』

『いつもご苦労様、桃華ちゃん………今お茶とお菓子を用意させるから少し休んでいきなさい』

『ありがとうございます』

村長に村で売る分の籠やら日用品とおばあさんから渡された箱を渡しました。村長は箱をあけて中を確認すると、別の部屋に行き、竹細工の代金とお茶とお菓子を持ってきました。


『わしはこれから少し出かけてくるが、ゆっくりしていきなさい』

桃華に声をかけると村長は、おばあさんから渡された箱を持って慌ただしく、出かけていきました


村長に出されたお茶とお菓子をたいらげて満足した桃華は、村長の家をあとにしました。


『桃華ちゃん、逃げてー、鬼がそこまで来てる』

『えっ!?………鬼?』

桃華が村の入口まできたところで飛んできた鳥が桃華を見つけて警告してくれました


『わん(鬼?、トウカ、どうした!)』

『どうしよう、ハチ………鬼がそこまで来てるんだって』

『わんわん(なんだって!?………こんなところまで鬼が!!………トウカ、落ち着いて村の人達に知らせて、すぐ避難しないと)』

『そうだね』

桃華は村人を捕まえると、鬼がそこまで来てることを説明します。村人は青い顔しながら村長を探しにいきました


『わん(桃華、俺達も逃げるよ)』

『そうだね』

桃華達は村を出ました、しかし村を出たすぐのところで、鬼と遭遇してしまいました


『グガガガー(ヒトゾクカ?)』

緑色の肌をした6尺くらいの背、人にはない角を額からはやした鬼は、桃華達を見つけると、雄叫びをあげながら突っ込んできます

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