桃華乱舞 12
常夏村の猿鬼さんの協力を得られた桃華達。都に行く前に、常夏村に何かを探しにきてる鬼人をやっつける事となりました。
猿鬼さんの話では、鬼人になると何かしらの能力が使えるようになるとのこと。猿鬼さんは、猿を操る事が出来る能力で猿達に指示を出して常夏村の鬼を倒す為の作戦が始まりました。
『じゃあ行ってくるわね』
猿鬼さんが、鬼人が探しものが見つかったと知らせに行き、鬼人を誘き出しにいきます
作戦通りに桃華達は茂みに隠れて待ち伏せします。しばらくすると猿鬼さんが鬼人を連れて戻って来ました
『猿鬼よ、よく見つけてくれた』
『春鬼さん、たまたま見つかって良かったわ………これで常夏村からは出てってくれるのよね?』
『あぁ、これで鬼の世界がくるからな、、、屍鬼様には猿鬼の働きをちゃんと報告しよう』
猿鬼と春鬼は会話しながら桃華が潜む茂みを通り過ぎます
『それで、巫女はどこにいる?』
(!?)
春鬼の隙をうかがっていた桃華は巫女という単語に思わず止まりました
『もう少し行ったところよ』
(なんだろう?違和感が………)
春鬼と呼ばれた鬼人と猿鬼さんは奥に進んでいきます。少し離れて桃華もついていきます。
少し進むと岩場に出ました、猿鬼さんと春鬼が川上の方を見て何か話しています。桃華は音を立てないように注意して近づいていき、白鳳を抜いて桃気をまとわりつかせるように集中します。
『来たか』
まるで来るのが解ってたように、春鬼が振り向いて桃華を見ました
『なんで?わかっ『“猿界”』………猿鬼さん!?』
『ごめんなさいね、桃華ちゃん………わたしはもう共存派ではないのよ』
春鬼と桃華をぐるりと取り囲む猿達、猿鬼さんは猿達の囲みの外から少しだけ迷った顔をしながら告げます
『さて、桃華とやら一緒に来てもらおうか。おとなしくしておれば命だけは保証しよう』
春鬼が手を伸ばしてきます
『何が目的ですか』
春鬼の手を逃れて白鳳を構える桃華
『都にいる屍鬼様が巫女、つまりはお前を欲しておるのだ。鬼の世のために来てもらおうか』
『お断りします』
『いいからくるんだ』
猿に囲まれて逃げ場がない状況の中、桃華と春鬼の戦いが始まりました。どうやら猿達は桃華に手を出す気がないみたいなので、桃華は春鬼にだけ集中します
猿鬼さんに聞いていたとおり、戦闘型ではないという春鬼の攻撃を白鳳で受けとめます。それでも小鬼よりかは力強い攻撃は何度も受けとめれないと、回避も織り混ぜながら角に当てる為の隙をうかがいます。
『やるな、これならどうだ』
春鬼の角が光ると、春鬼の拳に風がまとわりつきました。春鬼の拳を避けて懐に飛び込もうとしていた桃華は、当たってないのに吹き飛ばされました。
猿達がちょうどクッションのようになって、地面へのダメージを免れた桃華はヨロヨロと立ち上がります
『まだ、立ち上がれるのか』
『負けません』
桃華は春鬼に対して白鳳を構えます。おばあさんの言葉を思いだしました、困った時に開けろと言われていた箱を取り出すと急いであけます
『これは………!!』
箱の中に、桃のようなおにぎりが3つありました。おにぎりを見た瞬間に桃華は、電流が走ったかのようにどうすればいいのかがわかりました