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【プロローグ】不死の魔女
遠い昔から今も続く、一つの魔女伝説がある。
心臓を握り潰されても、頭部をぐしゃぐしゃに破壊されても死なない。
その魔女はまるで自身が不死である事を人に見せつけるかのごとく、高笑いをあげながら全ての攻撃を受け入れる。
そして自身を傷つける者達に、等しく死を贈った。
数多の星の魔法を扱い、人の命をゴミと同等かそれ以下にしか見ない死を撒き散らす魔女。
人々は魔女を不吉の象徴として恐れ、また魔女の名である『イザネア』を耳にする事さえ忌み嫌った。
本当に不死身なのか?
それともその魔女の名を語る者が後を絶たないだけなのか?
真実はその名を語る、魔女本人にしか分からない。




