表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/5

5.じっくりねっとりと

「うめええ」

 熱々の焼けたばかりの肉をほうばり舌鼓を打つ。

 これぞ、キャンプの醍醐味だよね。

 といいつつ外へ警戒をすることも怠らない。入口前とはいえポップアップテントの外に出ているからね。

 俺のポップアップテントは入口部分に幌がついていて、付属のポールを立てることで幌を伸ばして屋根のようにすることができるんだ。万が一の時は急ぎポップアップテントの中へ逃げ込む。

 とまあ、そんな感じでカセットコンロに焼肉用の鉄板を乗せて肉を焼いている。窮屈さはあるが、キャンプ感や快適さより安全重視のため致し方なし。

 香ばしい肉の焼ける香りがしてきた。次の肉が焼けてきたようだ。

 塩コショウだけ振って、パクリと。

「やっぱ、うめええ」

 イノシシ肉最高だよ。炭火バーベキューならもっとおいしくいただけそうだけど、ポップアップテント入口傍でとなると場所を取らないカセットコンロの方が適しているからね。ポップアップテントの中に入れば絶対安全なわけだからさ。

 チート化したクーラーボックスのおかげで一瞬で解体できるため、手間いらずで肉が食べられる。難点にはならないが、本来のクーラーボックスとしては使い辛くなった。中にものを入れたままだと何度も「解体しますか?」と聞かれるからさ。ヘルプのクーラーボックスに書いていたことだけど、アイテム一覧に入った肉やらは時間が停止した状態で保管される。つまり、肉や魚を保存するため、としてのクーラーボックスは必要ない。

「ふう。食った食った」

 食べ終わった後は、ちゃんと後始末をしなきゃだ。キャンプ場は綺麗に使いましょう、ゴミはお持ち帰りください、ってね。

 メニューのクリーンアップにクリーンアップ(ゴミ捨て)ってあっただろ、何に使うんだろうとおもっていたらウエストポーチと組み合わせて使うことができると分かったんだ。ウエストポーチはアイテムの収納、取り出しを行うことができるだけじゃなく、クリーンアップ(ゴミ捨て)機能も持ち合わせている。

 ウエストポーチに触れ、宣言する。

「クリーンアップ」

 俺の右手がぼんやりとした光を放ち始めた。

 カセットコンロに触れると鉄板に残った油やらが綺麗になる。クリーンアップ(ゴミ捨て)は超高性能な「ゴミ捨て」機能だ。

 この機能を使って外のイノシシの血を綺麗にすることもできた。「超」高性能と述べたのは、単に触れたものを消すだけじゃなく、頭に思い描いて触れたものの中から選択的に消すことができるからなんだ。クリーンアップは灰や骨を丸ごと消すことも、フライパンから油だけを消す、とどちらもできちゃう夢のゴミ捨て機能である。

 一方、収納したアイテムについては、アイテム一覧からクリーンアップ(ゴミ捨て)できることはイノシシの頭で確かめた通り。

 綺麗になったカセットコンロらをウエストポーチに収納し楽々後片付け完了だ。

「お、待てよ」

 コンロの油汚れが取れるということはだな。イノシシの解体でべっとりと汚れた服へ目を落とす。

 きょろきょろと辺りを見回すも、もちろん誰もいない。

「クリーンアップ」

 自分の服へ手を当て汚れをイメージする。すると、べっとりとした汚れが全て取れたではないか!

 簡易的に綺麗にするだけならこれで十分だな、うん。石鹸の良い香りがしないのは求めすぎだよね。起きてから事件の連続で着替えることなくジャージ姿のままだったので、着替えをせずそのままにすることにした。ジャージは寝る時用なのである。

 続いてもう一丁いってみよう。

「クリーンアップ」

 今度は自分の体に手をあててクリーンアップを試してみる。

「綺麗になった気はするけど、やっぱり水浴びした方がすっきりしそうだな」

 服と違って自分の体となると、汚れが取れたとしても満足できなかった……。髪の毛とか汚れは取れているけど、皮脂とかはどうなんだろ。

 明日は水浴びしようっと。

「先に寝る準備をするかあ」

 誰に向かって言っているわけでもなく呟くと、ポーチから歯ブラシと歯磨き粉を出す。

 ポップアップテントから手だけをだして水筒で歯ブラシを濡らし、歯磨き粉をつけてシャカシャカとし始める。シャカシャカしながら寝袋を出して、位置を整えた。

 これで準備完了。片づける時もクリーンアップで歯ブラシを綺麗にして収納すればよいんだぜ。気持ち悪いから水ですすいでからクリーンアップ機能で歯ブラシを綺麗にするけどね。寝袋なんかは畳む必要もなくそのまま収納でOKだ。

 そんなこんなで寝袋の上にあぐらを組み、声を出す。

「ベースキャンプ」

『メニュー

 アイテム一覧

 アイテム強化

 クリーンアップ

 ヘルプ』

 さてさて、腹も膨れたし、寝る準備もできたことだからじっくりねっとりとアイテム一覧を見て行こうか。 

 改めてアイテム一覧からサバイバルナイフと水筒の詳細を見てみる。

『サバイバルナイフ レベル2』

『水筒 レベル2』

「レベルって何だろう?」

 レベルとか書かれてもどのような性能なのかとんと分からないんだよな。

 レベルをタッチしてみたら、レベルがあがるとアイテムの性能があがる、と説明が出てきた。

 レベルがあがると、アイテム説明欄に強化された機能が表示されるようで、サバイバルナイフの場合は切れ味の強化、水筒は水がいくらでも出るようになる……らしい。

 切れ味は切れ過ぎたら逆に危なくなる場面はあるかもだけど、水筒はヤバすぎだろ! 今でもヤバすぎなのだが水筒のレベルを更に上げたらどうなるんだろうか。いずれ水筒のレベルアップをやってみたいところである。

 続いて他のアイテムをいくつか見てみたが、元々持っていたキャンプ道具は全てレベル2になっていた。サバイバルナイフと水筒はもちろん、他の道具に至ってもレベルを上げた記憶なんてないのだが、転移時のボーナスか何かで手持ちの道具についてはレベル2になっていたのかもしれない。いや、俺が無意識的にレベルアップをさせた可能性もあるよな。

「なら、アイテム強化を見てみよう」

 アイテム強化を開くと、ずらっとアイテム一覧が出てきた……。先ほどと違ってアイテムの横にレベルの表記がある。試しにサバイバルナイフを選ぶと強化に必要なクリーンアップポイントと「強化する」と表示があった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ