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異世界3姉妹の日常と冒険物語  作者: 作 き・そ・あ / 絵 まよままん
extra 短編
71/126

EXTRA きららの学校 ②

はぁ~」


 私はブラウスのボタンを外してゆっくりと腕を抜くと、リボンとブラウスをハンガーにかけながらため息がこぼれた。


 今日は、朝から最悪だった。


 寝ぼけて遅刻するわ、みんなには笑われるわ、最後には私は叩かれアメリアは叩かれないわぁ・・・。

 思い出しても腹が立つ。握り締めた右手がワナワナと震えてしまう。

 体育の授業が始まる前に早く校庭に行かないと、また怒られちゃう。

 ほんと、今日はついてないな。


「珍しく、今日は遅刻だな」


「リカ・・・。そうね、今日はちょっと寝坊しちゃって」


 となりのロッカーを使っているリカ。いつも無愛想で、なんだか怒ってるような彼女だけど、実は家がとても厳しいところの娘だそうで、話し方や雰囲気は家柄らしい。

 慣れてくると、実は面倒見が良くてけっこうお姉さん肌だし頼りになる。


「もうじきテストだからな。あまり頑張りすぎるなよ」


「え!?」


 もうじきテスト!?そんなの聞いてない!どうしよう、全く勉強なんてしてない。

 今日遅刻したのだってまさか、『夢で疲れてぼーっとしてた。』なんて今の空気で言えないよ!


「どうした?」


「えっ!?あ、あぁ。テスト、そうね。テストね。大丈夫よ。ありがと」


 私は体育着に着替えると静かにロッカーを閉じた。

 となりでは不思議そうな顔をしたリカが『大丈夫か?』とでも聞きたそうな顔をしている。

 どうしよう。いきなり違う世界に来たみたいだわ。大丈夫かな。魔法や、馬車なんてそんな子供みたいなことばっかり妄想してて。ほんと、自分らしくないわ。


「おい、私らも行かないと。みんな出て行ったぞ」


 リカがロッカーを閉めると考え事をしていた私の思考回路は目の前の現実に戻ってきた。

 確かに、さっきまで話してたクラスメートの声がしない。更衣室の中には私とリカだけだ!


 キーンコーンカーンコーン


(は、はぅぅ!!やばい!また・・・)


 更衣室のスピーカーに休み時間の終わりを知らせるチャイムが聞こえる。


「ま、また怒られちゃう!!ま、まってよリカ!」


「先行くぞー」


 私がロッカーに鍵をかけてまごまごしている中、彼女は静かに更衣室から出て行った。

 急いで私も、リカの後を追った。



「お姉ちゃん、またギリギリだったね!」


 嬉しそうに笑う我が妹。

 妹ながら憎たらしいったらありゃしない。

 それに妹なら少し自重しなさいよ。その胸。


「うるさいわね。ちょっと話してただけよ」


「ほんとかなぁ~?またボーッとしてたんじゃないの?」


 うぅ・・。

 痛いところをつくわね。

 ってか、こいつ更衣室で私のロッカーの真後ろなんだから少しくらい気にしてくれてもいいんじゃないの!?そういえばさっきもいたじゃない!いつの間にかいなくなってたけど・・・。


「っていうか、そら、あんたのロッカー私のすぐそばなんだからちょっとは気にしてくれてもいいんじゃないの?」


「えぇー?まだ姉の介護には早いかと思って」


「ソラキチ。すこしは姉をいたわってやれ。きっとテスト勉強で疲れてるんだ」


「ちょっと!誰がソラキチよ!うちはそらら、わかる!?ってか、そもそも、キチってなによ?キチって!ソラキチなんて、もう男じゃないのよ!!」


 ソラキチっていうんだ。この子のあだ名。


「すまぬ。言いやすいものでな。ソラキチ」


 リカは悪いと思っているのか、いないのか。表情を変えずに淡々と喋る。

 それと対象に本気で嫌な顔をしながら抗議するソラキチ・・・もとい、そらら。


「ごめんごめん、いいのよ。少しボーッとしてただけだから」


 なんか気まずい私はとりあえず笑ってその場の空気を仕切り直す。

 そう、こんなところでまた先生に怒られたくないし、今日は確かにぼーっとしすぎ。


「はい、女子は今日持久走で1.5キロ走るぞー」


『えぇぇぇぇっ!!?』


 先生がくるなり、急にやる気のない持久走発言。

 それ、私たちが校庭をぐるぐ走ってみて楽しんでるだけなんじゃないの!?一人立ってるだけで楽そうよね。時計と紙持ってればいいんだもの。


「うわー・・・。」


「お前、走るの不得意だもんな。」


「ふふぅん、お姉ちゃん、うちに勝ったらお昼おごってあげてもいいよ?」


「ソラキチは運動が得意だからな・・・。その胸のわりに」


「胸のわりにって、どーゆーコトよ!?っていうか、ソラキチじゃないから!ツッコミどころ多くて足りないわよ!あんた学習能力ないの!?」


「すまん、乳がデカイ女は馬鹿だ。と以前聞いたことがあってな。少なくともお前よりマシだ」


「あんた謝る気があるの!?むしろナイのどっちなのよ!!・・・っていうか、今の言い方ぢゃうちがばかみたいじゃないのよお・・・!!」


 私の前でまたふたりがもめている。

 そららに至っては今にも殴りかかる勢いだ。頭に怒りマークが何個も浮かび上がっていそう。

 確かに、物覚えが悪い。リカはいつもこんな風じゃなくてもう少し堅物な感じだったのに・・・。


(ん?いつも・・・?)


「そこっ!!うるさい!お前ら3人は3キロ走れ!終わるまで休憩なし!!」


「えぇぇぇぇっ!!?そ、そんなぁ。なんで私まで・・・。別に喋ってないのにぃ」


「お前のせいだぞ、ソラキチ」


「あんたが喧嘩売ったからでしょうが!!」


「うるさい!とっとと走れ!」


『はぁぁい』


 生徒たちが指示に従い走る中、そららとリカは最後まで言い争っていて、走りながらも喧嘩していました。

 また、・・・私まで巻き添えだなんて・・・。今日は本当についてないわ。

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