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二日目朝

 翌日の朝。

 宿泊先の宿で目を覚ますと、朝日がカーテンの隙間から差しており、室内に一筋の光の道を作っていた。


 小さな丸テーブルに椅子が一脚、そして部屋の三割を占める大きめなベットがあるだけの部屋が今の根城だ。

 カーテンを一気に開き、窓一杯の朝日を部屋の中へと招き入れる。

 二階と言うこともあり日を遮る建物はなく、陽の光が眩しいが全身を暖かさが包む。

 今日は耳を澄ませば小鳥たちのさえずりが聞こえてきそうな晴天である。

 次に欠伸をしながら通りを見下ろせば、主要な通りではないにも関わらず、朝早くから多くの人々が行き交っていた。


 さてと、待ち合わせの時間にはまだまだ早いが、そろそろ用意を開始するか。

 魔竜長剣ドラゴンソードを手にすると、素早くベルトに取り付けコートを羽織る。旅人の心得として荷物は最小限に、そしてすぐ出発出来るようにとシグナなりに考えた結果が、今のスタイルである。


 部屋を出て木造の階段を降りると水場へと向かう。ポンプを押して井戸から出る水を桶で受けると、その冷水で顔を洗い目を完全に覚まさせる。

 次に宿屋の正面玄関に向かうと、腰袋から小銭を取り出しその小銭を受付に渡し、カウンターの上にあるカゴから今日の朝食となるパンを一つ取り、かじりながら宿を後にした。


 人混みの流れにのり警備兵の詰め所へと向かっていると、目の端に行き交う人々の間を縫ってこちらに走り来る人を捉える。

 目を凝らしてよく見てみると、…… シャルルであった。

 約束の時間はまだであるし、こんな場所にいるとはどうした事だろうか?

 念のためシャルルの前後を注意深く観察してみるが、他には人の流れに異常は見当たらない。


 直接聞くか。


 足に風を纏わせ石畳を大きく蹴りジャンプすると、人混みの頭上を越えてシャルルの隣に着地する。


「よっ」

「うわっ、シグが空から降ってきた! いや、落ちてきた? 」


 立ち止まり驚きの声を上げるシャルル。


「そんなことより、急いでどうしたんだ? 」

「そうだった、昨晩またストームが現れたみたいなんだよ。シグも来る? 」


 シャルルに向かって無言で頷くと、彼女に続いて街を疾走した。

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