波乱の予感
パソ以外で読まれてる方は、すんごい見づらいかと。
m(_ _)m
『はーい、パミュパミュでーす。
こちらにも出走を待ちきれないファンの皆様が大勢詰めかけてきています。それでは出走前の選手の皆さんにインタビューをしたいと思います!
カワダガさん、今回の意気込みをーー』
白に灰が混合するたてがみの間から、鋭い眼差しで周囲を一瞥する年老いたパッカラ。その年老いたパッカラは近くにいた気合に満ち溢れスタートはまだかまだかと息巻いている、頭部にある2本の角を巻貝のようにグルグルと生やした一頭のパッカラに、後方より声を掛ける。
「部吹吹吹、部吹吹部吹吹吹」
声を掛けられた巻貝角は声の主が白灰髪だとわかると、表情を少しだけ緩め向き直る。
「部吹吹、部吹吹部吹吹吹部吹吹吹、部吹吹部吹吹吹部吹吹部吹吹吹部吹吹部吹吹吹部吹吹吹。悲悲井井印、部吹吹部吹吹吹悲悲井井印」
「部吹吹部吹吹吹部吹吹吹部吹吹吹」
目を細める白灰髪。
「部吹吹吹部吹吹部吹吹吹、部吹吹吹部吹吹吹?」
「部吹吹? 部吹吹吹、部吹吹吹部吹吹吹部吹吹吹部吹吹吹。部吹吹部吹吹吹部吹吹吹、部吹吹吹部吹部吹吹吹、部吹吹吹部吹吹吹部吹吹吹。部吹吹部吹吹吹、部吹吹部吹吹吹部吹吹吹部吹吹吹」
考え込む巻貝角。
「部吹吹、部吹吹吹部吹吹、部吹吹吹部吹吹吹、部吹吹」
その時、話している二頭の横を金髪の若いパッカラが素通りする。
「部吹吹吹、部吹吹悲悲井井印? ……部吹吹、部吹吹部吹吹?」
「……部吹、部吹吹吹」
その時、尋常ではない圧迫感に辺りが包まれる。ワイバーンより小型ではあるが、力強く太い四肢と翼を持ち、真っ黒な表皮に包まれた黒石竜が、我が物顔で道を歩いて来ていたのだ。
「牙鵜、牙鵜鵜馬!」
しかしそのドラゴンの前に、巨大な体躯を有し全身を硬い皮膚で覆った一頭のパッカラが立ち塞がる。
「部吹吹吹、部吹吹部吹吹?」
そのパッカラの一声で、両者は睨み合いを始める。すると先に黒石竜が視線を外す。
「牙鵜馬牙鵜馬牙鵜鵜馬」
立ち去る黒石竜。その後ろ姿を見た巻貝角が、「部吹吹部吹吹吹部吹吹吹」とポツリと漏らした。
『ーーそして誰が、本戦の出場権と共に百万Gを手にするのか?
こちら、熱気に包まれる、選手達の直前情報をお送りしました』
パッカラ達の言葉は、中国語と似て非なり。




