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解説入ります!

 しかしシャルルはすんごい事をやってのけた。

 ユアンに勝利した事もそうなんだが、まさか電撃に電撃を併せるとは!


 考えればなるほどであるのだが、滅多にお目にかかれるものではないだろう。

 あの大きな電撃音は、ユアンが電撃を流したと同時にシャルルも同じく電撃を流したために起こったのだ。


 雷魔法は呪文によって使われる電撃が二タイプに分かれるらしい。どの雷魔法がどちらに属するかまでは知らないが、同じ魔法なら100%同じタイプの電撃を発生させることは知っている。そして同タイプの電撃は近づけると反発しあう。

 雷魔法の利点の一つに発生から目標物への到達時間が早いと言うのがあるが、それは即ち魔法同士で反発させる事の難しさに繋がる。

 しかし今回は魔具の剣。電撃は魔法を発動させた直後が一番強く、時間の経過で急速に弱まってはいくが、剣から雷が飛び出す事はない。

 つまり魔法を魔法で弾くのよりは簡単ではあるのだが、それでもただ反発させるのではなく最大の反発を引き起こすタイミングである、魔具で魔法を発動させた瞬間を狙うのは至難の技だ。

 相手の思考を読んだ上でその瞬間を見切る観察力、そして正確にこちらも発動させる技術力。


 しかもシャルルは抜け目なく、そこからさらにその反動を利用して攻撃に移行した。

 衝撃でユアンは右腕ごと右後方に持っていかれ手から離れようとする剣を抑えることで精一杯だったのに対し、シャルルはそのユアンの無防備な右脇腹に向け、魔具同士の反発で生まれた勢いそのままに、体を時計回りに回転させて鋭い横薙ぎをユアンの胴体へ向け振ったのだ。


「やるな、お前」


 ユアンが仰向けに倒れているシャルルに手を差し伸べる。


「お前じゃなくて、シャルルだよ」


 その手を握り、引っ張り起こして貰いながらにこやかに名乗りを上げるシャルル。

 この場面だけを見たらどちらが勝者なのかわからなくなるが、正真正銘勝利したのはシャルルである。


 いやしかし、本当にびっくりである。

 終始ユアンに圧倒されていたのに、まさかの大金星を上げるとは。

 仮に相手に隙があれば、偶然が重なって逆転と言うことも起こり得るが、ユアンは最後まで隙なんてものを見せなかった。つまり、シャルルが勝ち取ったのだ。これはまぐれではなく、れっきとした実力である。

 そしてシャルルの潜在能力は未知数であるが、現段階でこれだけは言えるだろう。


 土壇場に強い。


 これは戦士にとって重要な要素であり、大概戦場で生き残る者はこの素質を持つものと、あとは運が良い者と昔から言われている。

 そしてもう一つ注目するべき点は、平均値を大きく上回る魔力の消費回数である。


 シグナは自身での戦闘中、作戦を立てる上で相手がどれだけの魔力を消費しているのか参考程度であるが把握するようにしている。

 そして14回、今回シャルルが魔具を使用した回数であり、魔力を数値で表すと2を消費した回数である。つまりシャルルの魔力容量は28。この数字は完全に魔法使い達の領域である。しかも十代の者でこの数値は、今まで聞いたことがない。

 魔力容量を増やす訓練は、長い年月を使い少しづつ増やしていくものであるからだ。


 しかも、もしかしたらまだ全ての魔力を使い切っていないと言う可能性すらある。

 と言うか、シャルルなら聞けば教えてくれるかも。

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