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パッカラレース、スタート!

前のお話、ヌヌードラゴンのデータが流星のパッカラと同じになるバグが発生していましたので、変更しております。

『さあ、各馬一斉にスタートしました。

 綺麗なスタートを切っています。ぎっしりとファンがひしめくヒナイールを後にした各馬は、この広大な高原を進み迫る森を抜けますと、目の前に断崖絶壁崖が立ちはだかります。

 そこを下ると平原が続き、折り返し地点となるハンヌマイール周辺に広がる湿地帯に入ります。因みにそこを回避して引き続き平原を進むルートもありますが、かなりの遠回りになりますので、どちらを選ぶのかもこのレースの見所となっております。

 さぁ、早くも先頭集団が出来つつあります。先頭を行くのは白灰髪のパッカラで、そのすぐ後にはサーベルユニコーン、流星のパッカラ、ヤカクク、ガトードラゴンと続き、少し離れてアーマーホース、ヌヌードラゴン、そしてまた少し離れた所にスライムがいます。このペースは例年と比べると少し遅いものとなっておりますが、先頭でペースを握る白灰髪がいつ仕掛けて来るのか、これは目が離せないレースになりそうです』


 籠に揺られながら先を行くパッカラ達を見て、思わず手綱を握る両手に力が入る。

 ここまでとは、……スタートして間もないのに、既にこんなに離されてしまっている。

 間近で見て、その差がはっきりとわかった。

 しかしレース用のパッカラがこんなにも速いものとは。巷で見かけるパッカラとは、走りが全くの別物である。

 スライムのサーニャルも決して遅いわけではないのだが、格が違いすぎた。力の差を見せつけられてしまい、このレースに参加するという選択肢が間違いだったのではないのか? とさえ思ってしまう。

 ……いや、まだ諦めるのは早すぎだ。それに諦めるなど、私らしくもないではないか。チャンスは必ず訪れる。そう信じて行動をしていないと、本当にチャンスが訪れた時にモノに出来ない。

 そうだ、何時もの事ではないか。逆境を楽しむぐらいが私にはちょうど良い。そして目標が大きければ大きいほど、遠ければ遠いいほど良い。その間他の不安を跳ね除ける事が出来るし、何もせずにいる自分よりは、確実に大きな自分へと一歩一歩近付いていけているのだから。

 例えこのレースで結果が出せなくても、いつかここで頑張った事が実を結ぶものであったと、昇華される事が訪れるかもしれない。よって私は諦めない。

 このレース、一切手を抜かない。

 私はより我慢強い、より執念深い人間になるのだ。

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