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第5話

 ページを開いていただきありがとうございます。


 「美少女達の友人A」第5話になります。


 今回は、陸上部で新たに仲良くなったイケメンの男友達と、同じく陸上部で仲良くなった美少女の1人、高山花音との話です。


 では、よろしくお願いします。

 陸上部は基本的に上下関係が緩くて、先輩がみんな優しい。それに、男女問わず仲がいい和気あいあいとした部活だった。


 その中でも2人とはすぐに仲良くなった。


 1人は速瀬颯人はやせはやと。中学時代から陸上経験者で足が速く、1年生の中ではエース級の実力がある。今月末の高校総体にも出場するはずだ。


 颯人は典型的な運動部の男子って感じで、背は俺より少し高いくらいだけど、体は筋肉質でガッチリしている。


 性格は明るくカラっとしていてとにかく接しやすい。陸上初心者の俺にも丁寧に教えてくれるいい奴だ。


 そして、顔も爽やかスポーツマン系イケメンときている。


 当然モテそうだけど、中学から付き合っている彼女がいるらしい。


 ただ、彼女は花岡市東部の花岡銀河高校に通っていて、お互いの都合が会わなくてなかなか会えずすれ違っているようだった。


 気がついたら、俺と颯人は部活帰りに学校そばのコンビニで一緒に買い食いをする仲になっていた。  


 「よっしゃ練習終わったー! 慎一、フェミマ行こうぜ」


 「またかよ。ま、いいよ。行くかー」


 颯人の一言で、今日の練習後もコンビニで買い食いをすることになった。


 ハナコー近くのフェミマについた俺たちは、2人揃ってフェミチキを買ってほおばる。


 熱々のフェミチキからは湯気が出ている。うん、うまい!


 2人で立ち食いをし終わると、颯人がこっちを向いてきた。


 「どうだ? 陸上部にはもう慣れたか?」


 颯人はいつもこういうことを言ってくれる。俺だけじゃなくて、初心者の全員に。


 ほんと、颯人っていい奴だわ。


 「おかげさまで。すごく居心地のいい部活だわ。ただ、これまでと走り方が違うから、まだしっくりこないけどな」


 颯人はニカッと笑う。うん、やっぱりイケメンだ。


 「あー、また2人で買い食いしてるー」


 1年の女子達が近寄ってきた。こうやって女子と仲がいいのもこの部活に入って良かった点だ。だって、女子と仲良くするのは楽しいからね。


 「じゃあな」「じゃあね」


 花岡市に住んでいる颯人をはじめとした部員達が帰って行った。


 「じゃ、俺らも帰ろうか、高山さん」


 「うん、帰ろっか」


 仲良くなったもう1人は、爽やかスポーツ系美少女(って俺が勝手に心の中で呼んでるだけだけど)こと、高山さんだった。


 陸上部の1年生の中で、ひなた市出身なのは俺と高山さんだけだった。


 だから、大抵の部活終わりは2人で花岡南駅まで自転車で行き、一緒に電車に乗って帰るようになった。


 一緒に帰るうちに、俺たちは自然と打ち解け、いろいろな話をするようになった。


 この時も俺たちは、電車の中で少し間を空けて、向かい合って立っていた。


 「陸上部入ってまだ2週間だけど、楽しいわ。入って良かったよ」


 「ほんと? そう言ってもらえると良かった」


 高山さんは飾り気がなく話しやすい女子だった。だから、帰り道で話しながらすぐに仲良くなれたのだ。


 まあ、高山さんのかわいさには全然慣れてないけどね。


 もし俺が雛崎と友達じゃなかったら、まともに目も見れなかったはずだ。


 「園山くん、入部したばかりなのにタイムがすごく速くなったね」


 「いやいや全然遅いって。颯人とかには全くかなわないから。やっぱ初心者だからね」


 高山さんは優しげな笑みを浮かべた。


 俺の100メートルのタイムは、入部後のフォーム改造の結果、13秒台から12秒台後半になっていた。


 まあ、陸上部の中じゃ全然遅い方だけど。


 「ううん。入ってすぐであんなにタイムが伸びるのってすごいよ」


 高山さんに正面から褒められると照れてしまう。いい子だなーほんと。


 でもデレを見せるわけにはいけない。また変態扱いされるかもだから。


 「うん。ありがと。高山さんも総体頑張って」


 颯人と同じく、高山さんも1年生女子の中で唯一高校総体のメンバーになった。


 「こっちこそありがとう。私、頑張るから」


 こんな風にして、しばらくするうちに高山さんとは何でも話せる仲になっていった。


 話していくと、高山さんは恋愛に興味があるらしく、必然的に恋バナが多くなった。


 でも俺に恋愛の経験があるわけじゃない。うまく話を合わせるのは大変だったけど、楽しいから問題なかった。


 俺も男だし、やっぱかわいい子と話すのは楽しいじゃん。


 「あのさ、園山くんのクラスに雛崎さんっているよね。ほら、サッカー部のマネージャーやってる子」


 え、何で今雛崎の話? しかも高山さんから? 


 いきなりのことに俺はちょっとだけ驚いた。


 俺は平常心を心がけながら答える。


 「雛崎? いるねーサッカー部に。クラスも一緒だけど、それがどうかした?」


 高山さんを見ると、頬を薄く染めていた。何だろ?


 「園山くんって仲いいんだよね、雛崎さんと。付き合ってるって噂聞いたんだけど、本当?」


 はあ?


 俺は思わず目を見開いた。口がぽかんと開いているはずだ。


 おいおい、あんだけ否定したのにまだそんな噂が立ってるのか?


 俺は気持ちを落ち着かせるため、ふぅー、と息を吐いてから少し冗談めかして答えた。


 「誰から聞いたの、そんな話。だからー、付き合ってないって。そもそも、俺と雛崎が釣り合うわけないでしょ? あいつは俺の、ただの友達だって。それ以上でもそれ以下でもないから」


 それを聞いた高山さんは両手を口に当ててびっくりしている。そんなびっくりすること?


 「ほんと? 練習中に手を振り合ってるから、てっきりそういう関係なのかなーって」


 あーそれか。それね。何で雛崎は俺に手を振ってくるんだ? うーん分からん。


 「あれは、雛崎が振ってくるから返してるだけだよ。まあ、それを見て周りが何かあると思うのは仕方ないかもしれないけど、本当に違うから」


 それを聞いた高山さんは、窓のガラスの方を見ながらふーん、そうなんだー、と独り言をつぶやいていたけど、不意にこっちを向いた。


 「私、今度雛崎さんに話しかけてみる。前から仲良くなってみたいって思ってたし。雛崎さんから園山くんの話も聞いてみたいしね」


 え、いきなりどうした?


 「え、いいんじゃない? すごくいいと思う」


 高山さんが雛崎と仲良くなるのは全然いいと思うけど。2人が並んだら目の保養になるし。


 でも、雛崎から俺の話聞くって、まるで高山さんが俺に興味があるみたいに聞こえるじゃないか。


 いやいや、俺は友人Aだ。そんなことは決してない、はずだ。


 まあ、後日やっぱりそうじゃなかったって分かるんだけどね。


 高山さんは両手を体の前で重ね、ちょっとだけ恥ずかしそうに言った。


 「私も高校生になったし、きっかけがあればそろそろ恋愛とかしてみたいな」


 高山さんはどうやらまだ男子と付き合ったことがないらしい。夢見る少女ってやつだろうか。まあ、俺も同じくいまだに夢見る少年だけど。 


 「俺も付き合ったことないから何も言えないけど、焦らなくていいんじゃない? ほら、好きになる時は自然にそうなる、って言うからさ」


 俺は気まずさをごまかすためありきたりな一般論を言った。


 でも、どうやらそれが高山さんには響いたらしい。薄く染まった頬が見える。


 「そうだよね。なんかね、周りの友達がどんどん付き合ってるから焦っちゃって。急がなくてもいいかなって、今園山くんの話聞いて思えた。ありがとう」


 ありがとう、という言葉とともに高山さんの爽やかな笑顔がはじける。


 くぅ。かわいい!


 でも俺は友人A。勘違いして好きになってしまったら、こんな関係はあっという間に終わってしまう。


 高山さん、今後は高山って言うけど、俺はこの日から高山と一緒に帰るのは1種の楽しい修行だと思うことにした。

読んでいただきありがとうございました。


まず、速瀬颯人が登場しました。後に同じグループになるイケメンズの1人です。


颯人は、とにかく運動部らしく、筋肉質でカラッと明るいキャラクターとして生まれました。


颯人は主人公慎一の陸上部の師匠であり、後にライバルになります。


実は颯人は、男女関係もカラッとしています。事情があって消極的な彼方とは違う、積極的な一面が今後見られると思います。


そして、本作品に登場する3人の美少女の1人、同じ陸上部の高山花音とのやりとりを書きました。


花音は慎一と同じく、6人の中の数少ない交際未経験者です。今後の展開を楽しみにしておいてください。


あと1人、玉木愛瑠は2話後に出てくる予定です。小悪魔ビッチ系美少女の魅力をたっぷりお伝えできるように準備したいと思います。


最後に、この作品のヒロインである3人のうち2人が中学もしくは高校での交際経験がある設定にしています。


交際経験があるということは、つまり「そういうこと」です。


ですが、この作品はご都合主義にならずなるべくリアルを目指しています。そして、私はかわいい子ほど早くに交際経験がある方がリアルだと思っています。


花音が交際経験がないのは、少し大人びた顔立ちと、背の高さ(165㎝)、そして恋に臆病な性格が理由です。


この設定が気に入らない方もいるかも知れませんが、後々生きてきますのでお楽しみに。

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