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下調べ

 昼食を済ませた一行は、唯一町に戻ってきたと言う男の下を訪れていた。

 男はこちらを見ると何故か凄く取り乱してしまい、とても話を聞ける状態ではなかった。そして個々に別れて町で聞き込みをすることになったのだが、新たな情報と言えば町の人達が一様に疲れている事がわかったぐらいである。


 そして一行は下見を兼ねて明るい内に古城へ行く事となった。

 町を出発してから一時間、普段人の往来がないのだろう、獣道のように草が生い茂る中進んで行くと、目的の古城が森の中にひっそりと隠れるように建っていた。放置されてから結構な時間が経っているのであろう、外壁にはびっしりと生えた蔦や苔で覆っていた。

 城の大きさは縦横共に民家5軒分の幅しかない比較的小さな城である。使えそうな入口は扉が無くなっている正面の大きなものだけで、中へ入ると2階へと続く大きな階段が出迎えてくれた。

 それから色々と調べて見たが、1階から最上階の3階まで瓦礫が多かったぐらいで、あとは色褪せた絵画や壊れた彫刻などと特に目立ったものはなかった。


 夜に再度訪れるために、1度町に戻った一行は少し早目の晩飯をとることにした。そして運ばれた料理を食べ出して暫くした頃、唐突にクロムが語り出した。


「皆、少し聞いてくれ。実は昼にあった男、かなり怯えていたが、あれは俺様を見てのもののようだった」


 クロムを見て?

 しかしなんでまた?


「そして俺達の目的であるターゲットの1人も、俺様と同じ肌と髪の持ち主である」


 それってたしか、涅色の肌に銀髪はゼルガルドの王族特有のものだと、道中ローザさんが話していた。と言う事は、古城で目撃されたと言う女性はクロム達のターゲットであり、逃げ帰った人はクロムとそのターゲットを重ねて見たと言う事なのか?


「そしてその者達は、我が王国から2つの魔宝石を盗み出したのだ」

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