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シャルルは考える

 ◆ ◆ ◆



 明かりが乏しい中、私はユアンさんに肩を貸し4人で地上を目指す。

 いつストームが引き返してくるか分からない、気が抜けない状態が続いているのに、しかし頭はまったく違う事で一杯であった。


 私、どうしたんだろう?

 シグナの後を追おうとして、それに続くミケさんの姿が目に入った途端、その一歩が止まってしまった。


 この感じ、なんなのかな?


 年が十個離れたお兄さんが戦争で亡くなって、ゴールド家の期待を代わりに背負うようになったのは、まだ7才の頃だった。


 それから辛い時も悲しい時も、そしてこれからもずっと頑張り続けるために、必要以上に明るく振る舞い続けた。


 人より体力が無いと判っても、それならばと技術を磨き軍にも滑り込んでやった。

 お兄さんと同じ位置にきて、生まれて初めて両親から褒められた。

 あの時は自分でも浮かれていたと思う。

 しかし警備兵に落ちてしまい、両親の期待は落胆へと変わった。


 見返してやる。

 私はまだ諦めていない。


 心が折れなければ負けではない、といつものように自分へ言い聞かせる日々が続いた。


 そんなある日、優しいお兄さんと雰囲気が似ているシグナと出会った。

 なんだか昔を思い出してしまい、いつも以上にはしゃいでしまっている自分がいて可笑しくなった。


 そしてミケさんの事、自分で話しを振っておいて、シグナが冗談めかした風に言っているのが判っていたにも拘らず、言葉が詰まってしまった。

 あとあんな素っ気ない態度をとるつもりも無かった。

 あれはちょっと、らしくなかったかな。


 いかんいかん、考えたら調子が狂いまくっているではないか。


 私が生きている意味は、成功してこそなのである。

 早く元に戻してしまおう。


 ただもうちょっとだけなら、シグナのそばにいても……罰は当たらないよね?

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