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桃華乱舞  作者: 桜桜桜
記憶の無い少女
3/13

桃華乱舞 3


犬のハチを連れて、桃華はひとまず帰宅することにしました。道中で気になったことをたずねます


『ところで、鬼って何?』

『鬼ですか………鬼は身体能力が高く人族が束になっても敵わない種族ですよ』

『そんなのがいるんだ………迷惑かけてる悪いやつってことで良いのよね?』

『それで、だいたいあってます』


おじいさんに拾われてから家と竹林の狭い範囲でしか活動してなかった桃華には、いまいち鬼についてわからないようでした


『マリ様ってのは?』

『マリ様は千年の時を生きる吸血鬼ですね、都を作った人です』

『ところで、敬語になってるわよ』

『すみませ………すまない、まだなれなくて』


ハチと話ながら家へと帰ってきました、桃華は庭に竹を置くと正面にまわります


『おじいさま、おばあさま、ただいま帰りました』

『お帰り、桃華』

おじいさんが桃華を出迎えます、ハチに待っているように言うと桃華は家へと入ります


『(これは………結界?この家は一体!?)』

ハチはおじいさんの家に施された結界を見つけ、首を傾げます。


『ハチー、おいでー』

桃華はおじいさんにハチのことを説明して、家の中に入る許可をもらいました


『わん(マリ様!?)!?』

『えっ!?』

桃華はハチの足を濡らした布で拭くと、ハチを抱えながら居間に入りました、そこにはおばあさんが夕餉の支度をしています。おばあさんを見たハチが驚きの声をあげます、桃華は驚いたハチが落ちないようになんとか抱え直すと席に着きます


『お帰り桃華、おや………その()は………!?、………!!そういうことかい』

ハチを見て何かに気がついたおばあさん


『おばあさま?』

『話は後でね………、今はじいさんをよんできておくれ、もうできるから手も洗ってきな』

『はーい』

おじいさんを呼びに部屋を出てった桃華を見送ってから思い出したようにおばあさんは立ち上がります


『さて、お前さんにも夕餉をやらないとね』

『わん(お気遣いなく)』

『あはは、私にはわからないよ………(だから、こっちでね)』

『(!?)』

おばあさんの声がハチの頭の中で聞こえます


『(嫌いなものはあるかい?)』

『(いえ、特にはないです)』

『(あいよ)』


おばあさんは、台所へと向かうと入れ替わるようににおじいさんと桃華がやってきました


『ハチ?どうしたの?』

『わん(何でもない)』

『そう?』

ボーっとしたようなハチに桃華は違和感を覚えましたが、おじいさんに呼ばれたハチがおじいさんの膝の上に陣取り、おばあさんが夕餉の準備を終えて現れたので、忘れて夕餉を楽しみました


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