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ざわざわ

双頭ドラゴンのエピソード追加に引き続き、全てのプロローグの修正作業&若干の加筆完了。

 上半身コロキノのケンタウロス。

 名付けるならば、コロキノウス、いやコロウス、と言ったところか。


 コロウスのそれは、普通のコロキノより著しく細くなっている。

 そんなコロウスは、そのスマートボディーをメトロノームの様に規則正しく前後に動かしながら駆け迫る。

 はっきり言って男性の股間のあれに見えなくも無いコロキノ部分に、モザイクをかけるどうかは議論が尽きないであろう、などと分析している自分がいる事に気付く。


 いかんいかん、現実逃避している場合ではない。

 あれは何がどうなっているのかサッパリではあるが、十中八九サーニャルである。そして僅かに見え隠れする、人がスッポリと入りそうな大きな籠には、シャルルがいるはず。


 しかしどうしてこうなった!


 そう、愛しの人がなんだか辱めを受けている、かは分からないが、とにかくピンチなような気がバンバンするのだ。

 他の連中もあれに気付き、辺りのざわめきが次第に大きくなっていく。

 とにかく少しでもシャルルの力になれないか?

 気づくと軍馬に跨りシャルルと並走するためパッカラを走らせていた。


 しかしかなり速いな。


 今回レース用のパッカラ達を間近で見てきたが、明らかにそれ等より速いスピードでグングンとこちらとの距離が縮んで行く。そしてあっという間に並ばれてしまった。

 そして籠の中に収まり、帽子を目深に被り、わざわざ袖を破いてまでしてそれで口元を隠す、なるべく顔を見られない処置が施された状態のジョッキーシャルルの姿が確認出来た。

 向こうもこちらに気付いたっぽいが、見ないでオーラに満ち溢れていたため、シグナは軍馬の脚を緩めシャルルを見送ることにした。


 しかし流石シャルルである。

 燃料となるコロキノを、籠からむしり取り高頻度で投入しているが、その度に暴れ狂うかの様に激しい動きを見せるコロウスから振り落とされる事もなく、逆にその動きを邪魔せず促進させるかの様にして乗りこなしている。


 そんなシャルルに対して出来る事は、また見守るだけか。

 少し寂しい気持ちになってしまったが、シグナは心の底からシャルルの無事と健闘を祈るのであった。

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