表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/14

9,獣の夜[3]

第八話の最後に登場する人物を一人変更しました。


詳しくは活動報告にて。

「で……どうしてお前らこんなとこに居るんだ?」

「いや……モンスターから逃げて来まして。一応追って来た奴は退治出来たんですけどね」

 “退治”という言葉を聞いた時、知らない3人は驚いた様な顔を見せた。

「生きてて良かったな。じゃ、死ぬなよ〜」


「あなたたちは一体……」

「俺らか——ギルドに所属しない討伐隊みたいな」

「……」

 そう言い残して去って行った。女の方は喋らない。討伐隊って事は、悪い集団じゃ無いのかな。でも服装も怪しいし、ギルドに所属しないのも怪しいし、夜中に祠に来るのも怪しいし、要するに怪しい集団って事で良いか。

 こうして俺はその集団の事を頭の片隅に追いやろうと——

「あの人たち、ギルドカードを持って無かった」

 追いやろうとは出来なさそう。だってギルドカードが無いって事は、人間じゃ無いって事だよな。

「どうして分かった?」

「見りゃ分かるでしょ」


 そう言ってアコはギルドカードを取り出した。

「なっ……お前!」

 アコが見せて来たのはさっきの集団の写真。数枚なんてもんじゃ無い。

「盗撮だろ!」

「人間じゃないんだから良いでしょ」

「んな事言ってもなぁ……。でも人間じゃ無いかは分からな——」


 また俺の顔に液晶画面を押し付ける。

「ほら、赤いマークが出てるでしょ? うーん、説明しにくいんだけど、ギルドカードで撮影する時って撮影される側のギルドカードはプライバシーの保護の為に反応するの。ギルドカードに機種は無いから反応しない事は絶対無いわ。反応が無かったと言う点と、普通ギルドカードを持ってると緑のマークが表示される筈だから赤いマークが出るのはおかしい、と言う点からあの集団は人間じゃ無いわね」


「お前……良くそんな事知ってんな……」

「え? 学校でそう言う授業無かった?」

「うッ……いや俺昔病弱で学校に行かなかったからな。ハハハ」

 

 クソっなんて酷い嘘を突いてしまったんだ……

「そうなんだ。まあ、あの集団の事は1回忘れよ」

 アコの心配そうな言葉がグサリと刺さる。

「そうそう、レンさっきの狼どうやって倒したの?」

 これは——言って良いか。

「“覚醒”ってのを使ったんだ」

「何それ?」

 とアコは頭にクエスチョンマークを浮かべる。

「それじゃあ、やってみるか?」

「でも今は夜だからここに居ないと危なくない?」


「——! 残念だ。ここに居ても危ないと思うよ」

「へ?」


 前を見るとそこには、さっきの倍近くに増えた狼さんが出入り口を塞いでいた。

 はぁ、いつの間に居たのだろうか。歯を食いしばって今にも襲い掛かろうとしている。

「アコ、覚醒使ってみたら?」

「うん」

「それじゃ、覚醒! って叫んでみろ」


「ふ——っ、覚 醒 !!」


 覚醒、と叫ぶとやはりアコの周りに魔方陣が出現、しかし時は止まってないみたいだ。

 アコの近くには、猫が1匹佇んでいた。小さな猫で、三毛猫かな? 暗くてハッキリとは見えないが。

「これ……私の召喚獣?」

「そうだ、早く指示を出せ」


「そんな……言葉は通じてないみたいよ」

「ええ? もう俺が殺るしかない。覚 醒 !!」


 魔方陣が出現するや否や、バンクルさんが現れる。勿論時は止まって……アコは動いてるだと?

 しかし狼は今にも飛掛かって来そうな体勢のまま、止まっている。

「こ……これがあなたの召喚獣?」

 バンクルさんは天井ギリギリの身長で非常に窮屈そうだ。

「またぶとは思わなかったわぁ。ま、仕事があるのは良い事ね。あの狼でし……」

「どうした、バンクルさん」

「その猫、この娘の?」


「そうだけど」

 そう言うと、猫はトコトコとバンクルさんへ寄って来た。

「この猫、シルクちゃんって言う、獣界での友達みたいなもんよ。獣界に帰ったらシルフちゃんと話したい事が沢山あるから、アイ《狼》ツらは抹殺よ!」


 シュンッ


 いつも思うが、“抹殺”の速度がハンパ無い。何者なんだ。

 バンクルさんの攻撃が終わると、小声でじゃね〜と言い残して消えた。シルクちゃんも。


「まさかさっきの狼もこんな感じで……」


「そう言う事です」

ちょっと短かったかも知れません。


今日は用語は無しです。次回もお楽しみに。では……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ