取引
黒石竜の姿を捉えるのに、時間は掛からなかった。
それは奴が沼地に立ち込める殺気を迂回するために、最短距離を進んでいなかったからだ。
それほど奴は恐れ、警戒しているのだ。レースを放棄し、潰しにかかっているヌヌーの奴を。
もしかしたらヌヌーの奴は、ここを通る全てのモノをレース続行不能にして、上位に食い込む計算をしているかも知れない。
まぁ、とにかくそのおかげで、黒石竜の奴も最短距離と比べるとかなりのタイムロスをしている。奴と跨るジョッキーの頭の中には、何処が走れる道なのか入っていないのだろう。そしてあの体の浮き沈み、最短距離の足場より酷いようである。
まぁ、ワシ等が同じく迂回したところで、奴はワシを追ってくるだろう。
まぁ、悪いがお前らはワシと道ずれなんだよ。
「武武武普普普普、武吹吹武吹吹武武武吹吹吹吹?」
そう言って沼地を進む途中、アーマーホースが質問をして来た。先程の会話が頭を過る。
「部普普府府?」
「武武武不不不不部負負!」
「舞府府舞府府」
ジョッキー達への交渉は、ジョッキーカワダガに任せた。今度はワシが肝心要のアーマーホースのヤル気を引き出させないとな。
「部普普、部不不不部普普府府部負負、部不不不部普普府府府府部負負普普普普。悲井印!」
ワシの呼びかけに、渋々頭を縦に振るサーベルユニコーン。
「武武不不不部負負?」
「部不不不不部普普普府府府府部普普、部不不不不部普普普府府府府部普普普府府府府、部部不不不不部普普普部普普普府府府府」
「火火火異異異院!?」
鼻息を荒げるアーマーホース。
「部不不部普普普府府府、部普普府府府部不不不。部不不府部普普普府府府府、部不不部普普普府府府府部普普府府、分不不不不部普普普府府府府部普普、部不不不部普普府府府府」
「武武不不、武不不火日日火日日異異院!」
「非非非異異異院、部不不不部普普府府府府。部不不、部不不不不部普普普府府府府部不不不不部府府、分不不不不部普普府府」
その言葉を聞くと、目を細め溜飲を下げるアーマーホース。
「武負負、武不負武武不不不負負部負負?」
「部府府、部普府府府府部普普普府府府府。部普普府府府府、部不不不不部普普普府府府府部普普普府府。部不不不不、部不不不不部普普普府府府府部普府府府府。部不部普普普府府、部不不不」
「……武武不負負」
アーマーホースの広角が釣り上がる。
「部不不部普普府府府部普普普府、部不不不不部普普普府府府府部不不部普普普府府府府部普普普、部不不不不部普普普」
「武武不不不負負、武武不不不部負負?」
「部不不不不部普普普府府府府部普普普府」
「武武負負、武武不不不部負負」
単細胞は扱うのが楽で助かる。
ふとスライムの方へと見やると、ワシ等から距離をとっていた。
ジョッキー達の話し合いの結果、奴だけ金銭面での折り合いがつかなかったようだ。
よって近づきすぎると標的にする旨を、ジョッキーカワダガが伝えているはずだ。
そしてワシ等は沼地に鎮座する、不気味なニンゲンの姿を捉えた。
改善の一環として、二話目に『双頭の飛竜』と言う話を新たに入れました。
時間が出来次第、各話の
双頭のドラゴン → 双頭の飛竜に変更していきます。
宜しければそちらも、閲覧ヨローです!




