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鑑識魔道士ヤン!

 ユアンが鑑識魔法を使える人間を引っ張って来るのに、時間はそれ程掛からなかった。

 しかし一悶着はあったようで、なんでも時間外とか言って明日にしてくれと言われたところを、ユアンがその鋭い眼光で脅し、ーーもといお願いしたようだ。


 小太りで額の汗をハンカチで拭きながら現れたその男はヤンと名乗った。


「早速始めますか」


 ヤンは地べたに座り込みあぐらをかくと、一枚の鉄板を取り出しあぐらをかいている膝の上へと置く。次に魔方陣が彫り込まれているその鉄板の上に紐で縛った2つの袋を置くと、一つの袋に手を突っ込み握り締める。そしてその中に入っていた砂を鉄板の上へ均等にばらばらと撒き、もう一つの袋にこれまた手を突っ込み円盤状の平べったい、小さく黒い石を取り出し、これまた鉄板の上に置いた。

 その後、ヤンは手を地面へかざしたところで動きを一度止めた。


「そうです!この空間に残った魔力から捜す事も出来るのですが、それより精度を高める方法があるんですけど、誰か相手の毛髪や血液をお持ちではないですか? 」


 都合よくそんなの持っているわけないだろ。これだから世間知らずと言うか、的外れな事を平然と発言する役人よりの人間は嫌になる……待てよ、これでも大丈夫だったりするのかな?


「一撃のみなんですけど、これで奴の腕を叩きつけたんですよ。どうですかね? 」

「どれどれ」


 ヤンは渡した魔竜長剣に手をかざし呪文を唱え始める。

 鑑識魔法、初めて見たが魔法というより、占いなどのまじないのような印象を感じさせる物である。


「鑑識魔法ってなんかパッとしないね」


 小声で耳元に語りかけてくるシャルル。

 確かに地味だ、あとなんか面倒くさそう。


「なんとか行けそうですよ」

「そうか、では皆のもの、追跡を開始するぞ」


 ユアンが意気揚々と声を上げる。


「了解姉御」


 うーんシャルル、そこはお前が仕切るところだと思うぞ。

 しかしストームはやばい感じがピリピリする。説明はしたが皆がきちんと理解してくれているかは分からない。

 とにかくヤバイ状態になっても、皆が逃げる時間ぐらいは稼ぐつもりで考えておこう。

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