コンコンコンッ
ホクの町に着くと、ミケに連れられるまま町の中央にある広場へと向かう。そしてその広場の一角である魔具屋を訪れた。
シグナは店内のカウンターに荷物を下ろすと、店主と物品確認を行うミケを置いて一人外へと出た。
疲れた。
軒先に設置されていたベンチに腰掛け、ボーと広場を眺める。
陽がだいぶ傾いて来たな。
それから暫くすると、ミケとシャルルがお店から出てきた。
「はぁ~仕事したな〜」
ミケは首を横に倒し肩を叩く。
「あれをずっと運んでたのは俺なんですけど」
「冗談冗談、ありがとね。んであんた達はこれからどうすんの?」
ここから目的地であるホクイールの町までは2時間ほどで着くだろうが、空は夕日色に染まり出しているため、今から町を出れば途中で暗闇に包まれるだろう。
「そうだなー、まだ次の任務まで余裕があるし、とりあえず今日はここで一泊しようと思ってるんだけど」
シャルルに「それでいいよな?」と同意を求めると、「いいよー」と返ってきた。
「それじゃしゃるるん、一緒の部屋に泊まろ~ぜ」
ミケが宿屋に向かいシャルルの手を引いていく。そしてシグナはその場に取り残された。
別に構わないですけどね。
その後チェックインを済ませたシグナ達は、ミケのおごりでご飯を食べに出かけ、その後宿屋に帰った。シグナは風呂場で汗を流し部屋に戻ると、今日の疲れをとるため柔軟運動をしたのちベットの上で横になった。
「コンコンコン」
ドアをノックする音が聞こえた。
「シグー、起きてる?」
シャルルの声だ。
「起きてるよ」
「えーと、新しい魔具の調子見てもらいたいんだけど、いま大丈夫かな?」
「あぁ、開いてるよ」
その声を合図にドアがゆっくりと開けられていく。
「やあ」
姿を現したシャルルはどこかよそよそしい。そして彼女も湯を浴びたのであろう。髪の毛が少し湿っており、またいつも羽織っている上着を身につけていなかった。
 




