家の中
ある日の帰り道のことだった。
まだ陽射しが暑く、体から体力を奪っていく。
いつもならまだ仕事をしている時間なのだか、今日は暑さのせいか、やる気が起きず早々に切り上げ帰ることにした。
起こった出来事を振り返るならば、きっと何時もの時間に帰っていれば起こらなかったんだろうか。それともいつもと違う道を通ったからか。
もう指先すら動かすのがつらい。
何が原因でこうなったんだろうか。さっぱりわからない。
こんなことなら、あのとてもいい匂いがしたものをもっと手に入れておきたかったな。
せめて少ししか手に入らなかったこれを届けたかったな。
徐々に意識もなくなる。
完全に意識が無くなる寸前に何か聞こえた。
「あ、ママー!ありさんがしんでるよー!」
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