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男 ~謎の少年まで~

~青年の話の後~


俺は、青年から少年について知っていることを全て教えてもらった。

初めて声をかけた時のこと、少女が現れた時に話したこと、ランダという男とどこかへ行ってしまったこと。

そして、俺は約束通り自分の話をした。

全てを離したわけではない。俺が元いた世界の話を少し下だけで満足したらしい。

なぜ、俺がこの地にやってきたのか、どうやってきたのかは触れていない。

その話に行くまでに、青年は質問しすぎて話がどうもずれた。だが、俺にとっては好都合だった。


青年からいろいろな話を聞いた後、少年とどこかへ行ったと言われていた”ランダ”という人物に会いに行くことにした。

青年は、自分の名前を確か”マルス”と言っていた。そして、少年の名前を”マーシュ”だと言っていた。

本名なのか、偽名なのか。俺にはそれすらもわからない。

ともかく、”ランダ”という人物に会えば何かもう少しわかるだろう。

マルスに家の場所は教えてもらった。

後は、どれだけ怪しまれずに少年の話をうまく聞き出せるか。が問題だ。

あまり得意ではないが、やってみるしかあるまい。


そんなことを考えている間に、家の近くまで来ていた。


俺「このへんだったな。いったいどの家だ?」


同じような家がいくつも並んでいる。

ランダの家はどれなんだろう。しばらく眺めていると、1人の老人が家から出てきてこちらをじっと見ている。

俺は、怪しまれたと思ってすぐさま笑顔を作り会釈した。

だが、老人はこちらをじっと見据えたままぴくりともしない。

しかたがなく、声をかけてみることにした。


俺「すみません。じろじろと見てしまって。失礼しました。実はランダさんという方を探していまして。」


老人「ランダ・・・・・は私だが。なんのようだね。」

俺「え・・・」


びっくりした。

こんなにもすぐに会えるとは思わなかった。

運がついてきたか。

これは、もうガンガン行ってしまってもいいだろう。


俺「あの、マーシュという少年をご存知ですか?」

ランダ「なぜ、その名を知っている?」

俺「マルス君から聞きました。」

ランダ「そうか・・・あいつ喋ったのか。まあ、いい。どんな用件かはだいたいわかってる。入りなさい。」

俺「ありがとうございます。お邪魔します。」


なんだか、よくわからないが、とにかく話を聞かせてもらえるらしい。

用件が、わかっている。と言っていたな。どういった意味かはわからないが、まあ悪い方向にはいかないだろう。


俺は、ランダの家に入り少し沈黙が続いた後相手から話を切り出してくれた。

そこで、俺は驚く事実を聞いたのはいうまでもないだろう。





俺「それは、全て本当なのですか?」


俺はこの町について話を聞いた後、愚かにもそう聞いてしまった。


ランダ「もちろんだ。私が嘘を君に吹き込むとでも思ったかい?」

俺「いえ、そういうわけでは…。」


俺は、ランダが話を切り出してくれた後、いきなり少年の話をするのは気が引けて深くは考えずこの町のことについて質問した。

ここは、どういった場所なのか。と。

そして、その答えが返ってきた後とにかく驚いた。

全てが、理解できない次元のものだったからだ。


そして、ランダが別世界から、この地へやってきたことのある者に会ったことがある。ということにも驚いた。


あまりに、衝撃的で少年のことを聞くのを少しの時間忘れてしまっていた。

だが、割りとすぐに冷静さを取り戻し少年について聞くことができた。


幸運なことに、少年はこの家の隣の家に今いると言うではないか。

俺は、すぐさまその家に行こうとした。

だが、ランダにとめられた。

少年を、あまり刺激しないでくれ。と。

少年は今とても情緒不安定だという。そんなことは前から知っている。

しかたがなく、俺は少年が飛び降りるときにいた人間だということを話した。

そうしなければ、どうやってでも少年に会わせないようにするだろうと思ったからだ。


ランダ「そうか。少年の言っていた男とは、君のことだったか。」

俺「そうです。少年が消えてしまったのを見たので、この地まで追いかけてきたんです。」

ランダ「そうか。だが、珍しいなそんな行動をする人間は。」

俺「どういうことですか?」

ランダ「普通、人は目の前で理解できないことが起これば忘れようとするのが普通だと思うのだが。違うかね?」

俺「大抵の人はそうだと思います。だけど、俺は好奇心が勝ってしまっただけのことです。」

ランダ「それだけかね・・・?」

俺「・・・・とにかく、少年に会いに行きます。」

ランダ「わかった。君は何を言っても行くんだろう?それなら、今日はもう遅いのだから明日言ってはどうかね?私の家に泊ればいい。」

俺「・・・はい。そうします。お願いします。」


そうして、晩飯をごちそうになり、風呂に入り、布団を一式借りて俺は寝た。


まだ、少し興奮が収まらずにいた。


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